「粛々」の意味とは?使い方から類語や英語や対義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「粛々(しゅくしゅく)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「粛々」をざっくり言うと……

読み方粛々(しゅくしゅく)
意味ひっそりと静かで厳かなさま
類義語静粛、密やか、厳か、粛然、しめやか など
対義語騒々しい、賑やか、軽々しい、騒然 など
英語訳solemnly(真面目に・厳粛に)
silently(静かに・黙々と)
quietly(じっと・黙々と)

「粛々」の意味をスッキリ理解!

粛々(しゅくしゅく):ひっそりと静かで厳かなさま

「粛々」の意味を詳しく

「粛々」は、ひっそりと静かで厳かなさまを表す言葉です。

「粛」という漢字は訓読みで「つつしむ」と読み、厳かに身を引き締めるという意味があります。この「粛」という字を二度重ねて強調しているので、「粛々」は「慌てることなく、身を引き締めて真剣に取り組む」というニュアンスで用いられます。

ですから、騒がしいパーティーなどを「粛々と行う」という表現はしません。

 

政治家の答弁などで、「ご質問の件に関しては、粛々と進めてまいります。」というフレーズを聞いたことはないでしょうか。「粛々」は、真剣に厳しく向き合わなければならない場面や、人の姿勢に対して使います。

基本的には、お葬式や結婚式、成人式や記念式典など、緊張感のある冠婚葬祭の場面で使用される言葉です。日常会話で使うことはなかなかないですが、冠婚葬祭の場面の他にも、ビジネスや政治の場で用いられることがあります。

「粛々」の使い方

  1. お葬式の粛々とした雰囲気の中、彼に最期の別れを告げた。
  2. クレームの対応を粛々と進める。
  3. 部長に指摘されたことを粛々と受け止める。
  4. 過去に犯した罪を忘れず粛々と生きよう。

①の「粛々」は、静かで厳かなさまを意味しています。「粛々とした雰囲気」というと、緊張感がありひっそりとした様子が伝わります。

②の「粛々と進める」は、さまざまな意見や批判に対し、冷静に淡々と対応を進める様子を表しています。「粛々と〜する」という際、「冷静に」「平常心で」「不動」のニュアンスが含まれるため、不測の事態が起こっても、焦らず最後まで計画を遂行する場面で使用されます。

 

政治の世界でもよく、「ご質問の件に関しましては、粛々と進めてまいります。」のような発言がありますが、これは対立する政党のや世論の反対を押し切りたい時に回答をうやむやにする時によく使われます。

つまり、周囲の意見を聞かずに物事を事務的に押し進める時のフレーズです。

本来「粛々と進める」という言葉は、心を引き締めて、真面目に向き合うという意味合いであるため問題はないですが、ビジネスシーンでは「淡々と」「黙々と」などの言葉に言い換えるとより良いでしょう。

 

③の「粛々と受け止める」は、どのような結果であれ、自分の成長の糧とし、受け入れるという意味で使われています。「真摯に」という言葉と近い意味合いといえます。

④の「粛々と生きる」は、ひっそりと真面目に、という意味で用いられています。

「粛々」の類義語

「粛々」には以下のような類義語があります。

  • 静粛(せいしゅく):静かに謹んでいるさま
  • 密やか(ひそ)やか:ひっそりと物静かなさま
  • 厳か(おごそ)か:重々しく厳しいさま
  • 粛然(しゅくぜん):かしこまり静まるさま
  • しめやかに:ひっそりと静かなさま
  • 静謐(せいひつ):静かで穏やかなこと

「粛々」の対義語

「粛々」には以下のような対義語があります。

  • 騒々しい(そうぞう)しい:声や音が大きくざわざわしているさま
  • 賑やか(にぎ)やか:騒がしく活気があるさま
  • 軽々しい(かるがる)しい:よく考えずに物事を行うさま
  • 騒然(そうぜん):騒がしいさま
  • 喧々囂々(けんけんごうごう):大勢の人が騒ぎ立てている様子

「粛々」の英語訳

「粛々」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • solemnly
    (厳粛に・真面目に)
  • silently
    (静かに・黙々と)
  • quietly
    (じっと・粛々と)

まとめ

以上、この記事では「粛々」について解説しました。

読み方粛々(しゅくしゅく)
意味ひっそりと静かで厳かなさま
類義語静粛、密やか、厳か、粛然、しめやか など
対義語騒々しい、賑やか、軽々しい、騒然 など
英語訳solemnly(真面目に・厳粛に)
silently(静かに・黙々と)
quietly(じっと・黙々と)

「粛々」は、慌てずに身を引き締め、物事に真剣に向き合う姿勢や、静かで厳かな場面に対して使われる言葉です。

「淡々と」「黙々と」などといった言葉とも似ていますが、「粛々と」の方がより重大な物事や計画に対して、真面目に向き合うという意味合いが強いのが特徴です。

日常ではあまり使うことのない難しい言葉ですが、他の言葉との微妙な違いを理解しておけば、知識の幅が広がります。