今回ご紹介する言葉は、熟語の「末席」です。
言葉の意味・具体例・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「末席」をざっくり言うと……
読み方 | 末席(まっせき・ばっせき) |
---|---|
意味 | 最も低い立場の人が座る席 |
具体例 | 入口に最も近い席 |
類義語 | 下座・末座 |
対義語 | 上座・坐上・座上 |
英語訳 | lowest seat(末席) |
「末席」の意味をスッキリ理解!
「末席」の意味を詳しく
「末席」は、最も低い立場の人が座る席のことです。
テーブルや車などでは、立場が上の人が座る席(上座)と、立場が下の人が座る席(下座)の位置が決まっています。複数の席がある場合には、それぞれの席の順位が決まっているのです。
その中でも、最も低い立場の人が座る席のことを「末席」と言います。
「末席」は、「ばっせき」とも「まっせき」とも読むことができます。読み方によって意味が変わることはありません。
「末席」の具体例
実際に、どの位置が末席になるのかを見ていきましょう。
席の順位を決めるルールは以下の3つがあります。
- 入り口に遠い席から上座
- 左側が上座
- 和室の場合、床の間から近い席が上座
これらのルールから、基本的には、部屋の入り口から最も近い席が「末席」になります。
立場の上の人に先に部屋に入って座ってもらうため、基本的に入り口から遠い順に、立場が上の人が座る席になるのです。また、出入り口の付近は人の出入りが激しく、落ち着かないので、立場が低い人が座ります。
また、入り口が真ん中にある場合には、左側が上座になり、右側は下座になります。
さらに、和室にある床の間は神聖なものとされているので、床の間から近い席が上座になります。つまり、「床の間」から最も遠い席が「末席」になります。
「末席」の使い方
「末席」は、以下のような表現でよく使われます。
- 末席を汚す(けがす)
- 末席に名を連ねる
- 末席に控える
「末席を汚す」の意味
「末席を汚す」は、「参加させていただく」という謙遜の意味で使われます。
「汚す」は「けがす」と読みます。単純に「物理的に、もともときれいだったものを汚くすること」という意味の「よごす」ではありません。
「けがす」は、「穢す」と書かれることもあり、この場合は「よごれてはならない神聖なものや清らかな場所、大切なものなどを汚くしたり、荒れ果てた状態にすること」という意味になります。
つまり、「自分は、そこに参加できるほどの立場ではないが、一番地位が低い席に座らせていただく」という意味の言葉になるのです。
「立場が低い自分が参加することによって席が汚れてしまう」という強い謙遜です。
「末席に名を連ねる」の意味
「末席に名を連ねる」とは、ある集団に自分が加わることを謙遜して表現する言葉です。
「素晴らしい集団があり、自分の能力や立場では不相応なので、一番立場の低い位置に名前を書く」という意味になります。
「末席に控える」の意味
「末席に控える」とは、「身分不相応であるので、下位の席で目立たないように振る舞う」ということです。
目立たないようにする人の態度を表す言葉です。
「末席」の類義語
「末席」には以下のような類義語があります。
- 下座(しもざ・げざ):人々が並んですわるとき、目下の者がすわる座席
- 末座(まつざ):下位の人が着くことになっている席
「末席」の対義語
「末席」には以下のような対義語があります。
- 上座(かみざ):目上の人をすわらせる上位の席
- 座上・坐上(ざじょう):目上の人をすわらせる上位の席
「末席」の英語訳
「末席」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- lowest seat
(末席)
まとめ
以上、この記事では「末席」について解説しました。
読み方 | 末席(まっせき・ばっせき) |
---|---|
意味 | 最も低い立場の人が座る席 |
具体例 | 入口に最も近い席 |
類義語 | 下座・末座 |
対義語 | 上座・坐上・座上 |
英語訳 | lowest seat(末席) |
「末席」を決めるためのさまざまなルールがあります。細かいルールまでしっかりと理解しておきましょう。