今回ご紹介する言葉は、熟語の「後光」です。
言葉の意味・比喩的な意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「後光」をざっくり言うと……
読み方 | 後光(ごこう) |
---|---|
意味 | 神仏や聖人の体から発せられる光・光源や陰影のまわりに円形に見える光 |
比喩的な意味 | 人が輝かしいようす |
語源 | 「後ろから指す光」という意味 |
類義語 | ブロッケン現象、御光、光背 |
英語訳 | halo(光の輪が現れる大気光学現象) |
「後光」の意味をスッキリ理解!
「後光」の意味を詳しく
「後光」とは、「神仏や聖人の体から発せられる光・光源や陰影のまわりに円形に見える光」のことです。
宗教的な意味と、自然現象の意味のふたつがあります。それぞれの意味を詳しく見ていきましょう。
「神仏や聖人の体から発せられる光」という意味
「後光」には、「神仏や聖人の体から発せられる光」という意味があります。
「後光」という言葉を聞くと「仏や菩薩から放たれる光」を想像する人が多いと思います。しかし、この光は、仏教以外のさまざまな宗教にも見らるのです。
具体的には、以下のような宗教で「後光」が存在します。
- 仏教
- キリスト教
- ゾロアスター教
仏教における「後光」
仏教では、「仏や菩薩から放たれる光」を指します。
仏教において、仏や菩薩の背中からは、神秘的な光が放たれていると言われています。また、「この光を表すために仏像のうしろに付けられた金色の輪」のことも「後光」と言います。
キリスト教における「後光」
キリスト教でも、キリスト教の聖人を描いた絵画などに、「後光」が書き込まれることがあります。
聖人や、宗教活動で活躍した人物の栄光を表すために後ろに書き込まれる光のことです。
ゾロアスター教における「後光」
ゾロアスター教は、前7世紀頃に成立したと言われるイラン人の宗教です。仏教が成立する前から存在していた宗教になります。
ゾロアスター教の神であるミスラ神の頭部には、放射状の光が表現されています。
「光源や陰影のまわりに円形に見える光」という意味
「後光」には、「光源や陰影のまわりに円形に見える光」という意味があります。
この現象は、高山や水田などで、霧が出ている時に発生しやすいです。
太陽などの光が見ている人の背後からさしこんだときに、見ている人の影の周りに光の輪が現れる大気光学現象です。または、強い高原の周囲に輪の形の光が見える場合もあります。
これは、空気中の雲粒や霧粒によって光源から出た光が散乱されて、光の輪となって見える大気光学現象です。
「後光」の比喩的な意味
「後光」は、「人が輝かしい姿に見えるとき」や「尊敬の気持ちをもって人を見たとき」に比喩的に使われることがあります。
具体的には、尊敬の対象や素晴らしい人物に対して、「後光が指しているように見えた」などの表現をします。
「神仏や聖人の体から発せられる光」という意味から、「素晴らしい人物」「尊い人物」を表すようになったと考えられます。
「後光」の使い方
- 窮地に陥っているとことを助けられたときには、彼に後光が指しているように見えた。
- 仏像の後光は、時代によって表現の仕方が異なります。
- 運がよければ頂上で後光が見られますよ。
➊の「後光」は、比喩的な意味で使われています。
➋の「後光」は、「神仏や聖人の体から発せられる光」という意味で使われています。
➌の「後光」は、「光源や陰影のまわりに円形に見える光」という意味で使われています。
「後光」の語源
「後光」は、単純に「聖人や仏の後ろから指す光」を表していたので、このような名前になったと考えられます。
「後光」の類義語
「後光」には以下のような類義語があります。
- ブロッケン現象:光が背後からさしこみ、見る人の影の周りに、光の輪が現れる大気光学現象
- 御光(ごこう):神仏や聖人の体から発せられる光
- 光背(こうはい):神仏や聖人の体から発せられる光明を視覚的に表現したもの
「光背」は、「神仏や聖人の体から発せられる光」という意味の「後光」の類義語です。
「ブロッケン現象」と「御光」は、「光源や陰影のまわりに円形に見える光」という意味の「後光」の類義語です。
「後光」の英語訳
「後光」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- halo
(光の輪が現れる大気光学現象)
まとめ
以上、この記事では「後光」について解説しました。
読み方 | 後光(ごこう) |
---|---|
意味 | 神仏や聖人の体から発せられる光・光源や陰影のまわりに円形に見える光 |
比喩的な意味 | 人が輝かしいようす |
語源 | 「後ろから指す光」という意味 |
類義語 | ブロッケン現象、御光、光背 |
英語訳 | halo(光の輪が現れる大気光学現象) |
「後光」は、複数の意味を持つ言葉なので、使い方に気を付けましょう。