今回ご紹介する言葉は、熟語の「鬼女(きじょ)」です。「鬼女」という言葉を日常会話ではあまり聞きなじみのない方も多いのではないでしょうか。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「鬼女」をざっくり言うと……
読み方 | 鬼女(きじょ) |
---|---|
意味 | 鬼のように残酷な女 |
語源 | 女の怨念が鬼と化してあらわれる |
類義語 | 般若、阿修羅、鬼婆、魔女など |
英語訳 | a ogress(女の人食い鬼),a she-devil(性悪な女) |
「鬼女」の意味をスッキリ理解!
「鬼女」の意味を詳しく
鬼女と聞いてどのようなものを想像するでしょうか。
おそらく山姥などの日本昔話などに出てくる鬼の女を想像した人も多いのではないでしょうか。
鬼女は一般的に3つの意味に分けることができます。
- 鬼のように残酷な女性。
- 女の姿をした鬼。
- ネット用語の既婚女性。
「鬼のような姿をした女」、「女の姿の鬼」のどちらにも鬼女という言葉が使われています。この鬼女は日本のあらゆる古典、芸能、伝説に登場します。
また、注目したいことはネット用語で鬼女が既婚女性という意味でつかわれていることです。
「既婚女性」が「既女」と略され「鬼女」に変化した模様です。
「鬼女」の使い方
- あの屋敷にはおそろしい鬼女がすんでいる。
- 鬼女によってネット上で事実が暴露された。
①は文字通り恐ろしい女という意味です。②はネット用語で使われている既婚女性という意味の「鬼女」です。
今回は特に②の例文に着目したいと思います。②の鬼女は既婚女性の中でも特にネットの住民のことを指します。
例文のようにネガティブな意味で使われていることが多いです。
他にも「鬼女がネットで監視している。」といったようにも使われます。既婚女性だけにゴシップネタや時事ネタへのスレッドが目立つようです。
「鬼女」の語源
鬼女の語源は諸説ありますが、女の怨念が鬼と化してあらわれるといった語源がもっとも有力な語源の一つでしょう。
鬼女の由来となるような昔話として信州戸隠村(とがくしむら)の紅葉伝説が有名です。
他にも、鈴鹿山の鈴鹿御前や山姥など鬼女にまつわる逸話は数多く存在します。
「鬼女」の類義語
鬼女には以下のような類義語があります。
- 般若(はんにゃ):恐ろしい顔をした女の鬼
- 阿修羅(あしゅら):インドの悪神
- 鬼婆(おにばば):無慈悲な老女
- 魔女:ヨーロッパで俗信。魔力を得た女
阿修羅や魔女が類語にあることからわかるように世界各国に鬼女が存在したことがわかります。「女の性質を持った化身の存在は、日本以外でも語られているようです。
「鬼女」の英語訳
鬼女を英語に訳すと、次のような表現になります。
- a ogress
(女の人食い鬼) - a she-devil
(性悪な女)
a ogressは西欧の童話や民話の中にでてくる人食いのことを表します。
a she-devilは1989年に制作されたスーザン・シーデルマン監督、ロザンヌ・バー主演のブラックコメディーのタイトルにもなっています。
また、英語では上記のような比喩の用法をとることが多いです。
これは比喩の中でも隠喩という用法で「~のような」にあたる語を用いないたとえのことを指します。反対に「~のような」に当たる語を含むたとえのことを直喩といいます。
下記は直喩と隠喩を使った表現の一例です。
隠喩:彼女は悪魔だ
まとめ
以上、この記事では「鬼女」について解説しました。
読み方 | 鬼女(きじょ) |
---|---|
意味 | 鬼のように残酷な女 |
語源 | 女の怨念が鬼と化してあらわれる |
類義語 | 般若、阿修羅、鬼婆、魔女など |
英語訳 | a ogress(女の人食い鬼),a she-devil(性悪な女) |
鬼女の意味を理解できたでしょうか。鬼女は時代を問わず、国を越えた共通の概念のようですね。