今回ご紹介する言葉は、熟語の「大団円(だいだんえん)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「大団円」をざっくり言うと……
読み方 | 大団円(だいだんえん) |
---|---|
意味 | 物事が円満に解決する結末 |
語源 | 「丸くおさまること」を「大」を用いて強調したことから |
類義語 | 終幕、終局、大詰めなど |
対義語 | 閉幕、悲劇、破局など |
英語訳 | finale, denouement, climax, a fairy tail ending |
「大団円」の意味をスッキリ理解!
「大団円」の意味を詳しく
「大団円」とは、物事が円満に解決する結末という意味です。
演劇や舞台などには起承転結があります。結末が円満で微笑ましく、観客がめでたしめでたしと讃えることができる様子を「大団円」と言います。
また、「大団円」は円満な結末のことだけでなく、「劇や舞台、小説などの最後の場面」を意味することもあります。
「大団円」の使い方
- この劇は主人公とヒロインが結ばれて大団円を迎える。
- 大団円で終わった舞台は、拍手が鳴り止まなかった。
- トラブルが解決し、プロジェクトは大団円となった。
「大団円」の主な使い方は上記の例文の3つのパターンです。
①の例文の「大団円を迎える」は、全てが円満に終わる結末であるときに、終わったあとではなく、物語が終盤にさしかかっている状態を意味します。
②の例文の「大団円で終わる」は、すでに完結した物語が円満な結末であったことを意味します。
③の例文の「大団円となる」は、途中に紆余曲折がありながらも、最終的に幸せな形で物語が終わることを意味します。「大団円になる」とも表現します。
ただし、以下の場合には「大団円」を用いることができないので注意しましょう。
- 結末がハッピーエンドではない場合
- まだ物語の続きがある場合
「大団円」は結末が円満である場合に使われます。納得できないような結末の場合には使わないので注意しましょう。
また、続きがあることがほのめかされている場合に「大団円」を用いるのは相応しくないとされます。
「大団円」の語源
「大団円」の「団円」とは、丸い円のことです。角なく一つの線で結ばれていることから、「丸くおさまる」「円満であること」を意味します。
「団円」をさらに強調するべく、「大」を付け加えたことによって「大団円」という熟語ができたとされています。
これによってクライマックスというニュアンスが加わり、物語の最後の場面で丸くおさまる結末という意味で使われるようになりました。
「大団円」の類義語
「大団円」には以下のような類義語があります。
- 終幕:演劇における最後の幕
- 終局:物事が終わること
- 大詰め:物事の最後の段階
- フィナーレ:音楽や演劇などの最後の幕
- ハッピーエンド:最後が幸せに終わること
「大団円」の類義語は二つの意味ごとに挙げられます。
「終幕」「終局」「大詰め」「フィナーレ」は、「小説や劇の終わり、最後の場面」という意味の類義語です。
一方で「ハッピーエンド」は、「円満に終わること」という意味の類義語です。
「大団円」の対義語
「大団円」には以下のような対義語があります。
- 開幕:開演すること、舞台の幕を開けること
- 悲劇:不幸な結末の物語
- 破局:悲惨な結末のこと
- バットエンド:不幸な結末で終わること
類義語と同様に対義語も「小説や劇の終わり、最後の場面」と「円満に終わること」という2つの意味に沿って挙げられます。
「大団円」の英語訳
「大団円」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- finale
(物事や音楽の最後の部分) - denouement
(物語の結末) - climax
(最高潮) - a fairy-tail ending
(円満な結末)
“finale”や”climax”は日本語でもカタカナで使われる言葉であるため、意味は想像しやすいでしょう。
“denouement”は、フランス語の「結び目をほどく」が語源で、事件の解決を意味します。
“faily-tail”とは、おとぎ話のことです。”a fairy-tail ending”はおとぎ話のように幸せな結末という意味です。
まとめ
以上、この記事では「大団円」について解説しました。
読み方 | 大団円(だいだんえん) |
---|---|
意味 | 物事が円満に解決する結末 |
語源 | 「丸くおさまること」を「大」を用いて強調したことから |
類義語 | 終幕、終局、大詰めなど |
対義語 | 閉幕、悲劇、破局など |
英語訳 | finale, denouement, climax, a fairy tail ending |
「大団円」は日常的に馴染みのある言葉ではありませんが、演劇や舞台などを鑑賞した際にぜひ活用しましょう。