今回ご紹介する言葉は、熟語の「周知(しゅうち)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「周知」をざっくり言うと……
読み方 | 周知(しゅうち) |
---|---|
意味 | 広く知れ渡ること |
語源 | 「あまねく、すべてに渡って」「知る」という意味の漢字から |
類義語 | 公知、告知、案内など |
英語訳 | be well-known, make them know, as everybody know |
「周知」の意味をスッキリ理解!
「周知」の意味を詳しく
「周知」は、広く知れ渡ることという意味です。
2つの意味に分けることができます。
- 多くの人に知らせる動作
- すみずみまで知れ渡っている状態
一つ目の意味は、自分自身、もしくは他の誰かに依頼して情報を広める動作という意味です。「周知する」「周知させる」などのように動詞として使います。
二つ目の意味は、すでに誰もが知っている状態を意味します。「周知のとおり」「周知の事実」などの表現があります。
「周知」の使い方
- 熱中症の危険性を周知する必要がある。
- 新しいマニュアルの使用を、従業員全員に周知させてください。
- 余ったチケットの転売をしている人がいることは周知の事実だ。
「周知」にはさまざまな使い方があります。上述の2つの意味に分類しながら整理しましょう。
まず、「多くの人に知らせる動作」という意味にあてはまる使い方は以下のものが挙げられます。
- 周知する:自分を含めて情報を共有する
- 周知させる:誰かに情報を共有させる
- 周知を図る:広く知らせるために計画する
- 周知徹底:漏れなくきっちり知れ渡らせること
- 周知いたします:自分が知らせるという敬語表現
- ご周知ください:あなたから知らせてくださいという敬語表現
いくつか注意しなければいけない点をご紹介致します。
「周知させる」は、使役の意味があり、命令調の言葉として受け取られてしまうことがあります。目上の人に使う場合には特に注意をしましょう。
また、「周知する」「周知させる」どちらが正しいのかについてしばしば議論がなされますが、どちらも正しい日本語とされています。
「周知いたします」と「ご周知ください」に関しては、「周知致します」「ご周知下さい」と漢字表記にしないように注意しましょう。漢字表記にしてしまうとそれ自体が動詞になる場合があります。補助動詞として用いる場合にはひらがな表記にしましょう。
次に、「すみずみまで知れ渡っている状態」という意味の使い方をご紹介します。
- 周知のとおり:言うまでもなく
- 周知の事実:誰しもが知っている事実
「周知のとおり」「周知の事実」はいずれも、知っていなければおかしいというニュアンスで捉えられてしまう場合があるので目上の人に使う際には注意しましょう。
「周知」の語源
「周知」の漢字の意味は、それぞれ以下の通りです。
- 周:あまねく、すべてに渡って
- 知:しる、しらせる
2つの漢字を組み合わせると、広く知れ渡ることという意味が想像できます。
「周知」の類義語
「周知」には以下のような類義語があります。
- 公知:世間に対して広く知られていること
- 告知:人に情報を知らせること、通知をすること
- 案内:情報を説明し、知らせること
- 伝達:次々に伝え届けること
- 啓蒙:人々に正しい知識を与えること
「周知」の類義語は、「多くの人に知らせる動作」の意味の熟語が多いです。
「周知」の英語訳
「周知」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- be well-known
(周知する) - make(let) them known
(周知させる) - as everybody(you) know
(周知のとおり)
日本語のようにさまざまな「周知」の使い方が英語にも存在します。
まとめ
以上、この記事では「周知」について解説しました。
読み方 | 周知(しゅうち) |
---|---|
意味 | 広く知れ渡ること |
語源 | 「あまねく、すべてに渡って」「知る」という意味の漢字から |
類義語 | 公知、告知、案内など |
英語訳 | be well-known, make them know, as everybody know |
「周知」はビジネスシーンでよく用いられます。使い方が多く存在するので、正しい敬語表現や注意しなければいけない点をしっかり把握しておきましょう。