今回ご紹介する言葉は、熟語の「随一(ずいいち)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「随一」をざっくり言うと……
読み方 | 随一(ずいいち) |
---|---|
意味 | 数多くあるものの中の1番 |
語源 | 「全体の中のひとつ」から転じた |
類義語 | 唯一、〇〇一、珠玉など |
英語訳 | best, most, number one |
「随一」の意味をスッキリ理解!
「随一」の意味を詳しく
「随一」は数多くあるものの中の1番という意味です。
たくさんある中で第1位を表すことから、「随一」を使う場合には比較する対象の物や人が存在することが前提になっています。
多くの比較対象の中で1位を勝ち取ったということから、褒め言葉としてや、自信を持って他人に勧める場合によく用いられます。
ただし、人に対して「随一」を使う場合には、大げさに褒めすぎているように聞こえてしまう場合もあるので注意しましょう。
「随一」の使い方
- 業界随一を誇るサービスでお客様をおもてなしします。
- この病院で随一の医者が治療を担当してくれた。
- 彼は、当代随一のサッカー選手である。
①の例文のように、「随一を誇る」という表現はよく用いられます。「誇る」は「名誉に思い、誇らしげに示すこと」という意味であるので、1番であることを示したい場合に使われます。
②の例文では、「〇〇で随一」の形が使われています。「随一」は比較対象が必ず存在するので、比較している範囲を〇〇に入れます。「〇〇随一」の形も同様です。たとえば、日本随一、県内随一などです。
③の例文には、「当代随一」という四字熟語が使われています。「当代」は「今の世代、時代」を表すので、「当代随一」は「今の世代で1番」という意味になります。
上記の例文ではすべて「随一」は褒め言葉として使われていました。
以下の例文のように、「随一」が悪い方向性で用いられることもあります。
- あの店は、ブラックと言われる店の中でも随一だ。
- 県内随一と評判のレストランに訪れたが、サービスが悪くがっかりした。
「随一」の語源
「随一」の漢字の意味は、ぞれぞれ以下の通りです。
- 随:進むものの後からついて行く
- 一:ひとつ
「随一」の語源は古語にあるとされます。
上記の漢字の意味合いから、「随一」はもともと「全体の中のひとつ」という意味でしたが、転じて「全体で1番」という意味で使われるようになりました。
「随一」の類義語
「随一」には以下のような類義語があります。
- 唯一(ゆいいつ):他にはなく、ただひとつであること
- 〇〇一:ある範囲の中で1番であること
- 珠玉:美しいもの、立派なもののたとえ
「唯一」は「随一」と同義ではありませんが、区別を把握しておくべき語として挙げました。
「随一」は比較対象が数多く存在する中での1番を表します。「唯一」は比較対象がないけれど優れている、たったひとつであるという意味です。
読み方も「ずいいち」と「ゆいいつ」と異なっているので注意しましょう。
「随一」の類義語としては、「〇〇一」が用いられます。
たとえば、「日本で随一」の言い換えは、「日本一」です。「随一」では伝わりにくい場合には言い換えてみるといいでしょう。
「随一」の英語訳
「随一」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- best
- most
- number one
「随一」の英語訳は、”best”や”most”を使って最上級で表すことができます。
あるいは単刀直入に”number one”と明示します。
以下が例文です。
(その行事の開会式には、その町随一の有力者たちが出席した。)
まとめ
以上、この記事では「随一」について解説しました。
読み方 | 随一(ずいいち) |
---|---|
意味 | 数多くあるものの中の1番 |
語源 | 「全体の中のひとつ」から転じた |
類義語 | 唯一、〇〇一、珠玉など |
英語訳 | best, most, number one |
「随一」は日常的に使われる熟語ですが、比較対象が存在する前提で使われるなどの、細かい意味まで意識せずに使ってしまうことも多いかと思います。ぜひこの機会にマスターしましょう。