今回ご紹介する言葉は、熟語の「憤怒(ふんど・ふんぬ)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「憤怒」をざっくり言うと……
読み方 | 憤怒(ふんど・ふんぬ) |
---|---|
意味 | 激しく怒り、興奮している様子 |
語源 | 「怒る」「いきどおる」という意味の漢字から |
類義語 | 憤慨、憤然、激怒など |
対義語 | 寛容、堪忍、平静など |
英語訳 | angry, rage, fury |
「憤怒」の意味をスッキリ理解!
「憤怒」の意味を詳しく
「憤怒」は、激しく怒り、興奮している様子という意味です。
「憤怒」は「ふんど」「ふんぬ」の2通りの読み方が存在します。
一般的に、「ふんど」と読まれることが多いです。
「ふんぬ」と読む場合は、宗教的な意味合いが強いとされています。
キリスト教においては「七つの大罪」の一つとして紹介されており、人間の最もネガティブな感情と捉えられています。仏教では、人間を地獄へ追いやると考えられています。
なぜこのように2通りの読み方が生じたのかは、「漢音」と「呉音」の違いに由来するとされています。「呉音」は仏教用語の読み方が定着したものであり、「ふんぬ」は「呉音」の読み方です。そのため、「ふんぬ」と読む場合には、宗教的意味合いが含まれているとされます。
「憤怒」の使い方
- 彼は親友に裏切られ、憤怒の形相だ。
- 交通事故による悲しみは、憤怒となって爆発した。
- 犯罪のニュースを見ると、憤怒で身が震える。
「憤怒」は、「憤怒の形相」や「憤怒の念」などのように、人の表情や心情を表す言葉として用いられます。「腹を立てる」や「怒る」よりもさらに強い怒りを表します。
やや堅苦しい表現であるため、会話中ではなく、文中で用いられることが一般的です。
また「憤怒」は名詞のため、「憤怒する」などと動詞として使われることは少ないです。形容詞として用いられることはよくあります。
「憤怒」の語源
「憤怒」の漢字の語源は、それぞれ以下の通りです。
- 憤:おこる、いきどおる、吹き出る、現れる
- 怒:おこる、いきどおる、勢い盛んな様子
「憤」「怒」ともに怒りを意味する漢字です。
そのため、「憤怒」は並々ならぬ怒りを表現する際に用います。
「憤怒」の類義語
「憤怒」には以下のような類義語があります。
- 憤慨:ひどく腹を立てること
- 憤然:急に激しく怒るさま
- 激怒:激しく怒ること、ひどい立腹
- 憤激:怒りを爆発させること
「憤慨」は「憤慨する」のように動詞として用いることができます。目上の人がひどく怒っている様子を「憤慨されている」と表すこともできます。
「憤然」は「憤然と」のように形容詞や副詞として用いられます。「憤怒」より堅い表現ではないので、一般的に使うことができます。
「憤怒」の対義語
「憤怒」には以下のような対義語があります。
- 寛容:心が寛大で、人を受け入れること
- 堪忍(かんにん):怒りを忍んで、とがめ立てしないこと
- 平静:心が苛立ったり、慌てたりしていないこと
興奮することなく、受け入れるという意味の熟語が「憤怒」の対義語として挙げられます。
「憤怒」の英語訳
「憤怒」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- angry
(腹を立てること) - rage
(抑えがたい激情) - fury
(狂ったような怒り)
“angry”は「腹を立てる」の意味であり、「憤怒」よりも怒りの度合いは低いので注意しましょう。
“fury”が「憤怒」に最も近い意味で、怒りが最高潮まで達している様子を表します。
以下が例文です。
(彼は怒りのあまり、周りが見えていなかった。)
まとめ
以上、この記事では「憤怒」について解説しました。
読み方 | 憤怒(ふんど・ふんぬ) |
---|---|
意味 | 激しく怒り、興奮している様子 |
語源 | 「怒る」「いきどおる」という意味の漢字から |
類義語 | 憤慨、憤然、激怒など |
対義語 | 寛容、堪忍、平静など |
英語訳 | angry, rage, fury |
「憤怒」は読み方が2つあることや、文中で用いられるのが一般的であることから、難しい熟語の印象があるかと思います。ぜひこの機会に正しい使い方を覚えましょう。