「草」と「木」の違いとは?意味や定義から見分け方まで解説

違いのギモン

突然ですが、「草」と「木」の違いはなんだと思いますか。

これに対して、多くの人は「草はあまり寿命が長くないけど、木は寿命が長いんじゃない?」と答えると思います。

また、「緑っぽいのが草で、茶色っぽいのが木だと思う!」と答える人もいると思います。

実際のところはどうなのでしょうか。

この記事ではそんな疑問に答えていきたいと思います。

結論:形成層があるのが「木」、ないのが「草」

「草」には形成層がないため、ある程度成長すると茎は太くならなくなります。

一方、「木」には形成層があるため、幹は成長していって毎年太くなっていきます。

「草」をもっと詳しく

草には形成層がないため、ある程度成長すると茎は太くならなくなります。形成層については「木」の項で詳しく解説しますが、簡単にいうと、幹(茎)を成長させるためにある層です。

また、木に比べて寿命が短く、芽が出てから1年以内に枯れてしまうものがほとんどです。ちなみに、このような草を1年草と言います。しかし、中には芽が出てから枯れるまでに2年かかる植物もあり、これは2年草と呼ばれます。例えば、麦やパセリなどがこれにあたります。

また、これよりも長生きする草は多年草と呼ばれます。チューリップなどがこれにあたります。

 

そして、長年生きている必要がないため、茎は柔らかめであるという特徴があります。また、同じ理由で大きく成長する草は少ないです。しかし、これには例外もあり、例えばヒマワリは一年草ですが、かなりの大きさになりますよね。

また、バナナは木になっているというイメージが強いと思いますが、草に分類されます。なぜなら、バナナの木の幹は葉っぱが合わさってできたものであり、形成層が活躍しているわけではないからです。そして、バナナは一年以内に枯れてしまうことが多いようです。

「木」をもっと詳しく

木には形成層があるため、幹は成長していって毎年太くなっていきます。形成層とは、植物の茎などにあり、盛んに細胞分裂を繰り返す組織のことです。

樹木の場合、樹皮の内側に薄い形成層があり、これが成長することで幹がだんだん太くなっていきます。また、横だけでなく上の方向にも大きくなっていきます。

ちなみに、春夏秋冬がある日本では、季節によって幹の成長スピードが違うため、年輪ができます。逆に、ずっと夏のような気候で成長スピードが変わらない熱帯などでは、年輪ができません。

 

そして、木には草と比べて表面が硬めであるという特徴があります。また、大きめなイメージがありますが、中には小さい木もあります。

例えば、ツツジは私たちの身長よりずっと低い高さの植物ですが、木に分類されます。

また、富貴草(ふっきそう)という植物はあまりにも小さいために草という名前がついていますが、形成層があるので、木に分類されています。

 

そんな木は何十年も生きているものが多いですが、地上部は毎年花を咲かせ、実をつけるものが多いです。そして、樹木のうち、葉っぱが1年以内で枯れてしまうものを落葉樹と言います。

また、1年を通じて葉っぱが緑色のままである樹木は常用樹と呼ばれます。

 

ちなみに、竹はふつうだと幹にあたる部分が空洞で、形成層が存在せず、幹は数ヶ月で太くならなくなりますが、例外的に木として分類されています。

まとめ

以上、この記事では、「草」と「木」の違いについて解説しました。

  • :形成層がなく、茎は太くならない
  • :形成層があり、幹がだんだん太くなっていく

ということで、冒頭の2つの答えでもだいたい間違いではありません。しかし、それに当てはまらないものもありましたよね。ですので、この記事を読んで「草」と「木」の違いについて正確な知識が得られたのではないでしょうか。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。