今回ご紹介する言葉は、熟語の「虚無」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「虚無」をざっくり言うと……
読み方 | 虚無(きょむ) |
---|---|
意味 | なにも存在しないこと・すべての物事に意味を感じられずむなしいという感情 |
語源 | 「中が空」「何もない」という意味の漢字 |
類義語 | 空虚、虚空、ニヒリズム |
対義語 | 満足、充実 |
英語訳 | nothingness(無・無価値) void(虚) |
「虚無」の意味をスッキリ理解!
「虚無」の意味を詳しく
「虚無」とは、「なにも存在しないこと・すべての物事に意味を感じられずむなしいという感情」のことです。
この世に存在するものすべてに、何の価値も意味もないという考えがあります。すべてが無意味で無価値であるという考えです。
このような考え自体を「虚無」と呼ぶこともありますし、このような考えによって感じる虚しさなどを「虚無」と言うこともあります。
「何もない」と「虚無」の違い
「虚無」は、「何もないこと」だと言いましたが、正確に言うと「何もないこと」とも違います。
「何もない」とは、「何もない状態がある」ことになります。また、「何もないこと」は、数字の0で表せますが、「虚無」は、0という意味さえ存在しないという意味なのです。
哲学における「虚無」の意味
哲学における「虚無」の意味は、「すべてのものの根源は無であるという考え」です。
古代哲学では「虚無の学」という哲学の考えがありました。これは、戦国時代の中国の哲学者である老子が唱えた学問です。老子の考えで、次のような文章があります。
天と地の間は「虚無」であり、そこから万物、つまりすべてのものが生み出されると言っています。
「虚無」の使い方
- 人は死んだら、虚無の宇宙をさまようのだろうか。
「虚無」の語源
「虚無」の漢字には以下のような意味があります。
- 虚:中がからになっている所
- 無:存在しないこと
「虚無」の類義語
「虚無」には以下のような類義語があります。
- 空虚(くうきょ)
- 虚空(こくう)
- ニヒリズム
それぞれの類義語の意味を詳しく見ていきましょう。
「空虚」の意味
「空虚」とは、「何もない状態で心の拠り所がないこと」「何もなくて、むなしく感じること」という意味です。
「虚無」は、人の感情に関わらず「何も存在しないこと」という意味で使われることがありますが、「空虚」は「心のよりどころがない」「むなしく感じる」などの人の心が関係しています。
「虚空」の意味
「虚空」の意味は、以下の4つです。
- 何もない空間
- 空中
- 大空
- すべてのものの存在する場所
「ニヒリズム」の意味
「ニヒリズム」とは、「存在には価値などがないという哲学的な考え」のことです。
特に「この世界や、人間の存在には以下のものがない」と考えられています。
- 価値
- 意義
- 目的
- 理解できるような心理
ドイツ出身の哲学者であるニーチェが提唱した考えです。日本語では「虚無主義」と訳されることもあります。
「虚無」の対義語
「虚無」には以下のような対義語があります。
- 満足:望みがみちたりて、不平不満がないこと
- 充実:内容が満ち満ちていて豊かなこと
「虚無」の英語訳
「虚無」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- nothingness
(無・無価値) - void
(虚)
まとめ
以上、この記事では「虚無」について解説しました。
読み方 | 虚無(きょむ) |
---|---|
意味 | なにも存在しないこと・すべての物事に意味を感じられずむなしいという感情 |
語源 | 「中が空」「何もない」という意味の漢字 |
類義語 | 空虚、虚空、ニヒリズム |
対義語 | 満足、充実 |
英語訳 | nothingness(無・無価値) void(虚) |
「虚無」には、複数の意味があるので、正しく使えるようにしておきましょう。