同じ言葉でも漢字が違うと意味や使い方が違う。そんな、似ていて使い分けが難しい言葉が日本語には結構ありますよね。その中から今回は、意外と違いが分からない「荒い」と「粗い」ついて解説します。
結論:人やモノの動きに関するか状態に関するか
状態に関することならば「粗い」を使いましょう。
「荒い」について詳しく
新明解国語辞典によると、「荒い」には以下4つの意味があります。
- 勢いが激しい。
- 乱暴で思いやりに欠ける。
- けじめがない。極端に走りやすい様子。
- 荒れ果てている。
①~③の意味では、「荒い」は人やモノの印象、行動や現象に対して使います。例文は、1番目の意味から順番に、波が荒い、気性が荒い、金遣いが荒い、などです。
もっと分かりやすくすると、「荒い」=「激しい」というイメージです。
4番目の意味については、土地が荒れている、肌が荒れているなどというときに使います。「荒い」という形で使うことは日常的にありません。ですので4番目の意味は置いておいて、「荒い」は人やモノの動きに関して使うと考えれば分かりやすいと思います。
「粗い」ついて詳しく
新明解国語辞典によると、「粗い」には以下の4つの意味があります。
- すきまがある。
- 粒が大きい。細かでない。
- なめらかでない。ざらざらしている。
- 細部まで神経が行き届いていない様子。大ざっぱ。
このように「粗い」は人やモノの性質、状態に対して使います。例文は、1番目の意味から順番に、目の粗い網、塩の粒が粗い、肌のきめが粗い、表現が粗い、などです。
分かりやすくすると、「粗い」=「大きい」というイメージです。
「荒い」と「粗い」の使い分け
ここまで「荒い」と「粗い」についてみてきましたがどちらを使うべきか分からないときがまだあると思います。例えば、運転があらい。「荒い」を使えば運転が乱暴で激しいという意味、「粗い」を使えば運転が粗雑、てきとうといった意味になります。
このようにどちらのあらいでも意味が通じるときは自分が表したい状況に合っている方を使いましょう。
やっぱり迷うというときは対義語を思い出してみると良いでしょう。それぞれの対義語は以下の通りです。
- 「荒い」⇔「穏やか、静か」
- 「粗い」⇔「滑らか、細かい」
よりイメージしやすくなったのではないでしょうか。
まとめ
以上、この記事では「荒い」と「粗い」の違いについて解説しました。
- 荒い:人やモノの動きを表す
- 粗い:人やモノの状態を表す
このように、荒いと粗いにはきちんと違いがあります。意味を覚えてしっかり使い分けられるようにしたいですね。