今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「台風一過(たいふういっか)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「台風一過」をざっくり言うと……
読み方 | 台風一過(たいふういっか) |
---|---|
意味 | 台風が過ぎた後に晴れた気持ちの良い状態になること。 大変な騒乱が終わり、晴々とした状況になること、その心境。 |
語源 | 北条清一という小説家が書いた武州このごろ記の中の文 |
類義語 | 雨過天晴(うかてんせい) |
英語訳 | clear weather after a typhoon has passed(台風が過ぎた後の晴天) |
「台風一過」の意味をスッキリ理解!
「台風一過」の意味を詳しく
「台風一過」とは、台風が通り過ぎた後、天気がよく晴れ渡って気持ちの良い状態になることを言います。
また、その状況から派生して、台風のように荒れた騒乱が収まり、晴々とした状態になること、またはその心境のことも「台風一過」と表すようになりました。
「台風一過」の「台風」は、天気のことです。一方、「一過」の意味は、以下の通りです。
- さっと通り過ぎること
- ざっと目を通すこと
「台風一過」の「一過」は①の意味で使われています。まれに「一家」と間違られることもありますが、台風の家族という意味になってしまい、意味が変わってしまうので書き間違いには注意しましょう。
「台風一過」の使い方
- 台風一過の晴れわたる青い空がとても心地よく、多くの人が散歩していた。
- 台風一過で今朝は眩しいくらいの秋晴れだ。
- 仕事の締め切りに間に合い、台風一過のような気分だ。
- 台風一過の職場模様である。
①と②では、台風が過ぎ去った後の天気を意味していて、その時の空について述べられています。
③では、仕事の締め切りに追われて大変な状況であったが、それが無事終わってほっとしている心境を「台風一過のような気分だ」と表しています。
④でも同じように、忙しい時期がすぎた後の穏やかな職場の雰囲気であることを示します。
「台風一過」の語源
一説では、『武州このごろ記』という小説に由来があるとされています。北条清一(ほうじょうせいいち)が1935年に書いた作品です。
『武州このごろ記』には、以下の記述があります。
上記の文に含まれる「台風一過」が、「騒乱が収まり、晴れ晴れとすること」という意味で使われていることから、これが由来であるとされています。
「台風一過」の類義語
台風一過には以下のような類義語があります。
- 雨過天晴(うかてんせい):雨上がりに晴れる様子
雨が上がって晴れ渡り、明るくなることを表す四字熟語です。このことから、悪かった状況から良い状況に変わる喩えとしても使われます。
「雨過天晴」の「晴」という字の代わりに「青」が使われることもあり、空が晴れ渡り青空になることを強調している場合もあります。「台風一過」は「台風」に、「雨過天晴」は雨にの焦点を当てていますが、両者の使い方は似ています。
「台風一過」の英語訳
台風一過を英語に訳すと、次のような表現になります。
- clear weather after a typhoon has passed
(台風が過ぎた後の晴天)
台風は英語で “typhoon” 、晴天は “clear weather” と言います。
” pass” (通り過ぎる)と “after” (後)を使って、”after a typhoon has passed” とすることで、台風の通り過ぎた後という意味になります。
まとめ
以上、この記事では「台風一過」について解説しました。
読み方 | 台風一過(たいふういっか) |
---|---|
意味 | 台風が過ぎた後に晴れた気持ちの良い状態になること。 大変な騒乱が終わり、晴々とした状況になること、その心境。 |
語源 | 北条清一という小説家が書いた武州このごろ記の中の文 |
類義語 | 雨過天晴(うかてんせい) |
英語訳 | clear weather after a typhoon has passed(台風が過ぎた後の晴天) |
「台風一過」は、天気に関係なく、騒動が落ち着くことを表す時にも使える熟語であるので、今後日常会話にも取り入れてみましょう。