今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ゲシュタルト」です。
「ゲシュタルト」の意味、具体例、「ゲシュタルト崩壊」の意味、使い方、語源についてわかりやすく解説します。
☆「ゲシュタルト」をざっくり言うと……
英語表記 | ゲシュタルト(gestalt) |
---|---|
意味 | 一体的な構造のあるまとまりのこと |
具体例 | 音楽のメロディーや文章 |
「ゲシュタルト崩壊」の意味 | まとまりのある構造から、全体性が失われて認識されてしまうこと |
語源 | 「形状」という意味のドイツ語 “gestalt” |
このページの目次
「ゲシュタルト」の意味をスッキリ理解!
「ゲシュタルト」の意味を詳しく
「ゲシュタルト」とは、一体的な構造のあるまとまりのことです。
何かの一部ではなく、ひとつのまとまったものや全体性のある構造をもったものを指します。
たとえば、音楽の分野で言うと、複数の音が組み合わさってメロディーが出来上がります。このメロディーは一体的なまとまりになっており、「ゲシュタルト」であると言えます。
「ゲシュタルト」の具体例
「ゲシュタルト」は「一体的な構造のあるまとまり」です。これの意味は抽象的すぎてわかりにくいので、具体的な例で見ていきましょう。
先ほど挙げたメロディー以外にも「ゲシュタルト」の具体例はあります。
たとえば、文章は文字の組み合わせによって構成されたひとつのまとまりです。文字ひとつだけでは複雑な意味を持ちませんが、それが集まって意味のあるまとまりになります。
「ゲシュタルト崩壊」の意味
「ゲシュタルト」と聞くと、「ゲシュタルト崩壊」という言葉が思い浮かぶ人が多いと思います。「ゲシュタルト崩壊」とは、「まとまりのある構造から、全体性が失われて認識されてしまうこと」です。
全体のまとまりの認識が失われて、分解された部分的なパーツでしかものを認識できなくなってしまうことです。
「ゲシュタルト崩壊」は最初は「失認」という「対象物を認識できない障害の症状」として知られていました。
しかし、長い間同じものを見ていたり、同じ音を聞き続けたりすることで、健常者でも「ゲシュタルト崩壊」が起きることがわかりました。
「ゲシュタルト崩壊」の具体例
同じ漢字を長時間見続けることで、その漢字を正しく認識できなくなることがあります。漢字がその形で正しいのかどうかわからなくなってしまったり、パーツごとにばらけて見えてしまったりすることです。
また、「ゲシュタルト崩壊」は、視覚的なもの以外にも、聴覚的にも起こります。
たとえば、同じ単語を何回も繰り返し発音していると、「その単語が本当に存在するものなのか」「この単語はこの発音であっているのか」などがわからなくなってしまいます。
これが、「ゲシュタルト崩壊」です。
「ゲシュタルト」の使い方
「ゲシュタルト」には以下のような使い方があります。
- 同じ文字を見続けていたら、ゲシュタルト崩壊が起きた。
- ゲシュタルト崩壊しないように、デザインを工夫する。
「ゲシュタルト」という言葉を単体で使うことはあまりありません。「ゲシュタルト崩壊」という言葉の中で使われることがほとんどです。
「ゲシュタルト」の語源
「ゲシュタルト」の語源はドイツ語の “gestalt” です。
もともとは、ドイツ語で以下の意味を持つ言葉でした。
- 形
- 形状
- 状態
ここから、英語でも同じ意味を持つ単語として使われるようになりました。
ドイツの心理学者であるウェルトハイマーが生み出した「ゲシュタルト心理学」によって「ゲシュタルト」という言葉が有名になりました。
「ゲシュタルト心理学」とは、人間の精神を、部分や要素の集合ではなく、全体性や構造に焦点を当てて考える心理学です。
まとめ
以上、この記事では「ゲシュタルト」について解説しました。
英語表記 | ゲシュタルト(gestalt) |
---|---|
意味 | 一体的な構造のあるまとまりのこと |
具体例 | 音楽のメロディーや文章 |
「ゲシュタルト崩壊」の意味 | まとまりのある構造から、全体性が失われて認識されてしまうこと |
語源 | 「形状」という意味のドイツ語 “gestalt” |
「ゲシュタルト崩壊」という言葉は有名ですが、「ゲシュタルト」の意味は知らなかった人が多いと思います。語源までしっかりと覚えておくといいでしょう。