「報酬」の意味とは?使い方から英語や類語や対義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「報酬(ほうしゅう)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「報酬」をざっくり言うと……

読み方報酬(ほうしゅう)
意味労働などに対する賃金や見返り
類義語対価、褒美、給料など
対義語罰金など
英語訳reward(報酬)、fee(費用)、remuneration(報酬)
「報酬」と「謝礼」の違い「謝礼」は感謝の気持ちを表した金品などのお礼

「報酬」の意味をスッキリ理解!

報酬(ほうしゅう):労働などに対する賃金や見返り

「報酬」の意味を詳しく

「報酬」とは、労働や物の使用などに対する、お礼や金銭の物品などの見返りのことを表す言葉です。また、脳科学において、人の特定の行動を促し、快感をもたらす刺激やその原因となるモノのことを表します

ビジネスシーンにおける「報酬」とは、会社で働く従業員が労働の見返りとして、事業主から支払われるすべてのもの(給与・賞与・退職金・諸手当など)を指します。

 

「報酬」は、ニュアンスが似ている言葉もあるため、使い分けに注意が必要です。たとえば、同じ対価でも、労働基準法などでは「賃金」、健康保険法などの社会保険では「報酬」と呼び方にいくつか違いがあります。基本的な意味は同じですが、法律によって指し示す範囲が異なります。

労働基準法における「賃金」は、労働の対価として、雇用者が労働者に払う金銭と定義されています。一方、社会保険法における「報酬」は、賃金や賞与など、労働者が労働の対価として受け取るすべてのものとされています。

ちなみに、民法における「報酬」は、労働者に限らず、請負契約や委任契約のもとで働く人に支払う対価も含まれます。

以上のように、似たような意味合いに思える言葉でも、法律ごとに意味合いが異なるため、使い分けには注意しましょう。

「報酬」の使い方

  1. 彼のミスをフォローするんだから、労働に見合った報酬を受け取るのは当然だ。
  2. 彼はとても欲深いので、その程度の報酬では満足できなかった。
  3. 報酬が良かったことだけが、彼らがその企画に参加した唯一の理由だった。

①の例文は、「彼のミスをフォローするのだから、それなりの対価をもらうのは当然だ」という意味の例文です。ここでは、報酬は、「労働などに対する見返り」という意味で使われています。最も基本的な使い方であるため、しっかり確認しておきましょう。

②の例文は、「彼は欲が深かったため、その程度の対価では満足できなかった。」という意味の例文です。ここでの報酬も①と使われ方はほぼ同じです。

③の例文は「見返りが良かったことだけを理由に、彼らはその企画に参加した」という意味の例文です。ここでは、報酬は「労働に対する対価」以外の意味として、「人に特定の行動を促す刺激」という意味でも使われています。

「報酬」は行動の結果としての見返りと、行動を促す要因の2つの意味があるため、使い分けには注意しましょう。

「報酬」の類義語

「報酬」には以下のような類義語があります。

  • 対価:財力や労力などを人に与え、また利用させる報酬として受け取るもの
  • 褒美:ほめたしるしに与える金銭や品物
  • 給料:勤労に対して支払われる報酬
  • 手当:労働の報酬として与えるお金
  • 賞金:賞としての金銭

類義語の多くは、労働の見返りという意味が共通しています。

「報酬」の対義語

「報酬」には以下のような対義語があります。

  • 罰金:罰として出させる金銭

「報酬」の英語訳

「報酬」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • reward
    (報酬)
  • fee
    (費用)
  • remuneration
    (報酬)

feeは「自分が誰かに支払う報酬」という意味で、費用と訳されることが多い言葉です。

「報酬」と「謝礼」の違い

「報酬」は行動の対価として相手に渡す、お金や品物のことですが、似た意味の言葉として「謝礼」があります。よく混同されて使われる言葉であるため、この機会にしっかり使い分けれるしましょう。

「謝礼」には、どこか気持ちを伝えるような柔らかいイメージ、報酬には「対価を支払う」という硬いイメージがありますが、具体的にはどのように異なるのでしょうか。

 

「謝礼」とは「感謝の心を表した金品などのお礼」のことです。報酬よりも、気持ちが優先されたものというニュアンスで、報酬に比べてどちらかというと安いことのほうが多いかもしれません。

会計上では、「謝礼」を支払う場合、給料などと違い「源泉徴収されない」と誤解されていることがあります。しかし、「謝礼」「研究費」「取材費」「車代」などの名目であっても、賃金などの「報酬」と実態が同じであれば、源泉徴収の対象になります。

以上、「報酬」や「謝礼」について解説しました。それぞれニュアンスが似ていながらも、異なる点があるため、注意しましょう。

まとめ

以上、この記事では「報酬」について解説しました。

読み方報酬(ほうしゅう)
意味労働などに対する賃金や見返り
類義語対価、褒美、給料など
対義語罰金など
英語訳reward(報酬)、fee(費用)、remuneration(報酬)
「報酬」と「謝礼」の違い「謝礼」は感謝の気持ちを表した金品などのお礼

「報酬」はさまざまな場面で使う言葉であるため、意味や使い方をしっかり確認しておきましょう。