今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「タペストリー」です。
「タペストリー」の意味・使い方・語源・類義語・歴史についてわかりやすく解説します。
☆「タペストリー」をざっくり言うと……
英語表記 | タペストリー(tapestry) |
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意味 | つづれ織りで風景などを表す室内装飾品 |
語源 | フランス語のタピスリ(tapisserie) |
類義語 | ゴブラン織り、ジャガード織りなど |
タペストリーの歴史 | 十字軍の持って帰ってきた絨毯が始まり。 |
このページの目次
「タペストリー」の意味をスッキリ理解!
数ある織物と何が違うのか、掘り下げていきましょう。
「タペストリー」の意味を詳しく
「タペストリー」とは、つづれ織りで風景などを表す室内装飾品のことです。
つづれ織りとは、織物の技法の1つで、縦糸を隠し、横糸だけで模様をつくるというものです。壁掛けなどに使われます。横糸だけ、という点が衣服などの織物と異なる点ですね。
以上が、「タペストリー」の本来の意味なのですが、日本ではポスターなどを壁に吊り下げたものを指すことがあります。どちらの意味でも使われるので、共通点も含めて覚えましょう。
「タペストリー」の使い方
- 壁にタペストリーを飾る。
- バイユーのタペストリーから歴史を紐解く。
- このタペストリーは完成までに3年間かかった。
①の例文のように、装飾品として使われるタペストリーですが、防寒性もあり日用品としても優れています。
②の例文の「バイユーのタペストリー」とは、ノルマンコンクエスト(ウィリアム1世によるイングランド征服)を描いたタペストリーです。このように、タペストリーは歴史的な記録として役立つこともあります。
③の例文では、タペストリーの完成に長い年月が掛かったということが書かれています。今でこそ印刷で作ることもありますが、高級品の1つです。
「タペストリー」の語源
タペストリーの語源はフランス語の “タピスリ(tapisserie)” です。
フランス語が英語になるときに、音声変化を起こしたわけですね。その名残なのか、いまでもタピストリーやタピスリーと呼ばれることもあります。
「タペストリー」の類義語
タペストリーには以下のような類義語があります。
- ゴブラン織り:フランスのゴブラン工場で製作されたタペストリーを指す。 ウール、シルク、綿などが使われている。現在では、ゴブラン調などの形で親しまれている。
- ジャガード織り:模様が立体的に見えるような織り方で作られた生地。カーテンや絨毯(じゅうたん)などに使われる。
この他にも、織り方の種類は沢山あります。興味のある人はぜひ、調べてみてください。
タペストリーの歴史
タペストリーの歴史はとても長いもので、現在発見されているものでは紀元前15年の物が最古となっています。
東西交易により、広く普及したものですが、ヨーロッパに伝わったのは11世紀の十字軍遠征によるものでした。
絨毯として持ち帰った織物が、あまりにも美しかったため壁に掛けるようになりました。これがタペストリーの始まりです。
ここから日用品として普及し、後に絵画のような立ち位置にまでなりました。
知ってるようで知らない?十字軍とは。
十字軍とは、11世紀末から7回に渡って送られたキリスト教徒による軍団のことを指します。当初の目的は「聖地奪還」でしたが、次第に形を変え、多くの戦死者を出す結果となりました。
十字架の旗印を立てていたことが、言葉の由来となっています。
まとめ
以上、この記事では「タペストリー」について解説しました。
英語表記 | タペストリー(tapestry) |
---|---|
意味 | つづれ織りで風景などを表す室内装飾品 |
語源 | フランス語のタピスリ(tapisserie) |
類義語 | ゴブラン織り、ジャガード織りなど |
タペストリーの歴史 | 十字軍の持って帰ってきた絨毯が始まり。 |
糸だけで、まるで絵画のように景色や人物を描くのですから、タペストリーは驚くべき技術ですね。これを機に織物に興味を持った方は、ぜひ他のものも調べてみてくださいね。