今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ワンコール」です。
「ワンコール」の意味、目的、対策、原因、使い方、語源、つく言葉、類義語についてわかりやすく解説します。
☆「ワンコール」をざっくり言うと……
英語表記 | ワンコール(one call) |
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意味 | 電話の呼び出し音が一回鳴ること・一回で切れること |
語源 | “one” と “call” からできた和製英語 |
類義語 | ワンコ、ワンプチ、ちょい切り、など |
このページの目次
「ワンコール」の意味をスッキリ理解!
「ワンコール」の意味を詳しく
「ワンコール」とは、電話の呼び出し音が一回鳴ること・一回で切れることです。
「ワンコール」は電話が人々の連絡手段の主流だった時によく行われていました。
しかし、現在ではSNSで連絡を取るのが主流になったため、「ワンコール」はする人が減り、死語になりつつあります。
「ワンコール」は大きくふたつの意味に分かれるので、ひとつずつ意味を見ていきましょう。
意味①:電話の呼び出し音が一回で切れること
「ワンコール」は主に「電話の呼び出し音が一回で切れること」という意味で使われます。
「相手が出るまで鳴らすのではなく、意図的に呼び出し音を一回だけ鳴らしてすぐ切る」という行為を指します。
厳密には、呼び出し音が2~3回鳴った場合でも、「ワンコール」と呼ばれる場合があります。
意味②:電話の呼び出し音が一回鳴ること
「ワンコール」は「電話の呼び出し音が一回鳴ること」という意味で使われることもあります。
たとえば、オフィスなどで「電話はワンコール以内に出て」という指示を受けることがあります。
「相手を待たせないように、呼び出し音が聞こえたらすぐに電話に出るように」という指示ですね。
若者の間では、「ワンコール」が「1回の電話」という意味で用いられる場合があります。
たとえば、Instagramなどでは「#ワンコールで集まる仲間たち」というハッシュタグが使われています。
これは「1回の電話で集まるくらい仲が良い」という意味です。
「ワンコール」の目的
「意図的に電話の呼び出し音を一回だけ鳴らして切ること」には、以下のようなさまざまな目的があります。
- 相手に自分の電話番号を教えるため
- 通話料を相手に負担してもらうため
- 電話の呼び出し音を暗号として用いるため
- 詐欺
- 他の手段で送ったメッセージに気づかせるため
- 間違えて電話したため
- 連絡を取ることを途中でやめたため
- 嫌がらせのため
それぞれを詳しく解説します。
目的①:相手に自分の電話番号を教えるため
相手に自分の電話番号を教えるために「ワンコール」をする場合があります。
電話番号を教えるときに、口頭で伝えると伝え間違いなどが起こる可能性があるので、電話をかけてその番号を登録してもらうのです。
しかし、通話をする必要はないので「ワン切り」をします。
目的②:通話料を相手に負担してもらうため
通話料を相手に負担させるために「ワンコール」が行われる場合があります。
通話料は電話をかけた側に請求されるからです。
普通は、通話料を負担したくない人が相手に通話料を負担させるために「ワンコール」を行います。
しかし、ビジネス場面では相手に通話料を負担させないようにするため、相手に「ワンコール」してもらう場合があります。
目的➂:電話の呼び出し音を暗号として用いるため
親しい仲間内で電話の呼び出し音を暗号として用いるために「ワンコール」を用いる場合もあります。
着信音を鳴らすだけならお金はかからないので、連絡を取りたいがコミュニケーションにお金はかけたくない場合に「ワンコール」を用いるのです。
具体的には、あらかじめ呼び出し音の回数に応じて意味を決めて、暗号として用いていたのです。
また、ビジネス場面では海外出張を行う時に「出国」「到着」の合図として「ワンコール」が行われていました。
現在ではSNSを使えば無料で連絡が取れるため、「ワンコール」を暗号として用いる方法は廃れています。
目的④:詐欺
「ワンコール」は、詐欺として使われることがあります。
詐欺業者がプログラムを使って、ランダムな電話番号に片っ端から電話をかけ、呼び出し音を一回だけ鳴らして切ります。
この着信履歴を見てかけ直すと、「アダルト系のサービスに登録した」などの口実で高額の利用料金が請求されるという詐欺です。
「ワンコール」で行う詐欺は法改正により、1年以下の懲役または100万円以下の罰金を課すことになっているため、現在は減少していますが、なくなったわけではありません。
目的⑤:他の手段で送ったメッセージに気づかせるため
「ワンコール」は他の手段で送ったメッセージに気づかせる目的で行われる場合もあります。
現在ではSNSやメールなどで連絡するのが主流ですが、これらで連絡しても相手が気づかない場合があります。
そこで、特に緊急で重要な案件の連絡の場合に「ワンコール」を行うのです。
目的⑥:間違えて電話したため
間違えて電話してしまった場合に「ワンコール」が行われることがあります。
電話した後ですぐに間違った番号だと気づいて切った結果、「ワンコール」の状態になるのです。
目的⑦:連絡を取ることを途中でやめたため
連絡を取ることを途中でやめたため、「ワンコール」になる場合もあります。
一度は連絡を取ることを決断したものの、いざ電話したら決断がゆらいでしまった場合に「ワンコール」が行われるのです。
このような「ワンコール」は元恋人、あまり関わりたくない人に対して行われることが多いです。
目的⑧:嫌がらせのため
嫌がらせのために「ワンコール」が行われる場合もあります。
嫌がらせをしたい相手に大量に「ワンコール」を行うことで、相手の私生活を邪魔する目的があります。
「ワンコール」の対策
見知らぬ人から多くの「ワンコール」を受ける時には以下のような対策が有効です。
- 電話番号を検索する
- 着信拒否をする
- 着信メロディを工夫する
- 番号非通知で折り返す
- 専門家に相談する
それぞれの対策について詳しく見ていきましょう。
対策①:電話番号を検索する
「ワンコール」してきた電話番号に覚えがない場合、まずは電話番号を検索してみましょう。
そうすれば、相手の情報がわかる場合があります。
特に詐欺をする電話番号の場合、サイトに情報が載っていることもあります。
対策②:着信拒否をする
見知らぬ同じ番号から繰り返し「ワンコール」される場合は着信拒否をするのが一番確実です。
着信拒否では特定の番号からの着信を拒否することができますし、知らない番号からの着信をすべて拒否することもできます。
これはスマホはもちろん、固定電話でも使える方法です。
対策➂:着信メロディを工夫する
頻繁に「ワンコール」されるものの、着信拒否できない事情がある場合、着信メロディを工夫するのがおすすめです。
具体的には、以下のような方法が採用できます。
- 着信後数秒経ってから着信音がなる着メロを用いる
- 着信音が徐々に大きくなる「ステップストーン」を設定する
- 電話帳未登録の番号の場合に一定時間着信音がならないよう設定する
必ず「ワンコール」されるなら、「ワンコール」中は音が出ないように設定すれば良いのです。
対策④:番号非通知で折り返す
番号非通知で折り返すという方法もあります。
相手の電話番号の前に184をつけることで、簡単に非通知で電話をかけることができます。
これなら、相手にこちらの番号を知られる心配はありません。
また、自分の電話番号を知られたくない場合は、公衆電話からかけるという方法もあります。
ただ、「ワンコール」するような相手とコンタクトを取るのはあまり良い方法とは言えません。
被害を受けないためにも、「ワンコール」されたら無視するのが一番です。
また、非通知でかけて出なかった場合は、これ以上電話をかけるのはやめておきましょう。
対策⑤:専門家に相談する
あまりにもたくさん「ワンコール」がかかってくる場合や、「ワンコール」に折り返して有料サービスに誘導された場合は専門家に相談するのがおすすめです。
具体的には、嫌がらせ目的で「ワンコール」が行われている場合には、警察などに相談すると良いでしょう。
一方、有料サービスに誘導された場合は国民生活センター、もしくは弁護士に相談するのがおすすめです。
ただ、そもそも「ワンコール」での料金請求は無効なので、無視するのも手です。
「ワンコール」で電話が切れる原因
こちらから電話した時に、「ワンコール」で電話が切れてしまう場合があります。
これには以下のようなさまざまな原因が考えられます。
- 相手が話し中の場合
- 相手が機内モードにしていた場合
- 相手が電波の悪い場所にいる場合
- 相手の電源が切れていた場合
基本的に、こちらからどの原因で切れたのか判断することは難しいです。
「ワンコール」の使い方
「ワンコール」には以下のような使い方があります。
- 最近、知らない番号からワンコールされる。
- 昔からの親友とは、まだワンコールをすることがある。
- 上司からの電話は、ワンコールで出るように心掛けている。
上記の例文のように、「ワンコール」は「ワンコールする」という動詞の形で用いられるのが一般的です。
「ワンコール」で名詞として用いられる場合もあります。
「ワンコール」の語源
「ワンコール」は和製英語です。
以下のような語源になっています。
正しい英語では “a one-ring call” と言います。
ちなみに、英語で “one call” と言うと、「1回の電話」という意味になります。
ふつうは “a call” と言いますが、その電話を強調したい時には “one call” と言うのです。
「ワンコール」がつく言葉
「ワンコール」がつく言葉には以下のようなものが挙げられます。
- ワンコールワーカー
- ワンコールアウェイ
それぞれの言葉の意味について詳しく見ていきましょう。
ワンコールワーカー
「ワンコールワーカー」はざっくり言うと派遣労働者のことです。
1日単位で、電話などで指示を受けて派遣先に出向いて仕事をする人のことを指します。
「ワンコールワーカー」は多くの場合労働条件が悪いため、蔑称として用いられることもあります。
「ワンコールワーカー」は現在では一部の業種の除いて禁止されています。
ワンコールアウェイ
「ワンコールアウェイ(One Call Away)」は2015年発売のCharlie Puth(チャーリー・プース)の曲です。
英語圏の曲なのでもちろん「ワンコール」は「呼び出し音を一度だけ鳴らして電話を切ること」ではありません。
One Call Awayは直訳すると「電話1本分だけ離れている」という意味になります。
「ワンコール」の類義語
「ワンコール」には以下のような類義語があります。
- ワン切り
- ワンコール切り
- ワンコ
- ワンプチ
- ちょい切り
- 1コール
「ワンコール」と「ワン切り」の違い
「ワン切り」は「電話が呼び出し音1回で切れること」という意味で、「ワンコール」と同じです。
しかし、「ワンコール」と「ワン切り」には以下のような違いがあります。
- ワンコール:スマホで使われることが多い
- ワン切り:スマホでも固定電話でも使われる
基本的に、固定電話で電話の呼び出し音が1回で切れた時には「ワン切り」と言うのです。
また、「ワン切り」は相手にかけ直させて有料サービスに誘導する詐欺のことを指すことが多いです。
他の目的で呼び出し音が1回で切れた時には「ワンコール」と言う場合が多いのです。
まとめ
以上、この記事では「ワンコール」について解説しました。
英語表記 | ワンコール(one call) |
---|---|
意味 | 電話の呼び出し音が一回鳴ること・一回で切れること |
語源 | “one” と “call” からできた和製英語 |
類義語 | ワンコ、ワンプチ、ちょい切り、など |
「ワンコール」はSNSの普及に伴い、行われなくなってきた行為ですが、意味は理解しておきましょう。