マイホームを購入する際、多くの人がローンを利用します。その際、「担保」や「抵当」という言葉を目にすることが多いのではないでしょうか。しかし、この二つの言葉はよく似ており、区別が難しいです。
そこで今回は、「担保」と「抵当」の違いについて解説します。
結論:抵当は担保の一部!
また、担保にはいくつかの種類があり、その中の一つが抵当です。
「担保」をもっと詳しく
担保とは、借金を借りる際に、あらかじめ貸出人に引き渡される事物のことを指します。
人にお金を貸す際には、借りた側が返済できなくなるなど、貸し出し側に多くのリスクがあります。このリスクを減らすために設定された制度が担保です。
担保は主に、住宅ローンを組む際に必要になります。また、担保には大きく分けて人的担保と物的担保があります。
人的担保
人的担保は、借りた側が借金を返済できなくなった際、第三者に支払いを請求するという制度です。人的担保には、保証人や連帯保証人が存在します。
一般に、連帯保証人の方が保証人よりも責任が重いため、人的担保が必要となる場合には連帯保証人の設定が必要になることが多いです。
物的担保
物的担保は、借りた側が所有している財産を売却するなどして、借金を返済できなくなった時の補償とするという制度です。物的担保には、大きく分けて質権・抵当権・譲渡担保の三つが存在します。
ここでは、質権と譲渡担保の二つの形式について説明します。
質権
質権は、担保となる物品をお金を借りる際に貸出人に預ける制度です。この場合、所有権は借りた側に残りますが、物自体は貸出人の手へ渡ってしまいます。
そのため、借りた側は借金の返済が終了するまで、質に入れた物品を使用することは出来ません。
譲渡担保
譲渡担保は、担保となる物品の所有権を貸出人に預ける制度です。そのため、物品自体は手元に残ります。
「担保責任」について
損害賠償請求の一つとして、担保責任が存在します。これは、有償契約において渡された品物に欠陥があった場合、賠償を行わなければならないという責任のことです。
例えば、スーパーでりんごを買ったが、買った時点でりんごが傷んでいたことを買った後に買い手が発見した場合などには、この担保責任が発生します。
「抵当」をもっと詳しく
抵当は、担保の一部です。担保の中でも、物的担保と呼ばれる方法のうちの一つが抵当にあたります。
抵当の場合、借金をしている間も、物品や所有権を借りた側の手元に置いておくことが出来ます。しかし、借金が返済できないことが明らかになった場合、貸し出し側によって抵当に入れられた財産を処分することが出来るようになります。
抵当は主に、不動産に対して活用されます。これは、不動産を担保とする場合、物品自体や所有権が他の人に移ってしまった際には借りた側がその住居に住めなくなってしまいます。これを防ぐため、抵当という制度が存在します。
また、抵当権を設定する場合には、通常司法書士によって行われます。そして、抵当権を登記する場合には、登録免許税という税金がかかります。抵当を設定する際に出費が発生することには注意が必要です。
さらに、借金を返済した際に、抵当権が自動で抹消されるわけではないということにも注意が必要です。抵当権の抹消は、借りた側が自分で行う必要があります。
まとめ
以上、この記事では、「担保」と「抵当」の違いについて解説しました。
- 担保:借金を借りる際に、あらかじめ貸出人に引き渡される事物のこと
- 抵当:物的担保の中の一つで、物品自体も所有権も借りた側が所持出来る制度のこと
このように、抵当は担保の一部となっています。担保には様々な種類が存在するので、担保が必要になるときには違いをしっかりと確認するようにしましょう。