「同調」と「協調」の違いとは?意味から使い方や使い分けまで解説

違いのギモン

「協調性」は、よく仕事や人間関係で大事と言われます。よく似た言葉で、「同調」もありますが、「同調」と「協調」の違いをご存知ですか?

この記事では、「同調」と「協調」の違いを例文を用いて詳しく解説していきます。

結論:「同調」は同じ意見になること。「協調」は違う立場の人が協力しあうこと。

「同調」とは、他のものに調子を合わせることです。

一方で、「協調」とは、利害や、立場の逆の者同士が、互いに譲り合って調和していこうとすることです。

「同調」をもっと詳しく


「同調」とは、「調子が同じこと、他のものと調子を合わせること」を言います。

日常生活の中でよく使われる「同調」は、会話の中である人の意見に賛同して、同じ意見にしたり、同じ行動をとることとして使われます。

この時、自分の価値観や考え方を強く主張はせずに、調子を合わせて賛同することで、他者との連帯感を高めていくことに繋がります。相手の期待に応じて自分の考えを変える場合にも使われます。

「同調」の使い方の例

例文
  1. 集団生活において、周りの意見に同調した方が、円滑に物事が進むことが多い。
  2. 彼はミーティングで上司にいつも同調しているため、高い社内評価を受けている。
  3. 来月の投票までに、同調者を一人でも多く集めておく必要がある。
  4. 同調するだけでは、新たな意見が出ないので、積極的になることが求められる。
①の「同調」は、自分の主張をせずに周りに賛同することを表しています。

②の「同調」も同じく、上司に意見を寄せて賛同することを示しています。賛同された側は連帯感を感じ、同調した者に対して高い評価をしている様子を表した文です。

③の「同調者」は、「自分の意見に賛同してくれる人たち」を表します。

④の「同調する」は、自分の意見に関わらず、他者に意見や調子を合わせることを言っています。ここでは、ネガティブなニュアンスで使われています。

「協調」をもっと詳しく


「協調」とは、互いに協力しあうことを言います。特に、利害や立場が逆の対立しあう者同士が、互いに譲り合ったり、助けあったりしながら同じ目標に向かって協力していくことに使われます。

「協調」は、自分の意見を述べた上で、譲り合ったり、助けあったりして、利害を一致させていくことであるため、良い意味で使われることが多いです。

「協調性」という単語で、協調する能力を表しますが、性格の強みを表す言葉としてよく使われます。

「協調」の使い方の例

例文
  1. 国同士の協調をはかるために、今夜立食パーティーをする。
  2. 彼は協調性があるので、多くの会社からオファーがかかっている。
  3. あの新人は協調性に欠けるので、仕事を一緒にしていくのが不安である。
  4. あの会社はとくに、協調性を重視した採用を心掛けているらしい。
①の「協調」は、国同士が互いに意見をかわし、同じ意見になることを表しています。

②の「協調性」は、他の人と物事をうまくやっていける傾向を示しています。

③の「協調性」は、②と同じ意味ですが、自分の意見ばかりを押し通してしまうなどをして、他の人と物事をうまく進められないことを、「協調性に欠ける」と言います。

④の「協調性」も、②と同じ意味ですが、協調できる人を採用したいと思っていることを、「協調性を重視」と表します。

類語

  • 同調:賛成、共感
  • 協調:連携、提携、団結、調和
これらの類語から、「同調」は合わせるだけなのに対し、「協調」は同じ目標で何かを実行していくイメージが持てますね。

まとめ

以上、この記事では、「同調」と「協調」の違いについて解説しました。

  • 同調:同じ調子に合わせること。他の人の意見に賛同すること。
  • 協調:対立しあう者同士が、互いに譲り合ったり、助けあったりしながら同じ目標に向かって協力していくこと。
「同調」と「協調」は、似ているようで、「協調」の方が良い意味で使われることが多いこともわかったかと思うので、これを機にしっかりと使い分けていきましょう。