「成功」と「奏功」の違いとは?意味から使い方までわかりやすく解説

違いのギモン

「成功」という言葉はよく耳にしますが、みなさんは「奏功(そうこう)」という言葉はご存知でしょうか。なんとなく「成功」と同じ意味だと思っている人も多いかもしれません。

しかし、このふたつの言葉には違いがあるのです。

今回は、「成功」と「奏功(そうこう)」の違いとそれぞれの意味を詳しく説明します。

結論:ものごとがうまくいくことは「成功」計画したうえでうまくいくことは「奏功」

まず、「成功」とは、ものごとがうまくいくことです。
一方、「奏功」とは、ものごとが計画した通りにうまくいくことです。

「成功」の意味をもっと詳しく

「成功」の意味は以下のように複数の説明がされています。

  • ものごとを目的どおりに成し遂げること
  • ものごとをうまく成し遂げて、地位や名声などを得ること
  • 困難な目標が成し遂げられること

つまり、「自分の目標や目的成し遂げること」また、「ものごとを成し遂げて、目的のものを手に入れること」という意味があります。

「成功」の意味はすでに知っている人が多かったのではないでしょうか。

「奏功」の意味をもっと詳しく

「奏功」とは、「作戦が結果に結びつくこと」「自分の筋書き通りに功績を上げること」という意味です。

ここで重要なのは「自分の筋書きどおりに」という部分です。

「成功」が「ものごとがうまくいく」という意味だったのに対して、「奏功」は「自分が計画した結果ものごとがうまくいくこと」という意味になるのです。

「奏功」の由来

「奏功」の漢字の由来を見ていくことで、意味がよりとらえやすくなります。

「奏」の意味は「奏上する(天皇に申し上げる)」、「功」は「功績」のことを表しています。

つまり、漢字本来の意味は「天皇に対して功績を申し上げること」となるのです。

「功を奏する」という言葉を熟語にしたものです。

「奏功」の使い方

「奏功」の使い方には、以下のようなものがあります。

  1. イメージ戦略が奏功し、売り上げは徐々に増えていった。
  2. 私の提案した策が奏功して、社内の評価が上がった。
  3. 新しい治療法が奏功し、彼の病状は改善した。

このように、「〇〇のおかげで、目標を達成した」「〇〇の作戦で、うまくいった」といった場合に、「奏功」を使います。

たとえば、➋で考えると、「自分の出した策のおかげで、予想外に社内での評価が上がった」場合には「成功」と表記するべきです。

しかし、「社内での評価が上がることを目的としたうえで、計画的に策を出した」のであれば、「奏功」になります。

 

また、これらの文は以下のように言い換えることもできます。

  1. イメージ戦略が功を奏し、売り上げは徐々に増えていった。
  2. 私の提案した策が功を奏して、社内の評価が上がった。
  3. 新しい治療法が功を奏し、彼の病状は改善した。

「奏功する」と「功を奏する」が同じ意味の言葉だとわかります。

「奏功」の類義語

「奏功」には「奏効」という同音語があります。

「奏功」と「奏効」は同じ意味の言葉ですが、 「奏効」は 医学・医療などで使われます。そのため、普段の会話では「奏功」を使うのがよいでしょう。

具体例には「奏効」は次のような用語の中で使われます。

 

  • 奏効率(そうこうりつ)
  • 完全奏効(かんぜんそうこう)

 

 

「奏効率」とは、抗がん治療後に、ガンがどの程度縮小したかを示す数値です。たとえば、抗がん剤治療によってガンが完治した場合には「奏効率」は100%になります。

「完全奏効」とは、腫瘍が完全に消失することを意味します。この言葉は、ガン以外の悪性腫瘍に対しても使われることがあります。

まとめ

以上、この記事では「成功」と「奏功」の違いについて解説しました。

  • 成功:ものごとがうまくいくこと
  • 奏功:ものごとが、計画したうえでうまくいくこと

「成功」と「奏功」には、同じ「功」という漢字が使われており、同じ意味だと勘違いしやすいです。細かい違いをしっかりと理解して、ひとつ上のレベルを目指しましょう。