今回ご紹介する言葉は、熟語の「子細(しさい)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「子細」をざっくり言うと……
読み方 | 子細(しさい) |
---|---|
意味 | 事細かであること、詳しい事情、特別な理由、差し支えとなる事柄 |
類義語 | 委細、委曲 |
英語訳 | details/particulars(詳細)など |
「子細」の意味をスッキリ理解!
「子細」の意味を詳しく
「子細」とは、「事細かであること」「詳しい事情」「特別な理由」「差し支えとなる事柄」のことです。また、「仔細」と表記することもあります。
それぞれの意味について、詳しく解説します。
①事細かであること
1つ目の意味は、「事細かであること」「詳細」です。また、そのような様子を表します。
この意味で用いられる場合、以下のように使うことがあります。
- 「子細につき承知いたしました」
「子細につき承知いたしました」は、主にビジネスのシーンで用いられる表現です。
目上の人に対して「詳細について承知いたしました」という意図を伝えるときに使うことができます。取引先など先方の要望を聞いたときや、上司など目上の人から何か説明を受けた場面などで使います。これは、かなり格式張った表現であると言えます。
②詳しい事情
2つ目の意味は、「詳しい事情」です。「一部始終」と言い換えることもできます。
この意味で用いられる場合、以下のように使うことがあります。
- 「事の子細」
③特別な理由
3つ目の意味は、「特別な理由」です。混みいったわけを、「子細」と表現するのです。
この意味で用いられる場合、以下のように使うことがあります。
- 「子細がある」
④差し支えとなる事柄
4つ目の意味は、「差し支えとなる事柄」です。「異議」と言い換えることもできます。
この意味で用いられる場合は、以下のように打消しの言葉を必ず伴います。
- 「子細ない」
- 「子細に及ばず」
「子細に及ばず」は、「かれこれと事情を申し立てるまでもない」という意味です。
「子細」の使い方
「子細」は、以下のように使うことができます。
- 今回の実験結果について、子細に検証しよう。
- 彼女は、記者会見で今回の騒動について子細を話した。
- 彼は子細ありげな顔をしていた。
①の例文は、実験の結果を詳しく検証するという意味です。
②の例文は、騒動に関する詳しい事情を話したという場面を表しています。
③の例文では、彼が何か意味ありげな顔をしている様子が伺えます。
「子細」の類義語
「子細」には以下のような類義語があります。
- 委細(いさい):物事の詳しい事情、詳細
- 委曲(いきょく):物事の詳しい事情、詳細
「委細」の意味を詳しく
「委細」は、「子細」と同様に詳しく細かなことを表す言葉です。
「委細」は、副詞的に用いて「細かいことまですべて」「万事」という意味を表すこともあります。このように使われる場合、「委細承知した」などと表現します。
そのほか、「委細を述べる」「委細構わず」などと使います。
「委曲」の意味を詳しく
「委曲」も、「子細」「委細」と同様に詳しく細かなことを表します。
「委曲を尽くす」などと使われます。「委曲を尽くす」とは、詳しく説明などをして、細かいところまで行き届かせることを言います。
「子細」の英語訳
「子細」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- details/particulars
(詳細) - circumstances
(事情) - reasons
(理由)
慣用的な表現をする際は、以下のように文章を作ることができます。
- He gave a detailed full account of yesterday.(彼は昨日のことを子細に語った。)
- She didn’t talk anything for some reason or other.(彼女は子細あって何も話さなった。)
- He glanced at them meaningfully.(彼は子細ありげに彼らをちらっと見た。)
※meaningfullyは、 “with a significant look” と書き換えることができます。 - We have no objection to it at all.(何の子細もありません。)
まとめ
以上、この記事では「子細」について解説しました。
読み方 | 子細(しさい) |
---|---|
意味 | 事細かであること、詳しい事情、特別な理由、差し支えとなる事柄 |
類義語 | 委細、委曲 |
英語訳 | details/particulars(詳細)など |
「子細」には様々な意味があります。場面や文脈から、どの意味で使われているのかを読み取れるようにしましょう。
「子細」の意味をきちんとおさえ、正しく使いこなせるようにしましょう。