“another” と “other”。どちらも「その他」というニュアンスを持ち、使い分けが難しい単語です。しかし、同時に非常によく使われる単語でもあり、高校受験でも頻繁に登場します。
今回は、スペルも意味も分かりずらい、“another” と “other”の違いを解説していきます。
結論: “another” は「もう1つ」、 “other” は「別の」
“another” 「どれかもう1つ」という意味で単数かつ不特定の対象を表します。
“other” は「他の、別の、異なる」という意味で複数かつ不特定の対象を表します。
“another” をもっと詳しく
“another”は「1つ」を表す “an” と「別の、その他の」を表す “other”が合わさって出来た単語です。「どれか他にもう一つ」という意味があります。
“other” は “the other” や “others” の様に、 “the”をつけたり、複数形にしたりすることがありますが、このような用法は “another” にはありません。
“another” が指し示す内容は単数・不特定です。先に1つ選ばれ、残りにたくさんの選択肢がある中の不特定な1つ、というイメージです。
そのため、 “another way”という表現は、既に1つか2つ可能性の高い道が目の前にありながらも、まったく新しい別の道へ行く、というニュアンスになります。例えば、大企業に就職するか、ベンチャー企業に就職するか、ということを迷った末、自分で起業した場合には、“another way”となります。
“another” 使用例
(もう1杯コーヒーを頂けますか?)
→anotherの「もう一つの」というニュアンスが出ています。
(別の方法を試してみます)
→anotherの「別の」というニュアンスが出ています。
“other” をもっと詳しく
“other” は「他の、別の、異なる」という意味です。「残りの、向こうの」と言った意味もあります。
“other” という単語が単体で使われることはなく、形容詞として後に続く複数名詞を修飾します。複数で不特定な対象を表し、「他のいくつかの~」という意味になります。
また、 “the other” という用法もあります。これは特定された単数の対象を表し「残りの1つ・残りの全て」という意味になります。「特定性」を表す冠詞の “the” のニュアンスが色濃く出た使い方であると言えます。
そのため“the other way”という表現は、元々2つ迷っていた道があり、その中の1つを選んだ、というニュアンスになります。例えば、大企業に就職するか、ベンチャー企業に就職するか、ということを迷った末、大企業を選んだときは“the other way”となります。
さらに“the other”を複数形にした “the others” という使い方もできます。これは特定された複数の対象を表し、「他の、残り全ての」という意味になります。
“other” 使用例文
(私たちは彼女に大学で一日おきに会います。)
→every other dayは「一日おきに」という意味の慣用表現です。
(彼は他人を見下す)
→othersで自分以外の人、というニュアンスが出ます。
(右目は左目よりも大きいです)
→2つある物のうち、残り1つを表現するときにはthe otherを使用します。
(私は5人の友人がいます。1人は女の子、4人は男の子です。)
→3人以上いて、2人以上を「その他」として扱う時にはthe othersを使います。
まとめ
以上、この記事では、 “another” と “other” の違いについて解説しました。
- “another” :単数・不特定。「もう1つの、別の」
- “other” :複数・不特定。「他の、別の」
どちらの単語も受験英語・日常英語・ビジネス英語など、ありとあらゆる場面で使用する機会があります。 “the other” の用法も含め、しっかりと覚えておきましょう。