「不平・不満を言う」というように、「不平」と「不満」はセットで用いられることが多く、その意味はとても似通っています。実際のところ、「不平」と「不満」の違いはいったい何なのでしょうか?
この記事では、「不平」と「不満」の違いについて、例を挙げながらわかりやすく解説します。
結論:「不平」は平等でない状態、「不満」は満足していない状態。
「不満」は、満足していない状態を表す言葉で、目指す水準に到達していないので、物足りない思いや、気に入らないという思いが強い状態をしめします。
「不平」をもっと詳しく
「不平」とは、以下の意味を持ちます。
- 平等ではなく、偏っているさま
- 自らの状態に納得がいかず、心が荒れているさま
「平」という文字には、単に「等しい」、「偏らない」といった意味だけでなく、「何事もなく安らかで穏やかなこと」という心情を表す意味も含まれています。
「不」は否定語であるため、「不平」は「平等でない」、また「状態に納得がいかず、心が穏やかでない」という意味になります。
「不平」という言葉は、満たされてほしい要求が満たされず、不愉快な思いが態度や言葉に出る場合に多く用いられます。
「不平」の使い方の例
それでは、実際にどのように「不平」が使われるのか、例を挙げて説明します。
- 妹が気に入られてばかりいる、と姉が不平を言っている。
- 上司の身勝手なやり方に対して、不平を並べる。
- この会社では、昇給に関する不平を聞くことが多々ある。
②の例では、上司が身勝手に物事を進めていくやり方に対して、納得がいかない状態を口にすることを表わしています。
③の例では、昇給に関する要求が満たされない、つまり思ったほど昇給しないという状態を不愉快に思っていることを表わしています。
「不満」をもっと詳しく
「不満」は、以下の意味を持ちます。
- 不完全、また不足しているさま
- 満足していない状態や物足りなくて気に入らないさま
「満」という字は、「満たす」ことや、「いっぱいになる」こと、また「行き渡る」ことを意味します。
「満」に否定語の「不」がつく「不満」は、「満ちておらず、足りないさま」、また「満足できず物足りないさま」を意味します。
また、自分が目指す水準に到達していないため、満足していないという状態を表わす言葉でもあります。
「不満」の使い方の例
それでは、実際にどのように「不満」が使われるのか、例を挙げて説明します。
- この成績ではとても不満である。
- 与えられた仕事を不満に思う。
- 彼女は、不満げな顔つきをしている。
②の例では、自分に割り振られた仕事が、物足りないものであると感じる気持ちを表わしています。
③の例では、彼女が物足りなくて気に入らない表情をしていることを表わしています。
まとめ
以上、この記事では、「不平」と「不満」の違いについて解説しました。
- 「不平」:不平等で、納得がいかずに態度やことばに出してしまう状態をあらわす。
- 「不満」:満足していない状態で、物足りない思いや気に入らない心情を表わす。
意味が似通っているため、区別が少し難しい「不平」と「不満」でしたが、その意味が微妙に違うことが理解できましたでしょうか?「不平」は不平等で納得がいかない状態、「不満」は満足がいかずに物足りない心情であることを覚えておけば区別ができるでしょう。