心理学用語「ウェーバーフェヒナーの法則」とは?重さの具体例まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、心理学用語の「ウェーバーフェヒナーの法則(うぇーばーふぇひなーのほうそく)」です。

言葉の意味・具体例・提唱者・英語訳・注意点についてわかりやすく解説します。

☆「ヴェーバーフェヒナーの法則」をざっくり言うと……

読み方ウェーバーフェヒナーの法則(うぇーばーふぇひなーのほうそく)
意味人間が違いを感じる刺激量は、刺激の強さの対数に比例するという法則
提唱者E.H.ウェーバー氏・G.T.フェヒナー氏
英語訳Weber-Fechner’s law(ウェーバーフェヒナーの法則)

「ウェーバーフェヒナーの法則」の意味をスッキリ理解!

ウェーバーフェヒナーの法則(うぇーばーふぇひなーのほうそく):人間が違いを感じる刺激量は、刺激の強さの対数に比例するという法則

「ウェーバーフェヒナーの法則」の意味を詳しく

ウェーバーフェヒナーの法則は、精神物理学の基本法則です。

人は、物事を見たり聞いたりした時に、「何か前と違う?」と感じることがあります。この現象は、人が見たり聞いたりしたものから情報を受け取り、それが刺激として脳に作用することで発生します。

上記にあるように、「何か違うんじゃないか」と人が感じる時の、刺激の強さと人間の感覚との関係を式で表したものが、ウェーバーフェヒナーの法則です。

 

ウェーバーフェヒナーの法則では一般的に、刺激の強さをXと置き、人間が違いを感じ取れるギリギリの刺激変化量をΔXと置いて考えます。すると、ΔX/X=C(ある定数)という関係性になることが分かっています。

また、ウェーバーフェヒナーの法則が成り立つのにも条件があります。強くもなく弱くもない、中程度の刺激が人に及んだ時が、最もこの法則通りに人間が違いを感じ取ると言われています。

ウェーバーの法則

ウェーバーフェヒナーの法則は、元々ウェーバーの法則と、フェヒナーの法則という2つの法則が組み合わされて作られた法則です。

ウェーバーの法則では、違いを感じるか感じないかという、境目の部分での刺激量について研究がされていました。その結果、人間が違いを感じる刺激量の限界は、刺激の強度に比例するという実験結果になりました。

フェヒナーの法則

フェヒナーの法則は、感覚量について測定したものであるといわれています。この研究では、人間が違いを感じる刺激量の限界は、刺激の強度の対数に比例するということが明らかになっています。

これにより、刺激の強度がそのまま関係するわけではないことが明らかになりました。

「ウェーバーフェヒナーの法則」の具体例

身近なところでは、値下げとウェーバーフェヒナーの法則が関係しています。

以下の2つのパターンがあるとします。

  • Aパターン:1000円の商品が500円引きで売られている
  • Bパターン:10万円の商品が500円引きで売られている
上記の場合では、AもBも商品の割引価格は500円で変わりません。しかし、大半の人が、Aはとても安くなっていると感じますが、Bはあまり値段が変化しているとは感じません。

なぜなら、BはAより元々の値段が高いため。変化を感じにくいのです。このような場面で、ウェーバーフェヒナーの法則は使われます。

そのほかの「ウェーバーフェヒナーの法則」の具体例

  • 待ち時間が10分から20分になった場合と、2時間から2時間10分になった場合では、前者の方がより待ち時間が長くなったように感じる
  • 体重50kgの人が5kg痩せるのと、150kgの人が5kg痩せるのでは、前者の方がより軽くなっているように感じる。

「ウェーバーフェヒナーの法則」の提唱者

ウェーバーフェヒナーの法則は、ドイツの生理学者E.H.ウェーバー氏と、G.T.フェヒナー氏によって提唱されました。

1840年代、ウェーバー氏は、心理学の世界を定量化して表そうと考えました。そこで彼は、違いを感じるための刺激の限界値など様々な物について研究を進めました。

ウェーバー氏の研究を元に、1850年代にフェヒナー氏が研究を完成させ、違いの感覚について公式化に成功しました。

 

また、彼らは当初、「手の上に乗った物の重量の変化を感じられるか」ということを研究していました。

しかし、最終的にはウェーバーフェヒナーの法則は触覚的な感覚だけでなく、視覚や聴覚においても関係性が成り立つということが明らかになっています。

「ウェーバーフェヒナーの法則」の英語訳

ウェーバーフェヒナーの法則を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • Weber-Fechner’s law
    (ウェーバーフェヒナーの法則)

「ウェーバーフェヒナーの法則」の注意点


ウェーバーフェヒナーの法則には、個人差や周囲の環境も影響を及ぼします。そのため、人によって作用の度合いには違いがあります。

また、刺激があまりにも強すぎたり、弱すぎたりする場合には、上手く作用しないこともあります。

まとめ

以上、この記事では「ウェーバーフェヒナーの法則」について解説しました。

読み方ウェーバーフェヒナーの法則(うぇーばーふぇひなーのほうそく)
意味人間が違いを感じる刺激量は、刺激の強さの対数に比例するという法則
提唱者E.H.ウェーバー氏・G.T.フェヒナー氏
英語訳Weber-Fechner’s law(ウェーバーフェヒナーの法則)

ウェーバーフェヒナーの法則は、人間の感覚が数式化されて表されているという点に特徴があります。ぜひ、この法則を使い、人生に役立てていきましょう。

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つつつ
この道10年以上の読書家。 短い言葉で人を惹き付けるコピーが大好きです。 本の帯に書かれたコピーを見て買ってしまうこともしばしば。 読書で得た文章力を活かして、日常生活でよく使う言葉を中心に執筆しています。