皆さんは「批判」と「批評」を、どう使い分けるか知っていますか?意味を知らずに使っていると、恥ずかしい思いをしてしまうかもしれません。
そこで今回は、「批判」と「批評」の違いについて、詳しく解説していきます。
結論:判定や判断を下す「批判」と、評価を述べる「批評」
一方で「批評」は、「物事の良し悪しや、是非などについて、よく考えて評価を述べること」です。
ここで注意しておきたいのは、どちらの言葉にも「人を責める」といった意味は含まれないという点です。
「批判」をもっと詳しく
「批判」は、「物事の真偽や可否を検討し、それに対して判定や判断すること」です。一般的に、「人を責める」といった意味で使われる時もありますが、必ずその意味が含まれるわけではないです。
「判」の文字には、「見分ける」や「はっきりさせる」、「さばく」といった意味が含まれています。したがって、「批判」には、判定や評価といったはっきりさせるニュアンスが含まれます。
「批判」の対義語と類義語
対義語
- 同情:他人の感情を、その身になって共に感じること。
- 賛同:同意すること。賛成。
どちらの言葉も、「批判」の「判定や判断すること」という意味に対応しています。
類義語
- 審判:事件を審理して、判断または判決すること。
- 分別:世間的な経験などから出る考え・判断。
どちらの言葉も、「批判」の「判定や判断すること」という意味に類似しています。
「批判」の使い方の例
- 批判力を養う。
- 周囲から、徹底的に批判される。
①の文は、「批判」の本来の意味である「物事を検討し、判断する」といった意味が含まれています。
②の文の「批判」は、「誤っている部分を、責めていること」を表しています。
この2つの意味の見分けることは難しそうですが、最近は、後者の意味で用いられることが多いです。
「Critical Thinking(クリティカル・シンキング)」とは?
「Critical Thinking」の和訳は、「批判的思考」です。
「批判的思考」の意味は、「様々な問題や課題を分析し、一番良い解決法を見つけるための思考法」です。 「批判」と同様に、ネガティブな思考法に捉えがちです。しかし、実際は「一番良い解決法を見つける」というポジティブな思考法のことなのです。
「批評」をもっと詳しく
「批評」の意味は「物事の良し悪しや、是非などについて、よく考えて評価を述べること」です。つまり、客観的に論じることです。
「評」の文字には、「はかる」という意味が含まれます。したがって、「批評」は「批判」と比べると、「はっきり白黒つける」というニュアンスが弱いのです。
「批評」の類義語
- 評注:批評して注釈を加えること。または、そのもの。
「批評」の「評価を述べること」という意味が、類似しています。
「批評」の使い方の例
- 映画の批評をする。
- 私が書いた小説を、友人に批評してもらう。
①の文は、映画に対して自分の意見を論じることを表しています。
②の文では、小説に対し客観的な意見を求めていることがわかります。
「批評眼」とは?
「批評」が含まれている言葉として、「批評眼」といった言葉があります。「批評眼」とは、「要所を的確にとらえて、客観的な意見を述べる能力」のことです。
まとめ
以上、この記事では、「批判」と「批評」の違いについて解説しました。
- 批判:物事の真偽や可否を検討し、それに対して判定や判断すること
- 批評:物事の良し悪しや、是非などについて、よく考えて評価を述べること
「批判」をネガティブな意味に捉えていたり、2つの言葉の意味が混同していたりした人もいたのではないでしょうか。この2つの言葉の意味を理解して、捉え間違えることのないようにしましょう。