多くの人にとって当たり前であるとき、「一般的」や「普遍的」といった言葉で表します。皆さんは、この2つの言葉の違いを知っていますか?
そこで今回は、「普遍的」と「一般的」の違いについて解説します。
結論:変わらない「普遍的」と、変わるかもしれない「一般的」
一方で、「一般的」は、「すべてには当てはまらないが、広く知れ渡っていること」です。「普遍的」とは、知れ渡っている規模が違います。
「普遍的」をもっと詳しく
「普遍的」は、「時代や国に関係なく、極めて多くのことに当てはまること」を示します。また「普遍」の意味は、「 全体に広く行き渡ること」や「例外なくすべてのものにあてはまること」です。
「普遍的」は、大規模な範囲で使われることが多いです。さらに、時代や国を超えて当てはまることであるため、主語となる物事は、どの場所に行っても、どの時代になってもあまり変わらない物事になります。
たとえば、「人間はいずれ死んでしまう」という主張は、全世界に共通することです。また、この事実は、この先も変わることがないと思われます。こういった場合に「普遍的」を使います。
「普遍的」の対義語と類義語
対義語
- 特殊:普通と異なること。
「普遍的」が持つ「多くのことに当てはまること」という意味と、「特殊」の「異なっている」という意味が対応しています。
類義語
- 普通:多くに当てはまること。どこでも見受けられ、他と特に変わらないこと。
- 世界的:一国に限らず全世界に関係のあるさま。
「普通」は、「多くに当てはまる」という点が「普遍的」と類似しています。
「世界的」は、空間的な意味ですが、「すべてに当てはまる」ことを指す点が「普遍的」と共通しています。
「普遍的」の使い方の例
- 重力があるというのは、普遍的な事実だ。
- このバッグは、普遍的なデザインです。
①の文は、「重力がある」ということが、絶対の法則であることを表しています。
②の文は、バッグのデザインが昔から変わらず、人気のあるモノであることを示しています。
「一般的」をもっと詳しく
「一般的」は、「全てには当てはまらないが、広く知れ渡っていること」を示します。また「一般」は、「広く全体に共通して認められ、行き渡っていること」という意味を持ちます。
「一般的」は「普遍的」よりも、対象となる範囲が狭くなります。さらに、主語となる物事は、地域によっては通じないかもしれません。また、数年経てば変わっているかもしれません。
たとえば、学校内や会社内といった小さなコミュニティーでの共通事項は、そこ以外の場所では共感を得られない可能性があります。また、数年後には共通事項ではなくなっているかもしれません。こういった場合に「一般的」を使います。
「一般的」の対義語と類義語
対義語
- 奇抜:人の意表に出ること。思いも及ばぬほど、他より抜きん出ていること。
- 異色:変わった特色のあること。
どちらの言葉も、「一般的」が持つ、「広く知れ渡っていること」という意味に対応しています。
類義語
- 平凡:特にすぐれたり、変わったりしていない。
- 共通:2つまたはそれ以上のもののどれにも通ずること、あてはまること。
「平凡」は、平均的で目立たず、結果として多くの人が属するカテゴリーである点が「一般的」と類似しています。「普遍的」とは違い、すべてには当てはまりません。
「共通」は、複数のものが重なる部分、つまり一定数の対象にとってあてはまることを指している点で「一般的」と似たニュアンスがあります。
「一般的」の使い方の例
- 私の高校では、みんなで掃除を行うことが一般的でした。
- 一般的に日本人は、家に入るときに靴を脱ぐ。
①の文の「一般的」も、②の文の「一般的」も、「物事が広範囲で当てはまること」を言います。しかし、範囲の広さが違います。
①の文では、「私が通っていた高校」が範囲となっていますが、②の文の範囲は「日本人」であり、①よりも広い範囲が対象となっています。
まとめ
以上、この記事では、「普遍的」と「一般的」の違いについて解説しました。
- 普遍的:時代や国に関係なく、広く当てはまること。
- 一般的:全てには当てはまらないが、広く知れ渡っていること。