今回ご紹介する言葉は、熟語の「暴挙(ぼうきょ)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「暴挙」をざっくり言うと……
読み方 | 暴挙(ぼうきょ) |
---|---|
意味 | 乱暴な振る舞い |
類義語 | 暴力、暴行 |
対義語 | 快挙 |
英語訳 | reckless action(無謀な行為) |
「暴挙」の意味をスッキリ理解!
「暴挙」の意味を詳しく
「暴挙」とは、乱暴な振る舞いのことです。また、不法な行動や無謀なくわだて、暴動という意味もあります。
「暴」という字には「あばれる」「はげしい」という意味があります。また、「挙」という字には「物事を起こす」「くわだてる」という意味がまります。
これらが組み合わさって「暴れて物事を起こす」という意味になるのです。
「暴挙に出る」の意味
「暴挙」の使い方のひとつに、「暴挙に出る」という表現があります。
「暴挙に出る」という場合には、その手段が強引であったり、道理が通らず横暴であったりするというニュアンスになります。
単に暴力的であるというよりは、「常識的ではないネガティブな方法でやりたいことを押し通す」というイメージを持つ言葉です。
「暴挙」の使い方
- その国の政府は国民の反対を押し切り、大幅に増税をするという暴挙に出た。
- 彼は自分の思い通りにならないと、部下に無茶ぶりばかりして暴挙を振るうものだから、たくさんの人に嫌われている。
上記の例文のように、「暴挙」は「暴挙に出る」「暴挙を振るう」という形で使われます。
①の例文では、「大幅に増税をする」という行為に対し、「暴挙である」と非難しています。この場合の「暴挙」は、誰か特定の人物が暴力を振るうという意味ではなく、「増税」という行為が強引で乱暴であるという意味で使われています。
②の例文では、「彼」が部下に無茶ぶりをしている様子を「暴挙を振るう」と表現しています。この場合のように、「暴挙」は、周りの人の印象を下げる行動であり、ネガティブな文脈で使われます。ちなみに、「暴挙を振る」は誤用なので注意しましょう。
「暴挙」の類義語
暴挙には以下のような類義語があります。
- 暴力:乱暴な行為
- 暴行:暴力で危害を加えること
「暴力」「暴行」はどちらも「乱暴なおこない」という意味を持ちます。
2つの意味は似ていますが、「暴力」は「乱暴をする力そのもの」、「暴行」は「暴力という行為」というニュアンスがあり、少し意味が異なります。
「暴力」は、実際に誰かに危害を加えた場合、「暴力を振るう」として「振るう」などの動詞と結びつく必要があります。一方で、「暴行」の場合には、「暴行する」と「暴行」を動詞化する形で使うことができますが、「暴行を振るう」という形にはできません。
どちらも実際に誰かが怪我をするような危害を加えるというニュアンスの言葉です。暴挙にもそのニュアンスがありますが、「暴挙に出る」という場合の「強引な手段」というニュアンスは、「暴力」「暴行」にはあまりないので言い換えるときには注意しましょう。
「暴挙」の対義語
暴挙には以下のような対義語があります。
- 快挙:痛快で立派な行い
「暴挙」が乱暴で周りを押し切った行為のことを指すのに対し、「快挙」は胸がすくような立派な行いのことを表します。
「暴挙」とは、ネガティブなイメージを持ち、周りから反感を買うような行為のことです。一方で「快挙」は、周りから見ても素晴らしい行為や達成であり、ネガティブなイメージでは使われません。
「暴挙」の英語訳
暴挙を英語に訳すと、次のような表現になります。
- reckless action
(無謀な行為) - violence
(暴力)
“reckless action” は、「無謀な行為」という意味の英語表現です。「暴力に出る」という文脈で「暴挙」を使うときにはこのままで問題ありません。
violenceは、「暴力を振るう」「他者に危害を加える」という意味のときに使える表現です。
どちらの意味で「暴挙」を表現したいかによって使い分けるとよいでしょう。
まとめ
以上、この記事では「暴挙」について解説しました。
読み方 | 暴挙(ぼうきょ) |
---|---|
意味 | 乱暴な振る舞い |
類義語 | 暴力、暴行 |
対義語 | 快挙 |
英語訳 | reckless action(無謀な行為) |
「暴挙に出る」「暴挙を振るう」必要のない生活を心がけていきたいものですね。