今回ご紹介する言葉は、熟語の「励行(れいこう)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「励行」をざっくり言うと……
読み方 | 励行(れいこう) |
---|---|
意味 | 決めたことを実行すること |
類義語 | 遵守、遵奉、履行 |
対義語 | 違反、反則 |
英語訳 | enforce(実施する) |
「励行」の意味をスッキリ理解!
「励行」の意味を詳しく
「励行」とは、自分自身で決めたことや規則などをその通りに実行することです。
「励」という字には「力を入れておこなう」「はげむ」という意味があります。また、「行」という字には「おこなう」「する」という意味があります。
このことから、「励行」は「はげむ」という意味になります。「はげむ」という言葉には「精を出して熱心に努める」という意味があり、「決めたことを実行する」という意味に繋がるのです。
「励行」の使い方
- インフルエンザが流行しているので、最近は手洗いうがいを励行しています。
- 彼女は毎朝、10分の読書を励行している。
上記の例文のように、「励行」はなにか物事を続けているときによく使われます。
①の例文では、「手洗いうがい」という決められたことを実行しています。
同様に、②の例文でも「10分の読書」が「自分のルール」として励行されています。
このように、個人や集団で決めたことを忠実に守り、はげむ場面で「励行」が使われます。
「励行」の類義語
励行には以下のような類義語があります。
- 遵守(じゅんしゅ):習慣・法律などを守ること
- 遵奉(じゅんぽう):法律の指示にしたがって行動すること
- 履行(りこう):約束などを実行すること
「遵守」「遵奉」「履行」には「励行」と同様に、「決めたことや決まったことを実行する」という意味があります。
「遵守」は「励行」より、もっと根本的な習慣や法律など、もともと決められているルールを守るという意味です。
「遵奉」は法律や教義などにしたがうという意味です。「遵守」と近い意味になりますが、「遵奉」の方がより「決まっていることを尊重する」というニュアンスが強くなります。
「履行」は、約束や契約など、自分と他者の間で結んだルールを実行するという意味です。
それぞれ少しずつニュアンスが変わるので、「どんなことを実行するのか」という観点で使い分けましょう。
「励行」の対義語
励行には以下のような対義語があります。
- 違反:ルールに背くこと
- 反則:ルールを破ること
「違反」「反則」は、どちらも「ルールを破る」という意味の言葉です。
「違反」は「法律違反」「交通ルール違反」「契約違反」など、処罰の対象になるような重大な場面で使われます。
一方で「反則」は、法律に違反したときなどにも使われますが、スポーツのルールなどのように、ある集団の中での決まりごとを破った場合に多く使われます。「違反」の場合よりも軽いイメージがあります。
なお、「反則」は、「三回破ったら退場」などのように回数によって罰則が課される場合もあります。
「励行」の英語訳
励行を英語に訳すと、次のような表現になります。
- enforce
(実施する) - observe
(守る)
enforceには「実施する」という意味があります。
enforce単体では「はげむ」というニュアンスが薄くなってしまうので、このニュアンスを強調したい場合には、後ろにrigidly(厳しく)などをつけましょう。
また、「ルールを守る」というニュアンスで使いたい場合には、observeが自然です。
「励行する」という言葉そのものを英語で表現するのは難しいので、強調したい意味や文脈によって単語を使い分けましょう。
まとめ
以上、この記事では「励行」について解説しました。
読み方 | 励行(れいこう) |
---|---|
意味 | 決めたことを実行すること |
類義語 | 遵守、遵奉、履行 |
対義語 | 違反、反則 |
英語訳 | enforce(実施する) |
一度決めたことを我慢強く続けるのは大変なことですが、決めたからには、いい結果がもたらされると信じて「励行」していきたいですね。