「空前絶後」と「前代未聞」の違いとは?意味から使い方まで解説

違いのギモン

突然ですが、みなさんは「空前絶後」と「前代未聞」この2つの四字熟語をご存知でしょうか?

四字熟語の中では割とポピュラーであるため、テレビなどで耳にしたことがあるという人もいるかもしれませんね。

互いに似ている意味を持つ言葉ですが、今回はそんな「空前絶後」と「前代未聞」の違いについて詳しく解説していきます。

結論:言及する時間軸が異なる!

「空前絶後」は過去にも例がなく未来にもありそうにない非常にまれなこと。

「前代未聞」は過去に一度も聞いたことがないようなめずらしいこと。

「空前絶後」は過去と未来の両方になかなか起こりえないようなことを表しますが、「前代未聞」は過去についてのみ言及しています。

「空前絶後」をもっと詳しく

「空前絶後(くうぜんぜつご)」とは、今まで一度も例がなくこの先にも起こらないであろう、めったにないまれなことを表します。

「空前」は「前に空(むな)しく」と読むことができ、「これまでにない」という意味になります。「空前の○○ブーム」のように、この言葉単体でもよく使われます。

一方、「絶後」は「後に絶(た)えて」と読むことができ、「この先にない」という意味になります。

これらの言葉が合わさって1つの四字熟語として使われているのが「空前絶後」です。

どちらかというと、驚くような珍しい事例に対してポジティブな意味で使われることが多いです。

 

「空前絶後」の使い方の例

「空前絶後」を使った例文をご紹介します。

  1. 空前絶後の超大作と評されている小説を読んだ。
  2. 落ちこぼれの彼がテストで学年1位になるなんて空前絶後だ。
  3. 姉が東大に合格し、我が家は空前絶後の歓喜に満ちている。

どの文においても、「これまでにもこの先にも類を見ない、めったにないこと」という意味で用いられています。

「前代未聞」をもっと詳しく

「前代未聞(ぜんだいみもん)」とは、これまで一度も聞いたことがないような、非常にまれなことや大変なできごとを表します。

「前代」とは前の時代、つまり「過去」のことを指します。「未聞」は訓読みすると「未(いま)だ聞かず」と読むことができます。

これらの言葉が合わさって「今までに聞いたことがないようなこと」という意味の四字熟語として使われているのが「前代未聞」です。

どちらかというと、アクシデントなどの悪い例に対してネガティブな意味で使われることが多いです。

「前代未聞」の使い方の例

「前代未聞」を使った例文をご紹介します。

  1. 自分の結婚式に寝坊するなんて前代未聞だ。
  2. 前代未聞の新プロジェクトは大失敗に終わった。
  3. 現在接近している大型台風は前代未聞の規模らしい。

①、②のような使い方は、少し呆れているようなニュアンスが感じられます。

「信じられない、考えられない」という場面でよく使われます。

その他の類義語

他にも、「めったにないまれなこと」という意味の言葉として以下のようなものがあります。

  • 千載一遇(せんざいいちぐう):千年に一度しか遭遇しないほどめずらしいこと
  • 冠前絶後(かんぜんぜつご):めずらしいくらいにずば抜けてすぐれていること
  • 曠前空後(こうぜんくうご):後にも先にもないような非常にめずらしいこと
  • 未曾有(みぞう):未だかつて起こったことがないこと、極めてめずらしいこと

まとめ

以上、この記事では、「空前絶後」と「前代未聞」の違いについて解説しました。

  • 空前絶後:過去にも例がなく未来にもありそうにない非常にまれなこと
  • 前代未聞:過去に一度も聞いたことがないようなめずらしいこと

いかがだったでしょうか。スッキリと違いを理解していただけましたか?

似ている意味を持つ四字熟語は他にもいろいろあるので、これを機に調べてみるのもおすすめです。