今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ロゴス」です。
「ロゴス」の意味・使い方・語源・対義語についてわかりやすく解説します。
☆「ロゴス」をざっくり言うと……
英語表記 | ロゴス(logos) |
---|---|
意味 | 論理・言葉・真理 |
語源 | legein(拾い集める) |
対義語 | ミュトス |
「ロゴス」の意味をスッキリ理解!
「ロゴス」の意味を詳しく
「ロゴス」とは、論理・言葉・真理などを表す概念のことです。
「ロゴス」は古代ギリシャで生まれた哲学的な言葉で、非常に抽象的な概念を表します。また、使われた時代や、使った哲学者によって意味が変わります。
問題の核心となる「ことがらそのもの」から、万物を支配する「法則」、思考の結果である「論理」「根拠」、数学としての「計算」「比例」、物事の関係を表す「言葉」「命題」など、多くの意味があります。
また、「ロゴス」はキリスト教に大きな影響を与え、聖書にも登場する言葉です。
「ロゴス」の使い方
- 万物は流転しているが、その背後にはロゴスがある。
- 理性によってロゴスを知ることができる。
- はじめにロゴスがあった。ロゴスは神とともにあり、ロゴスは神であった。
上の例文のように、「ロゴス」は哲学を語る際に広い意味で使われる言葉です。意味を本質的に理解するには、使われた時代や人を把握することが必要です。
①はヘラクレイトスが説いた思想です。「自然界は絶えず変化しているが、それは何らかの法則や理論に則っている」ということを意味します。つまり、ここで「ロゴス」は、法則・真理として使われています。
②はストア派という哲学の一派の思想です。「感情ではなく理性こそが論理や真理、自然を明らかにする」と説明しています。つまり、ここで「ロゴス」は、論理・真理・自然として使われています。
③はキリスト教の聖書の一節です。キリスト教では「ロゴス」を「言葉」として訳すことが一般的です。この言葉は、世界を構成する論理を意味します。
「ロゴス」の語源
「ロゴス」の語源は古典ギリシャ語の “legein”です。
「拾い集める」という動詞”legein”から派生して、名詞の「ロゴス」が生まれました。「不規則な事象、事実を拾い集めて規則的に配列させる」というニュアンスから論理・言葉・真理などの体系立った概念を表す言葉になりました。
「ロゴス」を語源とする言葉
「ロゴス」が語源になっている言葉があります。
- カタログ(katalogos):目録
- ロジカル(logica):論理的な、道理にかなっているさま
①のカタログは、「ロゴス」の「論理」や「計算」「体系立った事柄」という概念から転じたことが語源となっています。
②のロジカルは、「ロゴス」の論理・根拠のニュアンスが転じてたことが語源となっています。
どちらも”logos”のつづりが残っていることがわかります。
「ロゴス」の対義語
「ロゴス」には以下のような対義語があります。
- ミュトス:神話、ものがたり
ミュトスは「神話」「ものがたり」などの意味を持つ言葉です。また、「フィクション」という意味もあります。
一方、「ロゴス」は真実という意味です。つまり、ミュトスが「現実には存在しないもの」を指すのに対して、「ロゴス」は「現実に存在するもの」を表すのです。
たとえば、神話は空想上の話であり、現実には存在しないのでミュトスです。一方、歴史は現実に存在するものなので、「ロゴス」です。
まとめ
以上、この記事では「ロゴス」について解説しました。
英語表記 | ロゴス(logos) |
---|---|
意味 | 論理・言葉・真理 |
語源 | legein(拾い集める) |
対義語 | ミュトス |
「ロゴス」を日常の会話の中で耳にする機会はほとんどないでしょう。
しかし、古代ギリシャの時代から活発に語られてきた歴史ある言葉です。抽象的で難しい言葉ですが、日本語の語彙にない概念をもたらす言葉でもあります。
この記事を読んで、さらなる理性を獲得しましょう。