「述懐」の意味とは?読み方は?使い方から類語や英語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「述懐(じゅっかい)」です。

以下では、「述懐」の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「述懐」をざっくり言うと……

読み方述懐(じゅっかい)
意味考えや思い出を述べること
類義語吐露、胸襟を開く
英語訳reminisce、relate(reveal) one’s thoughts

「述懐」の意味をスッキリ理解!

述懐(じゅっかい):考えや思い出を述べること

「述懐」の意味を詳しく

「述懐」とは、自分の考えや過去の出来事・思い出などを話すことです。

「述」は文字通り「述べる」を指し、「懐」は「懐かしむ」の他に「思う」という意味もあります。この2文字が組み合わさってできたのが「述懐」というわけです。漢字から、「懐かしいことや思っていることを述べる」という意味を推測することができますね。

それぞれの漢字字体は難しくありませんが、「じゅっかい」という読み方は少し難しいので注意が必要です。「じっかい」と読むのは間違いですので、気を付けましょう。

 

話し言葉ではあまり使いませんが、文章などではよく用いられる表現ですので、ぜひよく意味を確認しておきましょう。

「述懐」の使い方

  1. 大学時代の友人としみじみ述懐しながら、駅まで向かった。
  2. みんなが見守る中、彼は今の心境を述懐し始めた。
  3. その目撃者は、警官に向かって事件当時の様子を述懐した。

①は、友人と大学時代の思い出を語り合っている様子を表しています。「述懐」は落ち着いて静かに話す様子を指すことが多いです。従って、声高に自分の意見を主張したり、大勢でわいわいと思い出話に花を咲かせる様子などを表す際にはあまり用いられません。

②は、彼が自分の考えを述べている様子を表しています。この例文では昔の出来事を話しているわけではなく、単に彼が現在感じていることを話しています。

③では、事件の目撃者がその時の様子を語っています。①との違いは、①は「過去の思い出」であるのに対し、③は「過去の出来事・事実」を述べている点にあります。特に懐かしんだり、感慨に浸るような場面でなくても、過去の出来事を話しているのであれば「述懐」と表現することができます。

「述懐」の類義語

述懐には以下のような類義語があります。

  • 吐露(とろ):考えや気持ちを隠さずに打ち明けること
  • 胸襟(きょうきん)を開く:思っていることをすべて打ち明けること

「吐露」の「吐」は吐「(は)き出すこと」、「露」は「隠さずにあらわにする」という意味を持ちます。

また、「胸襟」はもともと、着物の合わせ襟のことを指しています。転じて、「心の中」という意味を表すようになりました。

2つとも単に「思っていることを打ち明ける」という意味であり、「吐露」も「胸襟を開く」も「思い出を話す」という意味は含まないので注意しましょう。

「述懐」の英語訳

述懐を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • reminisce
    (述懐する、思い出を語る)
  • relate(reveal) one’s thoughts
    (述懐する、考えを述べる)

最も直訳に近いのが、”reminisce”です。この単語は「思い出を語る」という意味のみを持っており、「現在の考えや心情を語る」という意味はありません。

「考えを語る」という意味を表したいならば、”relate(reveal) one’s thoughts”という表現がよいでしょう。”relate”は「話す、説明する」、”reveal”が「明らかにする」という意味です。

まとめ

以上、この記事では「述懐」について解説しました。

読み方述懐(じゅっかい)
意味考えや思い出を述べること
類義語吐露、胸襟を開く
英語訳reminisce、relate(reveal) one’s thoughts

少し聞きなれない言葉ですが、意味自体は決して難しくありません。日常生活において、「述懐」することはあるでしょう。ぜひこの機会に覚えてみてください。