日本語には似ていて違いがよくわからない言葉がたくさんあります。そして、そのような言葉を日本語のネイティブは無意識のうちに使いわけています。
しかし、日本語を学んでいる外国人はそうもいきません。ネイティブではない人はちゃんと理屈を理解できないと、使い分けることができません。
そして、外国人に違いを聞かれた時に答えられないと恥ずかしいですよね。ネイティブなら似ている言葉の違いを言えるようにしたいものです。
そして、違いがわかりにくい言葉の1つに「事由」と「理由」があります。
そこで、今回は「事由」と「理由」の違いについて解説していきたいと思います。
結論:理由の意味の一部が事由
一方、理由とは「そうなった根拠」のことです。
そして、理由という言葉の中に、事由の意味も含まれています。
「事由」をもっと詳しく
事由(じゆう)とは、物事が起こった原因となる事実のことです。
この言葉は理由と比べて堅い言葉であり、法律上でよく使われます。
そして、法律上で事由という言葉が使われた場合には、「直接的な理由や原因となっている事実」という意味になります。
例えば、貧乏でその日暮らしをしていて、コンビニで窃盗を行ってしまった場合、犯罪を行ってしまった事由は「金欠」になります。
ただ、事由という言葉は一般的には理由と同じような意味で使われます。
ちなみに、法律上だけでなく、この言葉はビジネス上でも用いられることがあります。
そして、会社に就職すると「事由書」を書くこともありますが、その場合にはまず起こってしまった事実を報告し、その次にその直接的な原因、つまり「事由」を書くと良いでしょう。
「理由」をもっと詳しく
理由とは、そうなった根拠のことです。これは事由より意味が広く、理由の意味の中に事由の意味も含まれています。
そして、事由が原因となった事実を表すことが多いのに対して、理由は意図や事情を指すことが多いでしょう。
例えば、「遅刻の理由」と言った場合には寝坊、電車の遅延などの事情を説明しますよね。
ちなみに、「由」が理由という熟語に使われているのにはきちんと理由があります。それは、「~による」の当て字に「由」が使われ、「~に由る」と表記されるようになったことです。
まとめ
以上、この記事では、「事由」と「理由」の違いについて解説しました。
- 事由:物事が起こる原因となった事実
- 理由:そうなった根拠
事由と理由は微妙に意味が違う言葉だったんですね。しかし、事由は日常会話で用いることはめったにないので、理由と同じような意味なのだ、とだけ覚えておけば大丈夫でしょう。