今回ご紹介する言葉は、心理学用語の「ブロークンウィンドウ理論」です。
言葉の意味・由来・提唱者・具体例・応用例についてわかりやすく解説します。
☆「ブロークウィンドウ理論」をざっくり言うと……
読み方 | ブロークンウィンドウ理論(ぶろーくんうぃんどうりろん) |
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意味 | 小さな不正を徹底的に正すことで、大きな不正を防ぐことができるという理論 |
提唱者 | 犯罪学者のジョージ・ケリング |
具体例 | ディズニーリゾート、ニューヨーク市のゼロトランス政策 |
応用例 | 学校の教室やオフィス |
このページの目次
「ブロークンウィンドウ理論」の意味をスッキリ理解!
「ブロークンウィンドウ理論」の意味を詳しく
「ブロークンウィンドウ理論」は、小さな不正を徹底的に正すことで、大きな不正を防ぐことができるという理論です。
「ブロークンウィンドウ理論」の根本は、小さな不正を許す環境が大きな不正を生むことにつながるという考えです。
以下に、小さな不正から大きな不正が起こるまでの流れをまとめました。
- 小さな不正を放置すると、その地域に不正を取り締まる人がいないというサインになり、不正が起こりやすい環境になる。
- 小さな不正が多発する。
- 住民らのモラルが低下して、治安維持に協力しなくなる。
- 凶悪なものも含めて、不正がさらに多発するようになる。
裏を返すと、小さな不正を取り締まることができれば、大きな不正を未然に防ぐと考えられます。これが「ブロークンウィンドウ理論」です。
「ブロークンウィンドウ理論」の由来・提唱者
「ブロークンウィンドウ理論」は、割れ窓理論、破れ窓理論、壊れ窓理論とも呼ばれます。
由来は名前の通りで、建物の窓が割れた状態で放置されていると、悪さが許されていることの証となってしまい、まもなくすべての窓が割られるという考え方からです。
提唱者は、犯罪学者のジョージ・ケリングです。心理学者フィリップ・ジンバルドの実験と、アメリカ警察財団の実験を踏まえて提唱されました。
ジンバルドは、「実名が表に出ずに責任が伴わない状況下では、犯罪などの非合理的行動を起こしやすくなり、周囲の人にその状態が広がる」という実験結果を発表しました。要するに、悪事を責め立てられない状況は、やりたい放題を許してしまうということです。
また、アメリカ警察財団の実験とは、警官の徒歩パトロールを増やすと住民が治安の向上を感じるというものです。つまり、不正を取り締まる環境を維持すれば、物騒な雰囲気が軽減するという結論が導かれます。
以上二つの実験は、小さな不正を許すことが更なる不正を生み、一方で不正をきちんと見張っていれば悪の入り込む隙は狭くなるということを示唆しています。
「ブロークンウィンドウ理論」の具体例
東京ディズニーリゾートを例に説明します。
訪れた経験のある方は、入場者のマナーが非常に良いことをご存知でしょう。これは「ブロークンウィンドウ理論」がはたらいているからだと言えます。
園内において、建造物の破損や道端のごみなどはほとんど見受けられません。このような小さな不正を取り締まっているため、入場者のマナーが向上していると考えられます。
また、ニューヨーク市の治安向上の事例を紹介します。
ニューヨーク市は1980年代頃、治安が悪化していました。1994年にジュリアーニ市長が「ブロークンウィンドウ理論」を実践し、ゼロトランス(不寛容)政策を施行しました。
政策の主な内容を以下にまとめました。
- 街頭パトロールを行う警官の増員
- 市内の落書きの清掃
- 地下鉄の無賃乗車の取り締まり
- 交通ルール違反の厳罰化
- ホームレスの保護施設への収容
「ブロークンウィンドウ理論」の応用例
「ブロークンウィンドウ理論」を身近に応用するには、どのような方法があるでしょうか?
今回は教室とオフィスについて、具体的な方法を列挙します。
- 机をまっすぐに並べる。
- 黒板にチョークの跡を残さない。
- 落ちているゴミを拾う。
- 机の上を常に綺麗にする。
- ゴミ箱にゴミをためない。
- 書類を整理する。
まとめ
以上、この記事では「ブロークンウィンドウ理論」について解説しました。
読み方 | ブロークンウィンドウ理論(ぶろーくんうぃんどうりろん) |
---|---|
意味 | 小さな不正を徹底的に正すことで、大きな不正を防ぐことができるという理論 |
提唱者 | 犯罪学者のジョージ・ケリング |
具体例 | ディズニーリゾート、ニューヨーク市のゼロトランス政策 |
応用例 | 学校の教室やオフィス |
「ブロークンウィンドウ理論」は、多くの場面で活用されている理論です。
小さな不正の取り締まりは大変ですが、大きな不正を防止できる有力な方法だとわかりました。
この機会に、身の回りの小さな不正を正してみてはいかがですか?