「冷徹」の意味とは?類語や英語や対義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「冷徹(れいてつ)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「冷徹」をざっくり言うと……

読み方冷徹(れいてつ)
意味感情に左右されず、落ち着いて物事を見通すこと
語源「冷」の「心が冷たい、落ち着いたさま」、「徹」の「通す、つらぬく」という意味から
類義語冷酷、冷血、冷静など
対義語温厚、温和、柔和など
英語訳hard-boiled(非情の、無情の)

「冷徹」の意味をスッキリ理解!

冷徹(れいてつ):感情に左右されず、落ち着いて物事を見通すこと

「冷徹」の意味を詳しく

「冷徹」は、感情に左右されず、落ち着いて物事を見通すことを表す熟語です。冷静さを保ったまま、問題や事柄を深く理解し、客観的な視点をもって判断できることを指します。

決断力があり、周囲に流されないようなイメージです。感情に流されたり、物事を表面的にしか理解していない人は、「冷徹」であるとはいえません。

「人情に欠ける、冷たい人」というネガティブな意味が強調されて使われることが多いですが、これは必ずしも正しいとはいえません。「冷徹」という言葉の「感情に左右されない」という意味合いを重く捉えすぎているからです。

特に、ビジネスや緊急時においては、「冷徹さ」が重要になります。社員のうち1人に重要な役職を任命する際に、自分の気分や好き嫌いで人を選ぶのは、好ましくありません。また、大地震が起こった際に動揺してしまうと、自らの命を危険にさらすことになります。

時に、「冷徹」がほめ言葉にもなることに、注意しましょう。

「冷徹」の使い方

  1. 事件の状況を踏まえ、被告人の刑罰の重さを決める裁判官は、冷徹な人間であるべきだ。
  2. 200人もの社員を解雇した社長は、冷徹すぎると社員から批判を浴びている。
  3. プラカードを掲げる庶民に対し、大統領は冷徹な目を向けた。
  4. ベテランジャーナリストの内閣に対する冷徹な批評は、多くの人の共感を呼んだ。

「冷徹な批評」「冷徹な判断」など、ある人の行動を修飾し、形容することが多いです。

➁の例文では、「人情に欠ける、冷たい人」であることを、「冷徹すぎる」と表現しています。「冷徹」のネガティブな意味が、色濃くでています。

一方、➃の例文では、「感情に左右されず、落ち着いて物事を見通すこと」を、「冷徹」と言い表しています。こちらは、物事を深く理解していることを表しており、批評をほめる意味合いです。

「冷徹」の語源

「冷」という字には、「心が冷たい、情がうすい」「落ち着いたさま」という意味があります。一方、「徹」という字には、「通す、つらぬく」という意味があります。

両者の意味が重なり、「冷徹」が「感情に左右されず、落ち着いて物事を見通すこと」を表すようになりました。

「冷徹」の類義語

「冷徹」には以下のような類義語があります。

  • 冷酷(れいこく):思いやりがなく、むごいこと
  • 冷血:人間らしいあたたかい心を持っていないこと
  • 冷静:感情に左右されず、落ち着いていること
  • 平静:気持ちが落ち着いていること
  • 沈着:落ち着いていて、物事に動じないこと

「冷酷」「冷血」は、「冷徹」の「感情に左右されない」という意味合いに近いです。ネガティブな文脈で使用します。

「冷静」には、冷徹のような「物事を見通し、深く理解する」という意味合いがありません。

「冷徹」の対義語

「冷徹」には以下のような対義語があります。

  • 温厚:人あたりがおだやかで、やさしいこと
  • 温和:大人しく、やさしいこと
  • 柔和(にゅうわ):性格や態度がやさしく、大人しいこと

「冷徹」の英語訳

「冷徹」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • hard-boiled
    (非情の、無情の)
  • cold
    (薄情な)
  • calm
    (冷静な、落ち着いた)
  • aplomb
    (落ち着き、冷静)

まとめ

以上、この記事では「冷徹」について解説しました。

読み方冷徹(れいてつ)
意味感情に左右されず、落ち着いて物事を見通すこと
語源「冷」の「心が冷たい、落ち着いたさま」、「徹」の「通す、つらぬく」という意味から
類義語冷酷、冷血、冷静など
対義語温厚、温和、柔和など
英語訳hard-boiled(非情の、無情の)

「冷徹」という熟語は、ネガティブな文脈でのみ使われる表現ではありません。「冷静さを保ったまま、問題や事柄を深く理解し、客観的な視点をもって判断する」という意味合いがあるので、状況によってはほめ言葉にもなり得ます。

実は幅広い場面で使用できる言葉です。意味を正確に理解し、適切な場面で使えるようにしましょう。