「成算」の意味とは?使い方から類義語まで例文付きでわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「成算(せいさん)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「成算」の意味をスッキリ理解!

成算(せいさん):物事をうまくやりとげるという見込み

「成算」の意味を詳しく

「成算」は、物事をうまくやりとげるという見込みを表す熟語です。進めている物事が成功したり、計画が期待通りの成果をだしたりする見通しのことを指します。

「成算」の同音異義語である、「清算」「精算」の意味は、以下の通りです。

「清算」の意味を詳しく

「清算」は、お金の貸し借りを計算し、支払いを済ませることを表す熟語です。

また、「法人が解散した際、後始末として財産関係を整理すること」「抱えている望ましくない事柄・関係を、はっきりと終わらせること」という意味もあります。

たとえば、「友人から借りていた借金を清算する」といった使い方ができます。

「精算」の意味を詳しく

「精算」とは、金額などを細かく計算することを表す熟語です。精密に料金を計算しなおすような場面で使用します。

たとえば、「バスの運賃を精算する」といった使い方ができます。

「成算」の使い方

  1. 私には、この会社の売り上げを1年で2倍にする成算がある。
  2. 日本卓球界のエース選手でも、圧倒的実力を誇る中国のトップ選手に勝つ成算が立たない。
  3. 私は、どんなに数学が苦手な子どもでも、テストで60点以上をとらせる成算を持っている。
  4. 警備がきびしい刑務所から脱走したものの、逃げ切れる成算はまったくなかった。
  5. 将棋において、定石から成算なく外れることは負けにつながる。

上記の例文では、「物事をうまくやりとげるという見込み」という意味で、「成算」を使用しています。

➀の例文では、会社の売り上げを2倍にする計画があることを、「成算がある」と表現しています。

➁の例文では、日本で活躍する選手でも、中国選手に勝つことが難しいということを、「成算が立たない」と言い表しています。

 

➂の例文では、数学が苦手な子どもでも、テストで高い点数をとらせる教育法があることを、「成算を持っている」と表現しています。

➃の例文では、警察官から逃げきり、行方をくらます見通しがないことを、「成算がない」と言い表しています。

➄の例文のように、将棋の解説記事で、「成算」は時折用いられます。ちなみに、「定石」とは、昔から研究されており、最善であるとされている決まった打ち方のことです。

「成算」の語源

「成」という字には、「なす・なしとげる」という意味があります。「成功」「達成」といった熟語は、この意味が色濃く反映されています。

一方、「算」という字には、「はかる・もくろみ」という意味があります。

両者の意味が組み合わさり、「成算」が「物事をうまくやりとげるという見込み」を表すようになりました。

「成算」の類義語

「成算」には以下のような類義語があります。

  • 勝ち目:勝つ見込み
  • 勝算:相手に勝てる見込み

「勝ち目」は、「賭け事において、勝ちとなるサイコロの目」という意味もあります。

「成算」の英語訳

「成算」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • chances of success
    (成功の可能性)
  • chance of winning
    (勝つ可能性がある)

上記の英文は、 “have” と組み合わせて使います。

“have little chance of winning”で「勝ち目がほとんどない」、“have a fifty-fifty chance of winning”で「勝ち目が50%である」という意味になります。

まとめ

以上、この記事では「成算」について解説しました。

読み方成算(せいさん)
意味物事をうまくやりとげるという見込み
語源「成」の「なす・なしとげる」、「算」の「はかる・もくろみ」という意味から
類義語勝ち目、勝算など
英語訳chances of success(成功の可能性)

「成算」「精算」「清算」はまぎらわしいですが、意味は大きく異なります。適切な場面で正しく表現できるようにしましょう。