今回ご紹介する言葉は、心理学用語の「ヴェブレン効果(ヴぇぶれんこうか)」です。
言葉の意味、具体例、提唱者、由来、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「ヴェブレン効果」をざっくり言うと……
読み方 | ヴェブレン効果(ヴぇぶれんこうか) |
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意味 | 商品の価格が高い場合、それを手に入れること自体に特別な消費意識・欲求が生まれること |
提唱者 | アメリカの理論経済学者ハーヴェイ・ライベンシュタイン |
由来 | 「見せびらかしの消費があること」を主張した社会学者ヴェブレン |
英語訳 | Veblen Effect(ウェブレン効果) |
このページの目次
「ヴェブレン効果」の意味をスッキリ理解!
「ヴェブレン効果」の意味を詳しく
「ヴェブレン効果」とは、商品の価格が高い場合、それを手に入れること自体に特別な消費意識・欲求が生まれることです。
通常、物やサービスの価格が上がるほど需要は少なくなっていきます。しかし、「顕示的消費」が行われるときには価格が上昇すると、需要も増加していきます。
「顕示的消費」とは、いわゆる「みせびらかし」のための消費のことです。「ブランド物を購入すること、持つこと」自体に価値を見出している場合に現れます。
また、単純に「価格が高い」ということだけでなく、「高級感」や「希少性」も需要を増加させる一因になっています。
「ヴェブレン効果」の具体例
「ヴェブレン効果」を理解するのにもっともわかりやすい例は、高級ブランドの商品です。
高級ブランドの商品を買うこと、集めることが趣味の人も多いです。
この場合、同じ商品だったとしても非常に安く売っていたり、高級ブランドの商品として売られていなかったりすれば意味がないのです。
価格の高いブランドの商品を買うこと自体に特別な価値が生まれているからです。
また、これらの商品を「自慢したい」という気持ちが深く関係します。
ハイブランドの財布やバッグには、ブランドロゴが大きく書かれていたり、ロゴでぎっしりと埋まっている場合が多いです。これは「自慢したい」という欲求に合うデザインになっています。
「ヴェブレン効果」の提唱者
「ヴェブレン効果」は、アメリカの理論経済学者ハーヴェイ・ライベンシュタインが提唱したものです。
1950年の論文「消費者需要理論におけるバンドワゴン効果、スノッブ効果、及びヴェブレン効果」で発表されました。
「ヴェブレン効果」の由来
「ヴェブレン」という名前の由来は別の学者の名前に由来しています。
1899年に、アメリカの経済学者・社会学者のヴェブレンが「有閑階級(ゆうかんかいきゅう)の理論」という本を書きました。
ヴェブレンは、この時代の「有閑階級」の人々がいわゆる「目立つため」「人に見せびらかすため」のために高額な商品をあえて購入していると主張しました。
そしてこの現象を「衒示的消費(げんじてきしょうひ)」と呼びました。
ここから彼の名前をとって「ヴェブレン効果」と呼ばれています。
ちなみに、「有閑階級」とは、「財産を持っているため生産的労働に従事することなく、娯楽や社交などに時間やお金を費やして生活しているような階級の人のこと」を指します。
論文が発表された1899年のアメリカはゴールドラッシュの時代でした。
ゴールドラッシュとは、新しく金が発見された地へ、金脈を探し当てて一攫千金を狙う採掘者が殺到するというムーブメントのことです。
「ヴェブレン効果」の英語訳
「ヴェブレン効果」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Veblen Effect
(ヴェブレン効果)
まとめ
以上、この記事では「ヴェブレン効果」について解説しました。
読み方 | ヴェブレン効果(ヴぇぶれんこうか) |
---|---|
意味 | 商品の価格が高い場合、それを手に入れること自体に特別な消費意識・欲求が生まれること |
提唱者 | アメリカの理論経済学者ハーヴェイ・ライベンシュタイン |
由来 | 「見せびらかしの消費があること」を主張した社会学者ヴェブレン |
英語訳 | Veblen Effect(ウェブレン効果) |
「ヴェブレン効果」が自分にも当てはまると感じた人もいるのではないでしょうか。意味や成り立ちをしっかりと理解しておきましょう。