「欠席裁判」の意味とは?使い方から英語や類義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「欠席裁判(けっせきさいばん)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「欠席裁判」をざっくり言うと……

読み方欠席裁判(けっせきさいばん)
意味本人がいない場でその人とって不利になる事柄を決めてしまうことや、その人の陰口を言うこと
類義語欠席判決
英語訳judgement by default, be tried by one’s absence

「欠席裁判」の意味をスッキリ理解!

欠席裁判(けっせきさいばん):当人のいない場で、その人に関することを話したり決めたりすること。

「欠席裁判」の意味を詳しく

欠席裁判とは、もともとは事件の当事者や代理人が法廷に出廷しないまま行われる審理・裁判を指す裁判用語でした。そうすると、欠席した人の意見が考慮されずに裁判が進んでしまうことになります。

結果として、出席した人の意見だけが通り、欠席した人にとって不利な判決が出てしまう可能性があります。こうした不公平な判決が出ることがないよう、欠席裁判は原則として法律で禁止されています。

そこから転じて、現在では裁判だけに限らず、本人がいない場でその人とって不利になる事柄を決めてしまうことや、その人の悪口を言うことを指す比喩表現として使われることが多いです。

「欠席裁判」の使い方

  1. A君は欠席裁判で学級委員長を押し付けられてしまった。
  2. 予算案を欠席裁判で決めるわけにはいかないので、会議には必ず全員が参加するようにしてください。
  3. 本人がいないのをいいことに、先日の飲み会はB君の悪口を言う欠席裁判となっていた。

①は、A君のいない話し合いの場で、勝手に彼を学級委員長に任命したという状況です。皆があまり学級委員長をやりたがっていないということも読み取ることができます。

②では、予算案という大事な案を全員の意見を聞いて決めるべく、会議に出席するよう注意を促している様子が述べられています。

③は、B君が参加していない飲み会で彼の悪口が言われているという状況です。面と向かっては言えないようなことでも、本人がいない場では言いやすくなっていたのでしょう。

 

以上の例文から、欠席裁判という言葉はあらゆる日常的な場面で使うことができ、とても汎用性が高いということがわかりますね。ぜひ皆さんも使ってみてください。

「欠席裁判」の類義語

欠席裁判の類義語として「欠席判決」が挙げられます。欠席判決とは、欠席裁判を経て導き出された結論のことを指します。

欠席判決を使った例文は以下の通りです。

例文
先日の会議に参加していなかったCさんは、議長に任命されたという欠席判決を聞いて激しく動揺した。

欠席裁判とほとんど同じ意味の言葉です。意味の違いは細かいですが、しっかりと違いに気を付けて使いたいですね。

「欠席裁判」の英語訳

欠席裁判を英語に訳すと、次のような表現になります。

  1. judgement  by default
    (欠席裁判)
  2. be tried in one’s absence
    (〇〇がいない時に裁かれる)

最も直訳に近いのが①の judgement by default です。法律用語であるため、日常で使う機会は少ないかもしれません。”default” が「欠席・欠場」を指す単語です。テニスなどでも、選手による試合の棄権のことを”default”と言います。

少しこなれた言い方にした訳が②です。実は “try” には「事件などを裁く・裁判をする」という意味もあります。そして “absence” が「欠席」という意味を表す単語です。

まとめ

以上、この記事では「欠席裁判」について解説しました。

読み方欠席裁判(けっせきさいばん)
意味本人がいない場でその人とって不利になる事柄を決めてしまうことや、その人の陰口を言うこと
類義語欠席判決
英語訳judgement by default, be tried by one’s absence

「欠席裁判」は、もともと法律用語であったもの転じて日常のシーンでも使われるようになった言葉です。

当人のいない状況での取り決めや非難は「欠席裁判」と表現できます。ぜひ覚えてみてください。