今回ご紹介する言葉は、熟語の「困憊(こんぱい)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳について分かりやすく解説します。
☆「困憊」をざっくり言うと……
読み方 | 困憊(こんぱい) |
---|---|
意味 | 疲れ果てること |
語源 | 「困」の「苦しむ」「きわまる」、「憊」の「疲れきる」という意味から |
類義語 | 困殆、疲弊、精疲力尽など |
対義語 | 元気溌剌、生気溌剌など |
英語訳 | dead tired(完全に疲れきっている) |
「困憊」の意味をスッキリ理解!
「困憊」の意味を詳しく
「困憊」は、疲れ果てることを意味する熟語です。体が思うように動かないほど、ひどく疲れがたまり、弱っている様子を表します。
肉体的疲労・精神的疲労の両方を、言い表すことができます。
「疲労困憊」という表現で使用されることが多いです。
「疲労困憊」の意味を詳しく
「疲労困憊」は、ひどく疲れ、苦しんでいる様子を意味する四字熟語です。
「疲労」も、「困憊」と同じく疲れ果てることを意味します。同じ意味の熟語が重なることで、「疲れ果てる」という意味合いが強まっています。
こちらも肉体的疲労・精神的疲労の両方を、言い表すことができます。
「困憊」の使い方
- 彼は丸2日間働き続けた末、疲労困憊で倒れてしまった。
- 上司に怒られながら、徹夜で仕事をしていた彼は、身も心も困憊しきっていた。
- 避難所でうずくまっていた男性の表情からは、ひどい困憊がうかがえた。
➀の例文では、長時間働き続け、疲労で弱りきった様子を「疲労困憊」と言い表しています。このように「疲労」という言葉と組み合わせて使う場合が多いです。
➁の例文では、徹夜で働き続けたことにより、精神的にも肉体的にも疲れきっているさまを「困憊」と表現しています。
➂の例文でも、「疲れきっている」という意味で、「困憊」を使用しています。
「困憊」の語源
「困」という字には、「困る」の他に、「苦しむ」「きわまる」という意味があります。一方、「憊」という字には、「疲れきる」「弱りきる」という意味があります。
両者の意味が重なり、「困憊」が「疲れ果てること」を表すようになりました。
「困憊」の類義語
「困憊」には以下のような類義語があります。
- 困殆(こんたい):苦しみ疲れること
- 困弊(こんぺい):苦しみ疲れること
- 疲弊(ひへい):ひどく疲れ、弱ること
- 精疲力尽(せいひりきじん):ひどく疲れ、弱ること
「困憊」の対義語
「困憊」には以下のような対義語があります。
- 元気溌剌(げんきはつらつ):生命力に満ち、元気であるさま
- 生気潑剌(せいきはつらつ):生き生きとして、元気に満ちあふれているさま
「困憊」の英語訳
「困憊」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- tired
(疲れた) - dead tired
(完全に疲れきっている) - tired out
(疲れきっている) - exhausted
(疲れきった) - weary
(疲れた) - bushed
(へとへとに疲れた) - dead bushed
(死ぬほど疲れた) - pooped out
(へとへとに疲れている) - knackered
(へとへとに疲れた)
“dead”は「死んでいる」という意味が有名ですが、「完全に、完璧に」という意味の副詞として使うことができます。 “dead tired” “dead bushed”のように使うことで、「極限まで疲れた」という意味合いになります。
まとめ
以上、この記事では「困憊」について解説しました。
読み方 | 困憊(こんぱい) |
---|---|
意味 | 疲れ果てること |
語源 | 「困」の「苦しむ」「きわまる」、「憊」の「疲れきる」という意味から |
類義語 | 困殆、疲弊、精疲力尽など |
対義語 | 元気溌剌、生気溌剌など |
英語訳 | dead tired(完全に疲れきっている) |
誰しも、身も心も疲れ果て、困憊してしまうことがあるでしょう。特に予定を詰めてしまう人や、仕事が忙しい人にとっては、なじみのある言葉かもしれません。
「疲労困憊」という四字熟語の形で使うことが非常に多いですが、例文のように「困憊」単体で使うこともあります。どちらの意味もおさえておくと同時に、漢字表記でも正確に読めるようにしましょう。