「時期」と「時季」と「時機」の違いとは?使い分けまでわかりやすく

違いのギモン

「じきが早い」「桜のじき」「ついにじきがやってきた」など時やタイミングを表す言葉は色々ありますが、どのような漢字を書くでしょうか? 正解はそれぞれ、「時期が早い」「桜の時季」「ついに時機がやってきた」です。

ところで、皆さんは “じき” と読むこの3つの言葉「時期」「時季」「時機」の意味の違いがわかりますか?

今回は、読み方が同じでも意味が異なる「時期」「時季」「時機」の違いについて解説します。

☆「時期」「時季」「時機」の違いをざっくり言うと……

意味英語
時期ある一定の期間time
時季盛んな季節season
時機適当な機会chance

結論:時期は期間、時季は季節、時機はチャンス

「時期」はある一定の期間、「時季」はあることが盛んに行われる季節、「時機」は適当な機会です。

「時期」の定義と使い方


「時期」とは、ある一定の期間という意味です。また季節という意味もあります。英語では “time” “period” “season” という単語が当てはまります。

「時期」の使い方の例

「時期」の例文は以下のとおりです。

  1. 今年も年末調整の時期が来た。
  2. 彼女も時期が来れば分かるだろう。
  3. 難しい時期に差し掛かった。
このように、「時期」はある時や期間を表現するときに幅広く使い、汎用性が高いです。「発売時期」「公開時期」「開催時期」など複合語としても使います。

「時季」の定義と使い方


「時季」とは、あることが盛んに行われる季節という意味です。英語では “season” と言います。

「時季」の使い方の例

「時季」の例文は以下のとおりです。

  1. 今年も花見の時季がやってきた。
  2. 時季外れの台風が迫っている。
  3. この料亭では時季の野菜をふんだんに使っている。
このように、「時季」は四季折々の自然の風物と結びついて意識され、季節を連想できるものと一緒に使います。「季節」という言葉で置きかえられるのが特徴です。

「時機」の定義と使い方


「時機」とは、適当な機会という意味です。英語では “chance” “opportunity” という単語が当てはまります。「機」という漢字は兆(きざ)しやきっかけという意味があります。

「時機」の使い方の例

「時機」の例文は以下のとおりです。

  1. この時機を逃すわけにはいかない。
  2. 時機に乗じて投資する。
  3. 市場拡大の時機をうかがう。
このように、「時機」は最適な時、チャンスと置きかえられます。

「時期」「時季」「時機」の使い分け


「時期」「時季」「時機」はいずれも「じき」と読む同音異義語です。期間の「期」、季節の「季」、機会の「機」、それぞれの漢字の意味を考えると覚えやすいでしょう。また、英語の “time” “season” “chance” という言葉で置きかえてもいいでしょう。

まぎらわしい「時期」と「時機」

「時期」と「時季」は3つの中でもまぎらわしい組み合わせです。以下のような例文を考えてみましょう。

◯ 3月は卒業の時期だ。
✕ 3月は卒業の時季だ。
春は卒業のシーズンですが、上の文では卒業を行う期間について言及しているので、「時季」という言葉は適していません。

◯ 寒い時期になりました。
△ 寒い時季になりました。
季節を強調したいのであれば「時季」も使えますが、普通は一定の期間を表すため「時期」を使います。

「時期」と「時機」の使い分け

また、「時期」と「時機」にはよく使われる以下の四字熟語があります。

  • 時期尚早(じきしょうそう):何かをするにはまだ早すぎること、それを行う時期にはまだなっていないこと
  • 時機到来(じきとうらい):ちょうどよい機会が巡ってくること
「尚早(しょうそう)」とは、早すぎるという意味の熟語です。
◯時期尚早 ✕時機尚早
◯時機到来 ✕時期到来
「時期尚早」と「時機到来」は全く逆の意味です。漢字は置きかえることができませんので注意しましょう。

まとめ

以上、この記事では、「時期」「時季」「時機」の違いについて解説しました。

意味英語
時期ある一定の期間time
時季盛んな季節season
時機適当な機会chance

パソコンやスマートフォンで簡単に文字を変換できるからこそ、言葉の意味を理解して漢字を間違えないように使い分けていきたいですね。