「漸次」の意味とは?使い方から英語や対義語や類義語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「漸次(ぜんじ)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳について分かりやすく解説します。

☆「漸次」をざっくり言うと……

読み方漸次(ぜんじ)
意味だんだんと変化すること
類義語徐々に、次第に、だんだんなど
対義語即時、一挙に、急激になど
英語訳gradually(徐々に)

「漸次」の意味をスッキリ理解!

漸次(ぜんじ):だんだんと変化すること

「漸次」の意味を詳しく

「漸次」は、徐々に物事に変化が現れることを指す言葉です。

 

「漸次」は「漸」という字と「次」という字でできた熟語です。

「漸」は、訓読みで「漸く(ようやく)」と読まれ、長い間実現しなかったことが、待ち望んだ末に実現するさまや、物事が時間をかけて変化するさまを表します。

「漸く」はもともとは、副詞の「やや」に副詞語尾「く」がついた「ややく」が転じて生まれた言葉だとされています。そこから「だんだんと」という意味が生じています。

また、「次」には「順序」という意味があります。そのため、「漸」という字との結びつきにより、時間による変化が表現されるのです。

 

音が似ているため、「暫時(ざんじ)」と非常に混同されやすいです。

「暫時」の「暫」には、「暫く(しばらく)」という意味があり、「時」と結びつくことで「しばらくの間」という意味を生じます。

「漸次」が緩やかな変化を表すのに対し、「暫時」はまだ変化していない時間のことを表します。

「暫時」の「時」と「漸次」の「次」も書き違えることが多いため、注意が必要です。

「漸次」の使い方

  1. 時代の変化に合わせ、その商品の売り上げは漸次減少傾向にある。
  2. その計画については、漸次修正をしております。

上記の例文のように、「漸次」は行為の結果であるかどうかにかかわらず、緩やかな変化を生じている場面で使用されます。

①の例文では、「時代の変化」という自然な変化を背景として、商品が緩やかに売り上げを落としつつあるさまを「漸次」という言葉で表現しています。

それに対して②の例文では、「修正」しているのは人であり、自然な変化ではなく人為的な変化について「漸次」という表現を使っています。

「漸次」の類義語

漸次には以下のような類義語があります。

  • 徐々に
  • 次第に
  • だんだん

「漸次」の対義語

漸次には以下のような対義語があります。

  • 即時:すぐさま
  • 一挙に:いっぺんに変化すること
  • 急激に:一気に大きく変化すること

単に瞬間的な変化を表す場合には「即時」、瞬間的なうえに変化の度合いが大きい場合は「一挙に」や「急激に」などといった言葉を使用するのがよいでしょう。

「漸次」の英語訳

漸次を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • gradually
    (徐々に)
  • step by step
    (段階的に)
  • little by little
    (少しずつ)

「漸次」を表す英語表現には、”gradually”や”step by step”などさまざまなものがあります。

“gradually”はじわじわと、変化が長期に渡ってゆっくり起こることを指します。

“step by step”や”little by little”も似たニュアンスを持ちます。

“step by step”が「段階的」という、それぞれの段階を踏んで変化するという印象を与える言葉であるのに対し、”little by little”は特定の段階に限らず、単に少しずつ変化していく様子を表します。

どのような変化を表したいのかによって使い分けるとよいでしょう。

まとめ

以上、この記事では「漸次」について解説しました。

読み方漸次(ぜんじ)
意味だんだんと変化すること
類義語徐々に、次第に、だんだんなど
対義語即時、一挙に、急激になど
英語訳gradually(徐々に)

「漸次」は「暫時」と間違われやすく、読み間違いも意味の勘違いも多く発生する言葉ですが、一方でビジネスシーンなどで重要になる言葉でもあります。正しく覚え、混同せず使えるようにしましょう。