「似ている言葉」ってたくさんありますよね。字面が似ていて、意味も一緒だと思って気にせずに使っていたけれど、実は違う意味だった、なんてこともあるでしょう。
「宅急便」も「宅配便」も人へモノを届けるサービスのことを指して使われる言葉ですが、両者の違いとはいったい何なのでしょう。この記事では、意味の違いがわかりにくい言葉、「宅配便」と「宅配便」の違いについて解説します。
結論:「宅急便」はヤマト運輸、「宅配便」は宅配事業全般
一方で、「宅配便」は宅配事業全般を指します。
「宅急便」をもっと詳しく
「宅急便」はヤマト運輸が商標登録した独自の言葉です。つまり、ヤマト運輸以外の宅配事業会社は「宅急便」という言葉を使ってはいけません。
ヤマト運輸が提供している、「宅急便」のサービスは、一般的に言う「宅配便」のサービスと同じで、個人や会社に荷物を届けるサービスのことを指します。
そのため、「宅急便」なのか「宅配便」なのかわからないというときには、ヤマト運輸のサービス(クロネコヤマト)は「宅急便」であると覚えておくと良いでしょう。
「宅配便」をもっと詳しく
「宅配便」は、依頼された荷物を指定された場所まで届けるサービスのことを言います。つまり、宅配事業会社が行っている宅配サービスのことを総称して「宅配便」と表現します。
「宅配便」という言葉にはもちろんヤマト運輸の宅配サービスのことも含まれていますので、「宅急便」なのか「宅配便」なのかわからなくなった場合には「宅配便」のほうを使うようにしましょう。
ジブリ映画「魔女の宅急便」での「宅急便」の使用について
先ほど、「宅急便」という言葉は、ヤマト運輸株式会社が商標登録している言葉であると説明しました。商標登録ということは、ほかの運送会社だけでなく、あらゆる企業が使用してはいけない言葉ということになります。
では、ヤマト運輸株式会社のみが使用を許されているはずの「宅急便」という言葉を、どうしてジブリの映画のタイトルとして使うことができたのでしょうか。
上記の問題は、ヤマト運輸株式会社が映画「魔女の宅急便」のスポンサーになることで解決しました。
そもそも「魔女の宅急便」の原作は児童向けの小説として映画公開より以前から販売されており、そのときもタイトルは「魔女の宅急便」でした。
作者や出版社は、「宅急便」という言葉がヤマト運輸が商標登録している言葉だとは知りませんでしたが、本や映画は法律上商標登録の対象ではないため、ヤマト運輸側も特に忠告することはありませんでした。
ただ、映画公開間近になった時、ヤマト運輸はジブリ側に「宅急便」という言葉が自社の商標登録している言葉だと伝えました。そこでヤマト運輸は、映画のタイトルを変えさせるのではなく、映画のスポンサーになることで、人気の高いジブリ映画を宣伝に使う策に出たと言われています。
映画「魔女の宅急便」は、それまでのジブリ作品の中でもとても高い人気を誇りました。この結果、「宅急便」という言葉を世間により浸透させることができたため、ヤマト運輸にも絶大な宣伝効果があったのではないでしょうか。
まとめ
以上、この記事では、「宅急便」と「宅配便」の違いについて解説しました。
- 宅急便:ヤマト運輸の宅配事業サービスの名称
- 宅配便:宅配事業会社が行っている宅配サービスの総称