ニュースや天気予報を見ていて、「最大風速」と「最大瞬間風速」といった表現をよく耳にしますよね。
この2つには、どのような違いがあるかご存知ですか。この記事では、「最大風速」と「最大瞬間風速」の違いについて解説します。
結論:「最大風速」と「最大瞬間風速」は単位時間が違う
一方、「最大瞬間風速」とは、瞬間風速の最大値のことを指します。
「最大風速」をもっと詳しく
「最大風速」とは、(平均)風速の最大値を意味します。
風速は、一定時間あたりにどのくらいの速さの風が吹いたかを示す指標です。一般に風速と言う場合は、地上10mの地点で測った、10分間における平均風速(風速の平均値)のことを指しています。
つまり、「最大風速」とは、10分間における平均風速をいくつか並べた時、その中の最大値のことです。
「最大風速」の使い方の例
そもそも、風速は、毎秒〇〇m、〇〇m/s、もしくは kt ・kn(ノット)で表します。
「最大風速」は「風速」の平均値の最大の風速を意味するため、数時間や1日単位で考えることがほとんどです。
例として、以下のような使い方があります。
- 10月2日の最大風速は毎秒〇〇mです。
- 17時までの最大風速は〇〇m/sです。
①の「最大風速」は、10月2日の 0:00から23:59 までの間で、10分間ごとに測った平均風速の中の最大値を意味します。
②では、17:00までの10分間ごとの平均風速を割り出し、その中の最大値を最大風速としています。
「最大瞬間風速」をもっと詳しく
最大瞬間風速とは、瞬間風速の最大値のことです。
そもそも、瞬間風速とは、0.25秒間隔で測定される風速計の値を、3秒間で平均した値のことを指します。つまり、測定値12個の平均値が瞬間風速ということになります。
よく、「最大瞬間風速」を瞬間最大風速と言う人がいますが、これは間違いです。
最大瞬間風速と瞬間最大風速は字面が似ていますが、後者は正しくないため注意してくださいね。
「最大瞬間風速」の使い方の例
「最大瞬間風速」も、風速と同じように毎秒〇〇m、または〇〇m/sで表します。
例として、以下のような使い方があります。
普通、最大瞬間風速は最大風速のおよそ1.5倍の速度と言われています。平均風速が10分間を分母とするのに対して、瞬間風速はより短い3分間が測定時間のため、後者の方が値が大きくなるのですね。
ちなみに、これまで日本で記録された最大瞬間風速の1位は、1966年9月に宮古島で観測された 85.3m/s です。
「最大風速」と「最大瞬間風速」の英語訳の違い
「最大風速」と「最大瞬間風速」は指している内容が異なるため、当然英語訳にも違いが出てきます。
「最大風速」は、英語で the maximum wind velocity と表現します。一般に、風速(wind velocity)は10分間における平均風速を指すため、わざわざ「10分間における平均風速の最大値」などと細かく表現しません。
一方、「最大瞬間風速」は、the maximum instantaneous wind velocity と表現します。instantaneous は、「瞬時の」という意味の英単語です。
まとめ
以上、この記事では、「最大風速」と「最大瞬間風速」の違いについて解説しました。
- 最大風速:10分間の風速の平均値の中で最大の風速のこと。
- 最大瞬間風速:瞬間風速の最大値のこと。
これでもう、ニュースや天気予報で「最大風速」や「最大瞬間風速」と聞いても、これらの違いに悩むことはありませんね。くれぐれも、「最大瞬間風速」のことを瞬間最大風速と言い間違えないように注意してくださいね。