寒い時期になると恋しくなるのが、「豚汁」や「けんちん汁」といった温かい汁物ですよね。
どちらも日本では、お馴染みの汁物ですが、違いがイマイチわからないという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は「豚汁」と「けんちん汁」の違いをわかりやすく解説します。
結論:使われている具材と調理方法が異なる
「けんちん汁」は肉や動物製品を含まず、具材を炒めてから煮込む汁物です。
「豚汁」をもっと詳しく
「豚汁」は、その名の通り、豚肉が使用された味噌汁です。
豚肉はバラ肉が使われることが多く、それ以外には、ごぼうや大根、人参、里芋といった根菜が使われます。使う食材は、地域や家庭ごとに異なり、こんにゃくや油揚げ、ネギ、豆腐、白菜、キノコ類が含まれることもあります。
豚汁を作る工程に、炒める作業はなく、アクを取りながら煮込んでいくのも特徴の一つです。
ちなみに、豚汁を関東では「とんじる」、関西や東北、九州の一部では「ぶたじる」と呼ぶことが多いです。
「けんちん汁」をもっと詳しく
「けんちん汁」は、肉や動物製品を使わない精進料理にも含まれる汁物です。醤油ベースの味付けが多く、すまし汁の1種とも言われています。
けんちん汁は、根菜などの野菜をごま油で炒めてから煮込んで作られます。また、精進料理のため、カツオダシは使用せず、しいたけや昆布からダシをとるのも特徴です。具材は、ごぼうや人参、大根、里芋、こんにゃく、ネギ、豆腐など豚汁に使用される野菜と変わりありません。
けんちん汁の由来は2つあります。1つ目は、鎌倉にある禅寺としても知られる建長寺が発祥という説です。建長寺のお坊さんによってつくられた汁物だったため、建長寺(けんちょうじ)の汁→建長(けんちん)の汁→けんちん汁になったと言われています。
2つ目は、中国の巻繊(けんちん)という精進料理がもとになったという説です。巻繊とは、せん切りの野菜や豆腐を炒め、湯葉や油揚げに包んで、煮たり、揚げたりする料理です。その後、巻繊は徐々に野菜と豆腐を炒めて、あんかけ状にしたものに変化し、それが現在のけんちん汁になったとも言われています。
現在は、けんちん汁に味噌で味付けをする場合や肉を入れる場合もあり、豚汁との違いがなくなってきています。
まとめ
以上、この記事では、「豚汁」と「けんちん汁」の違いについて解説しました。
- 豚汁:野菜を煮込んで作られる、味噌ベースの汁物
- けんちん汁:野菜を油で炒めてから煮込んで作られる、醤油ベースの汁物
また、どちらも具だくさんな汁物のため、おかずとして食卓に出してもいいですよね。
お好みに合わせて「豚汁」や「けんちん汁」をつくってみてはいかがでしょうか?