食生活を送る上では欠かせないお米。ただ、お米と一口に言っても様々なものがあります。その中で、今回は「玄米」と「白米」について取り上げてみます。何となく玄米には健康な感じが漂うと感じる方が多いかもしれませんが、両者の違いをきちんと知っていますでしょうか。
それでは、「玄米」と「白米」の 7つの違いについて解説します。
☆「玄米」「白米」の違いをざっくり言うと……
玄米 | 白米 | |
---|---|---|
米の状態 | 籾から籾殻を取った状態 | 玄米から糠と胚芽を取り除いた状態 |
炊く時間 | 90~120 分 | 30~60 分 |
味や食感 | 硬い よく噛むとほのかに甘い。 | 柔らかい 甘い |
栄養素 | ビタミン、ミネラル、 食物繊維などが豊富 | 玄米に比べて乏しい |
カロリー | 350kcal/100g | 356kcal/100g |
値段 | 600~1000 円 | 400~500 円 |
このページの目次
「玄米」と「白米」の 7つの違い
【1】米の状態の違い
「玄米」は、収穫した稲の果実である籾(もみ)の籾殻を取った状態のものです。籾殻とは、籾を構成する最も外側の殻のことです。玄米は胚芽と、糠(ぬか)という皮によって構成されており、色は茶色です。
一方、「白米」は、玄米の糠と胚芽を取り除き、胚に栄養分を送る役割を持つ胚乳のみにしたものです。玄米と違って色は白いです。また、玄米を白米にすることを精米と言います。
【2】水に漬ける時間
「玄米」は、白米に比べて水に浸す時間が長く、最低でも 5時間と言われています。白米に比べて外皮が多い分、食感を程よくするのに時間がかかるためです。また、24時間以上水に浸すと、胚芽が発芽に向かうことで味が変化する発芽玄米というものもあります。
「白米」は、30~60 分くらい水に漬けることが普通です。糠の層がない分、玄米よりも水分を吸収しやすいため、玄米よりも白米の方が水に漬ける時間が短くなります。
【3】炊く時間の違い
「玄米」は、90~120 分ほどで炊けます。糠層が多い分、白米よりも時間がかかります。
「白米」は、30~60 分ほどで炊けます。玄米に比べて時間は短くなります。
【4】味や食感の違い
「玄米」は、米粒が硬めでぱさぱさしています。よく噛んで食べる必要がありますが、よく噛むうちにほのかに甘い味がします。これは、玄米中にあるでんぷんという要素が唾液に含まれる酵素によって糖に分解されるためです。
また、よく噛んで食べることで消化吸収が良くなり、満腹中枢が刺激されて過剰摂取を抑制することに繋がります。満腹中枢とは、体内にある、満腹感を起こさせる情報発信減のことです。そのことがダイエットにつながることから「玄米」は健康食品と言われます。
「白米」は玄米に比べてもちもちしていて、また糠層がない分甘みを早く感じます。
【5】栄養素の違い
「玄米」は、「白米」に比べて栄養素が豊富です。疲労回復や動脈硬化の予防をするビタミンや丈夫な体を作るミネラルが多く含まれています。
また、「玄米」には食物繊維が「白米」に比べて 6倍ほど含まれています。食物繊維は塗油ない環境を整える作用を持ちます。こうした栄養素の効果からも、「玄米」には健康的なイメージが抱かれています。
【6】カロリーの違い
100g 中のカロリーは、「玄米」が 350kcal、「白米」が 356kcal とほとんど変わりません。
【7】値段の違い
「玄米」は 1kg あたり 600~1000 円程度、「白米」は 1kgあたり 400~500 円程度が相場です。ただ、ブランド品の場合はこの限りではありません。
一般に「玄米」の方が価格が高くつくのは、食べやすい「白米」に比べて需要が少ないことや、より作成に手間がかかることが挙げられます。米を作る際、農薬をよく用いますが、玄米の場合は糠の部分に農薬が残留しやすいことから、農薬使用の削減という努力がなされています。
玄米を白米にする精米作業よりも、農薬使用量を減らす努力の方が手間がかかるために、「玄米」の価格は高くなってしまうようです。
まとめ
以上、この記事では、「玄米」と「白米」の 7つの違いについて解説しました。
玄米 | 白米 | |
---|---|---|
米の状態 | 籾から籾殻を取った状態 | 玄米から糠と胚芽を取り除いた状態 |
炊く時間 | 90~120 分 | 30~60 分 |
味や食感 | 硬い よく噛むとほのかに甘い。 | 柔らかい 甘い |
栄養素 | ビタミン、ミネラル、 食物繊維などが豊富 | 玄米に比べて乏しい |
カロリー | 350kcal/100g | 356kcal/100g |
値段 | 600~1000 円 | 400~500 円 |
「玄米」と「白米」について 7つの違いについて解説しましたが、どちらが良いというわけではなく、どちらにも良さがあるため、それぞれの良さを認識して食生活をより豊かなものにしていってください。