みなさんは何らかの賞を「受賞」されたことはありますか。
世の中には、皆勤賞・優秀賞などの身近なものから、芥川賞・アカデミー賞などの特殊なものまで様々な賞が存在するわけですが、どんな賞でも「受賞」できたら嬉しいものですよね。
また、テレビなどでその「授賞」式の様子が報道されることも多く、その華々しさに憧れを抱いたことがある方も多いのではないでしょうか。
ところで、「受賞」と「授賞」の二語は字面もニュアンスも似ていますが、みなさんはこの二つの単語の違いをきちんと説明することができますか。
今回はこの「受賞」と「授賞」の違いについて例文も含めて解説します。
結論:立場が違う
一方で、「授賞」とは賞を授与することです。
また、賞を受け取る側は賞を授与する側に比べて相対的に地位が低くなります。
このように目線の高さにも違いが生まれることにも注意が必要です。
「受賞」をもっと詳しく
「受賞」とは賞を受け取ることです。
つまり、こちらは賞をもらう側の視点に立った言葉です。何かに賞を「与えること」を「受賞」とは言いません。
新聞などでこちらの「受賞」が用いられている際には、賞を受け取った人や作品の偉大さに重きが置かれていることになります。
「受賞」の使い方の例
- ◯◯さんが、書道コンクールで優秀賞を受賞する。
- 徒競走で一等賞に輝き、金メダルを受賞する。
- こちらが今回の受賞作品になります。
そのため、「◯◯さんが〜賞を受賞する」や「受賞作品」など、誰か(何か)が賞を受け取ったことに重きが置かれていることがわかります。
また、「受賞する」は、もらう側の言葉であるため、「~が受賞する」もしくは「~を受賞する」といった形を取ります。「~に受賞する」という言い回しはないため注意しましょう。
「授賞」をもっと詳しく
「授賞」とは賞を授与することです。
つまり、賞を受け取る側の視点に立った「受賞」に対して、こちらは賞を与える側の視点に立った言葉になります。
テレビなどでよく「授賞式」の様子を目にすることもあるでしょう。授賞式は、式を主催する側、また賞を与えるという催しものそのものに重きを置いていることになります。
「授賞」の使い方の例
- ノーベル賞を授賞する。
- 優秀作品に授賞する。
- 授賞式に参加する。
そのため、「◯◯賞を授賞する」や「授賞式に参加する」など、賞を受け取る個人よりも賞そのものを与えることに重きが置かれていることがわかります。
また、「授賞する」は、与える側の言葉であるため、「~を授賞する」もしくは「~に授賞する」といった形を取ります。また、賞が話題にのぼる際は、何に賞が贈られるのかという点に焦点が当たっているため、「~が授賞する」という形はとりません。
「受賞」と「授賞」の英語訳の違い
「受賞」と「授賞」は立場が異なるため、当然英語訳も異なります。
「受賞」の英語訳は以下の通りです。
- win a prize
- get a prize
- awarding a prize
このように、英語訳にも賞を受け取る側と与える側の違いが現れています。
まとめ
以上、この記事では、「受賞」と「授賞」の違いについて解説しました。
- 受賞:賞を受け取ること
- 授賞:賞を授与すること
「受賞」と「授賞」は発音も同じ似た漢字を用いた言葉ですが、それぞれ賞を受け取る側と与える側とで反対の立場を取ります。それぞれ、「賞を受け取る」や「賞を授ける」と分解して覚えると間違いが減るでしょう。使用する際には十分に注意し、間違いのないようにしましょう。