今回ご紹介する言葉は、熟語の「稟議(りんぎ)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「稟議」をざっくり言うと……
読み方 | 稟議(りんぎ) |
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意味 | 会社・官庁などで、会議を開催する手数を省くため、係の者が案を作成して関係者に回し、承認を求めること |
類義語 | 決裁、申請、提案など |
英語訳 | request for decision(決定を求める)、internal memo(社内メモ)など |
「稟議」の意味をスッキリ理解!
「稟議」の意味を詳しく
今回紹介する稟議は会社・官庁などで、会議を開催する手数を省くため、係の者が案を作成して関係者に回し、承認を求めることという意味で用いられます。
主にビジネスシーンでよく使われる表現で、本来は稟議(ひんぎ)という読み方をしていました。
しかし、稟議(りんぎ)と誤読されることが多かったため、稟議(りんぎ)という読み方が慣用読みになったと言われています。
また、稟議はその意味の通り、ビジネスシーンでよく使われる表現となっており、会議を開くほどではない事項が発生したときに主に使用されます。そのため、稟議される内容は概ねパターン化されており、以下がそのパターンとなっています。
- 契約稟議:他社・外部と契約を結ぶ際に書類を回して承認を得る作業
- 購買稟議:備品などを購入する際に書類を回して承認を得る作業
- 採用稟議:新しい社員などを採用する際に書類を回して承認を得る作業
「稟議」の使い方
- この稟議が通らないことにはプロジェクトは進行しません。
- 会社が忙しい時期だったので、中途採用の方の合否は稟議にて決定された。
- この研究を進めるために備品の購入が必要なので、社内で稟議にかけた。
①の例文では、何か決断しなければいけない事項があり、その事項を稟議にかけている状態を表しています。
②の例文で用いられている稟議は、採用稟議の事を表しています。会議にて、採用の可否を決めていないということが分かりますね。
③で使用されている稟議は購買稟議のことを言っています。安価な備品の購入などは会議で議論する内容ではないので、社内で稟議にかけられることが多い事項となっています。
「稟議」の類義語
稟議には以下のような類義語があります。
- 決裁:権限を持っている上位者が、部下の提出した案の可否を決めること
- 申請:希望や要望事項を願い出ること
- 提案:議案や意見を提出すること
- 承認:そのことが正当または事実であると認めること
- 請求:正当な権利として求めること
稟議の類義語の中には決裁という熟語があります。
この熟語は稟議と混同しやすいため、注意が必要です。稟議と決裁の具体的な違いとしては、稟議は関係者など部下に書類を回覧させ、事項決定します。
それに対し、決裁は、責任者となる上司がその事項の可否を決定します。このことより、稟議の決定主体は「部下」、決裁の決定主体は「上司」となります。
このあたりに注意して、「稟議」および「決裁」を使用していきましょう。
「稟議」の英語訳
稟議を英語に訳すと、次のような表現になります。
- request for decision
(決定を求める) - internal memo
(社内メモ) - controversy
(論議)
稟議の英語訳は上記のようになっております。
この中でも、英語圏で最も稟議の意味に近いのは”request for decision”です。
他の英語訳は、稟議以外の意味合いも含まれてしまうため、場面によっては伝わらない可能性もあります。
まとめ
以上、この記事では「稟議」について解説しました。
読み方 | 稟議(りんぎ) |
---|---|
意味 | 会社・官庁などで、会議を開催する手数を省くため、係の者が案を作成して関係者に回し、承認を求めること |
類義語 | 決裁、申請、提案など |
英語訳 | request for decision(決定を求める)、internal memo(社内メモ)など |
稟議はビジネスシーンにおいて、使わない場面はほぼない熟語となっているので、社会人の方、これから社会人になる方はぜひ頭に入れておいてください。