今回ご紹介する言葉は、熟語の「英気(えいき)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳について分かりやすく解説します。
☆「英気」をざっくり言うと……
読み方 | 英気(えいき) |
---|---|
意味 | 積極的に取り組む気力 |
類義語 | 才気、才覚、積極 |
対義語 | 英気を奪われる、英気をくじかれるなど |
英語訳 | vigor(活力)など |
「英気」の意味をスッキリ理解!
「英気」の意味を詳しく
「英気」とは、「積極的に物事に取り組もうとするやる気」を表す言葉です。
「英気」の「英」は、「秀でた」や「優れた」という意味です。ちなみに、漢字で「イギリス」を表すときに、「英」が使われますが、その由来は「英」の意味にあります。
文明開化後の日本では、イギリスは素晴らしい文化を持つ国とされていました。当時の日本人は、そのイギリスの優れた文化を尊敬し、「優れた」という意味を持つ「英」を当てはめたとされたいます。
「英気」には、2つ意味が存在します。1つは、「優れている気性や才気」という意味です。もう1つは、「元気よく働こうという気力がみなぎっているさま」という意味です。
「優れている気性や才気」という意味は、英気の本来の意味です。「気性」とは、能力のことであり、「才気」とは賢さのことです。つまり、この2つは思考力の高さや頭の回転の速さを示します。
この「英気」の本来持つ意味から派生し、「英気がみなぎってよい働きをしている様子」や、「気力に満ちている気持ちのこと」も表すようになりました。
したがって、「英気」<はstrong>「元気よく働こうという気力がみなぎっているさま」という意味も持ち合わせています。
「英気」には2つの意味がありますが、現在一般的に用いられる意味は、後者の「やる気」や「元気」という意味です。
「優れている気性や才気」という意味ではあまり使われていないため、使う場面には注意しましょう。
「英気」の使い方
- 大会が始まり、出場選手たちは英気颯爽(さっそう)としてスタートラインに立った。
- 上司に働きぶりを褒められた彼は、いつにも増して英気に溢れている。
- 明日はとうとうセンター試験なので、食事と睡眠をしっかり摂(と)って英気を養う。
- 週末で十分に英気を養ったので、月曜から気持ちよく働こうと思う。
また、「英気」の最も用いられる使い方は、「英気を養う」です。
すでに解説したように、「英気」は「元気」という意味です。元気をつけるために休養をとって力を蓄える様子を「養う」という言葉をつけて表した言葉です。
③のように、次の日や今後のために、たくさん栄養を摂取したり、たっぷり睡眠をとったりして身体をリフレッシュすることは、「英気を養う」と言うことができます。
「英気」の類義語
英気には以下のような類義語があります。
- 才気(さいき):物事をたくみに処理する知的能力
- 才覚(さいかく):すばやく頭を回転させて、物事に上手く対応する力
- 積極(せっきょく):物事に自ら進んで働きかけるさま
「才気」と「才覚」は、「英気」の「優れている気性や才気」という意味の類義語です。この「英気」の意味は現在使われないので、似た意味合いを使いたい時は、この2つを使いましょう。
正しいのは「英気を養う」か「鋭気を養う」か
「英気」と同じ読み方の漢字に、「鋭気」があります。「英気を養う」は、「鋭気を養う」と漢字を間違えられることがあります。
しかし、辞書に出てくる正しい漢字表記は、「英気を養う」です。「鋭気を養う」は間違った使い方になります。
「英気」は「活力」や「元気」を表すので、休息などリラックスすることで養うことができます。「英気」は、人間の精神的な部分より、自身の体力的な部分を示します。
反対に「鋭気」は、「鋭い気勢」や「勢いのある強い気持ち」という意味です。「英気」に比べて、精神的な意味合いを強く持ちます。
つまり、「英気」が体力的に元気である様子を表すのに対し、「鋭気」は体力の有無に関わらず、気持ちを奮い立たせている様子を表します。
内面の意欲は自らの気持ち次第で励ますことができるため、「養う」という言葉をつけるのは不適当です。
したがって、「鋭気を養う」は誤った使い方であり、正しくは「英気を養う」です。正しい使い方をしっかり覚えておきましょう。
「英気」の対義語
「英気」自体に対義語はありません。ただし、「英気を養う」の対義語としては、「英気を奪われる」があります。
「英気」と反対の意味を用いるときは、「英気」の後に「失くされる」というニュアンスの言葉をつけます。
「英気」の英語訳
英気を英語に訳すと、次のような表現になります。
- vigor
(活力) - energy
(精力)
現在使われている「英気」の意味は、上記のように英語表記されます。
また、「英気を養う」の英語訳は、 to restore one’s energy や recreate oneself などがあります。「英気を養う」はよく用いられる表現であるため、こちらも合わせて覚えておきましょう。
まとめ
以上、この記事では「英気」について解説しました。
読み方 | 英気(えいき) |
---|---|
意味 | 積極的に取り組む気力 |
類義語 | 才気、才覚、積極 |
対義語 | 英気を奪われる、英気をくじかれるなど |
英語訳 | vigor(活力)など |
「英気」は、非常にポジティブな意味合いを持ちます。また、同じ読み方をする「鋭気」でも、その意味は全く変わってくるため正しい知識を身につけることが大切です。
気持ちよく何かをするためには、リフレッシュすることが必要不可欠です。自分を追い込みすぎることなく、適度に「英気を養う」ことで心機一転しながら、何事にも取り組みましょう。