「プレミアム」の意味とは?使い方から英語や類語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「プレミアム」です。

「プレミアム」の意味・使い方・語源・類義語についてわかりやすく解説します。

☆「プレミアム」をざっくり言うと……

英語表記プレミアム(premium)
意味高級・上等/割り増し分の価格
語源「報奨金」という意味のラテン語 “praemium”
類義語割増金、打歩など

「プレミアム」とは?

プレミアム(premium):高級・上等/割り増し分の価格

「プレミアム」の意味を詳しく

「プレミアム」には、以下のような意味があります。

  1. 高級、上等
  2. 割り増し分の価格
  3. 特定の期日までに原資産を売買する権利の価格
  4. 購入者への特典品
  5. 保険料

➀高級・上等

「プレミアム」には、高級・上等という意味があります。「通常価格」の商品と比べ、価値があることを表します。

この意味で「プレミアム」が使用されている例を、いくつかご紹介します。

プレミアムビール

「プレミアムビール」は、主に原料や醸造方法にこだわりがあるビールを指します。一般的なビールよりも値段が高いのが特徴です。しかし、明確な定義があるわけではありません。

プレミアムキャンペーン

「プレミアムキャンペーン」(premium campaign)とは、ある特定の期間に特別の景品・賞金を用意し、消費者の購買意欲を高める宣伝活動のことです。

プレミアム会員

「プレミアム会員」とは、一般の会員よりも優れたサービスを受けられる会員のことです。多くの場合、通常料金以外に課金をすることで「プレミアム会員」になることができます。

「プレミアム会員」によって収益を得るビジネスモデルは、WEBサービス等で多く用いられています。

プレミアムシート

「プレミアムシート」は、簡単に言うと特等席のことです。映画やコンサート、高速バス、飛行機などで、通常の席よりもよい席のことを指して使います。

具体的には、通常の席よりも幅が広かったり、飲み物のサービスがあったりします。また、人気がある席位置である場合もあります。

プレミアムフライデー

「プレミアムフライデー」(Premium Friday)とは、2017年2月に政府と経済界が始めた取り組みのことです。目的は、消費の拡大と働き方改革の推進です。

このキャンペーンでは、月末の金曜日に午後3時をめどに退社することが推奨されています。金曜日の夕方から買い物や外食、旅行などをすることで、個人消費を拡大する狙いがあります。

月末の金曜日に合わせて、セール等を行う企業も多いです。

「プレ金」と略すこともあります。

➁割り増し分の価格

「プレミアム」には、株式や外国為替などの割り増し価格という意味があります。

たとえば、2001年10月の商法改正以前までは、株券に「額面価格」が記載されていました。「額面価格」とは、発行した株券に記載された、株の価格のことです。

 

この場合の「プレミアム」は、「額面価格」が記載された株式が「額面価格」以上の価格で発行されたときの超過額を指します。

しかし、2001年10月の商法改正を機に、「額面価格」が記載された株券が廃止になりました。そのため、今では株券に価格の記載がない「無額面株式」が広まっています。

また、企業を買収する際に、買収される企業の純資産額よりも買収価格が高い場合、その超過額を「プレミアム」といいます。この場合は、「のれん代」と言い換えることができます。

 

さらに、「額面金額が同じお金に生じる差額のこと」を指すこともあります。

たとえば、日本において現存する2000円札が非常に少なくなったと仮定します。この時、2000円札に3000円分の価値が出た場合、「2000円札にプレミアムがついた」と表現することができます。

ジャパンプレミアム

関連語として、「ジャパンプレミアム」(Japan premium)があります。

「ジャパンプレミアム」とは、金融機関が海外で資金調達をする際に、他国よりも高く設定される金利のことです。日本の金融機関に対する信用の低下にともない、1997年に発生しました。

 

当時、バブル崩壊にともない、金融機関が担保としていた資産の価値が大きく下落しました。

これにより、金融機関は多くの不良債権を抱えることになりました。結果として、三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券など有名な金融機関が破綻しました。これが「ジャパンプレミアム」の原因です。

その後、日本経済の立て直しにともない、2000年頃には「ジャパンプレミアム」はなくなっています。

➂特定の期日までに原資産を買売する権利の価格

「プレミアム」には、特定の期日までに原資産を売買する権利の価格という意味があります。

商品先物取引(※1)や株式取引、債権取引では、常に対象となる資産の価値が変動します。このような資産を、特定の期日までに一定金額で買う権利をコールオプションといいます。一方、売る権利をプットオプションといいます。

今回は、コールオプションに注目します。

 

コールオプションの取引には、買い手と売り手が存在します。取引を開始するときには、買い手は「特定の期日までに、ある商品を決められた金額で買う権利」の対価として、売り手にお金を支払います。これを「プレミアム」といいます。

コールオプションのポイントは、買い手は権利を行使することも放棄することもできるということです。

 

たとえば、コールオプションを売買した日が4月1日、取引された株の現在の株価が9500円、権利行使価格を10000円、プレミアムを1000円、満期日を5月1日だとします。

この場合、買い手は「5月1日までに特定の株を10000円で買う権利を、1000円で買った」ことになります。仮に5月1日までに株価が10000円以上になれば、買い手は権利を行使することで、その時の株価よりも安く株を手に入れることができます。

 

その場合、買い手が支払うお金の総額は、プレミアム代と権利行使価格の合計である11000円です。つまり、株価が11000円以上になった場合、超過分は買い手のもうけとなります。

一方、株価が9500円のまま変わらなかった場合、買い手は権利を行使するメリットはありません。なぜなら、権利を行使して10000円で株を行使しなくても、株価通りの9500円で株を手に入れることができるからです。

この場合は、買主は権利を行使せず、1000円のプレミアム分だけ損をするという結果になります。

 

コールオプションは、買い手・売り手双方にメリットがあります。

買い手は、損失をプレミアムに限定することが出来る上、手に入る利益は無制限です。一方売り手は、金銭的な損失を被ることはありません。必ずプレミアムの金額分だけ利益があります。

 

しかし、買い手は株価が十分に上がらなかった場合、プレミアムの金額分だけ損をすることになります。

また、売り手は買い手の権利行使を拒むことはできません。そのため、「自分で売買したほうが得をした」というケースは考えられます。

  • 商品先物取引(※1):あらかじめ商品の数量・値段を定め、一定期間後にその内容通りに行う取引

➃購入者への特典品

「プレミアム」には、購入者への特典品という意味があります。商品購入時に、無料でついてくるおまけのことを指します。

商品を値引きすることや、同一価格で割り増しすることは、「プレミアム」ではありません。つまり、特売セールやつけ麺の大盛無料サービスは、「プレミアム」には含まれません。

➄保険料

「プレミアム」には、保険加入者が支払うお金という意味があります。しかし、使用頻度は低いです。

「プレミアム」の使い方

  1. いつも購入しているシャーペンの芯に、小さな消しゴムのプレミアムがついていた。たかが消しゴムだが、少しだけ幸せな気持ちになった。
  2. 今晩は、プレミアムフライデーを利用して映画を観に行く予定だ。ちょっと奮発してプレミアムシートを既に予約してある。
  3. 今回のA社の買収では、多額のプレミアムが支払われた。しかし、必要以上のプレミアムは株価の下落に繋がるから、気を付けるべきだ。

➀の例文は、「購入者への特典品」という意味で「プレミアム」を使用しています。

一方、➁の例文は、「高級、上等」という意味で「プレミアム」を使用しています。

また、➂の例文における「プレミアム」は、「割り増し分の価格」という意味です。

「プレミアム」の語源

「プレミアム」の語源はラテン語の “praemium” です。

“praemium” には、「わいろ」「報奨金」「報酬」といった意味があります。「追加での支払い」というニュアンスから派生し、現在の「プレミアム」の意味になりました。

「プレミアム」の類義語

「プレミアム」には以下のような類義語があります。

  • 割増金(わりましきん):通常の金額からの、増加分の金額のこと
  • 打歩(うちぶ):「割増金」とほぼ同義

まとめ

以上、この記事では「プレミアム」について解説しました。

英語表記プレミアム(premium)
意味高級・上等/割り増し分の価格
語源「報奨金」という意味のラテン語 “praemium”
類義語割増金、打歩など

多くの人が「プレミアム」と聞くと、「普通のものより優れている」という印象を受けるのではないでしょうか。

しかし、「プレミアム」の意味は非常に多岐にわたります。「高級・上等」以外の意味もしっかりと押さえておきましょう。