今回ご紹介する言葉は、熟語の「狭隘(きょうあい)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「狭隘」をざっくり言うと……
読み方 | 狭隘(きょうあい) |
---|---|
意味 | 場所が狭いこと。心が狭いこと。 |
類義語 | 手狭、狭量、狭小、偏狭 |
対義語 | 広大、寛大、慣用 |
英語訳 | narrow, small, narrow-minded, intolerant |
「狭隘」の意味をスッキリ理解!
「狭隘」の意味を詳しく
「狭隘」の「狭」と「隘」は、どちらも「せま(い)」と訓読できる漢字です。そんな「狭隘」には、2つの意味があります。
1つ目は、「場所が狭い」という意味です。この意味では、「狭隘な土地」や「狭隘な道」といった使い方があります。
2つ目は、「心が狭い」という意味です。たとえば、「狭隘な心」という表現があります。度量が小さく、人の言動を広く受け入れない心のことを指します。
「狭隘」の使い方
- この歩道は狭隘であるため、列を作って歩くのがよい。
- 狭隘道路には緊急車両が進入できない。
- メンバーの意見を聞き入れない狭隘な人には、班長は務まらない。
①と②では、場所が狭いという意味で「狭隘」を用いています。②の「狭隘道路」とは、交通で使われている道路のうち、幅が 4m未満のものを指します。
③では、メンバーの意見を聞き入れず、度量が小さいさまを「狭隘」と表現しています。
「狭隘」の類義語
狭隘には以下のような類義語があります。
- 手狭(てぜま):活動の規模に対して、場所が狭いこと。
- 狭量(きょうりょう):度量が小さいこと。
- 狭小(きょうしょう):場所が狭いこと。度量が小さいこと。
- 偏狭(へんきょう):場所が狭いこと。度量が小さいこと。
「場所が狭いこと」という意味では「手狭」が、「心が狭いこと」という意味では「狭量」が対義語です。「狭小」と「偏狭」はどちらの意味でも用います。
「狭隘」の対義語
狭隘には以下のような対義語があります。
- 広大(こうだい):広くて大きいこと
- 寛大(かんだい):度量が大きくて、思いやりがあること
- 寛容(かんよう):度量が大きくて、さまざまことを受け入れること
「場所が狭いこと」という意味に関しては「広大」が、「心が狭いこと」という意味に関しては「寛大」と「寛容」が対義語です。
「狭隘」の英語訳
狭隘を英語に訳すと、次のような表現になります。
- narrow
((幅が)狭い、(心が)狭い) - small
((体積が)小さい、(心が)狭い) - narrow-minded
((心が)狭い) - intolerant
((心が)狭い)
narrow と small は、場所の狭さと心の狭さの両方を表します。一方、narrow-minded と intolerant は心が狭いことのみを指す表現です。
また、場所が狭いことを表す場合、narrow と small にはニュアンスの違いがあります。
narrow は幅が狭いことを表し、道路などの狭さを表現する際によく使われます。一方、small は体積が小さいことを指すため、室内の狭さを表現する際に用いられます。
それぞれの単語を用いた例文は以下の通りです。
- The narrow road was one of the causes of the accident.
(その事故が起きた原因の一つは、狭隘道路にあった) - This room is too small to hold many visitors.
(この部屋は、大勢の収容するには狭隘すぎる) - I think the reason my parents often quarrel is that they are both narrow-minded.
(両親の頻繁(ひんぱん)な喧嘩は、双方の狭隘さから来ていると思う) - He is so intolerant that he never accepts different opinions.
(彼は、違う意見を断固として受け入れないような、狭隘な人間だ)
まとめ
以上、この記事では「狭隘」について解説しました。
読み方 | 狭隘(きょうあい) |
---|---|
意味 | 場所が狭いこと。心が狭いこと。 |
類義語 | 手狭、狭量、狭小、偏狭 |
対義語 | 広大、寛大、慣用 |
英語訳 | narrow, small, narrow-minded, intolerant |
どちらも「せま(い)」と訓読できることを押さえておけば、「狭隘」の意味を覚えやすいでしょう。