カヌーとカヤックには、パドルなど4つの違いがあります。
アクティビティスポットやスクールなどを調べていて、カヌーとカヤックが表示されて困ったことがある人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、カヌーとカヤックの違いをご紹介します。
☆「カヌー」「カヤック」の違いをざっくり言うと……
カヌー | カヤック | |
---|---|---|
パドル | シングルブレードパドル | ダブルブレードパドル |
起源 | ネイティブ・アメリカン | エスキモー |
デッキ | オープンデッキ | クローズドデッキ |
シチュエーション | 穏やかな川や湖の周遊 | 川下りや釣りなどのアクティビティ |
このページの目次
【結論】「カヌー」と「カヤック」の4つの違い
カヌーとカヤックには以下のような4つの違いがあります。
カヌー | カヤック | |
---|---|---|
パドル | シングルブレードパドル | ダブルブレードパドル |
起源 | ネイティブ・アメリカン | エスキモー |
デッキ | オープンデッキ | クローズドデッキ |
シチュエーション | 穏やかな川や湖の周遊 | 川下りや釣りなどのアクティビティ |
カヌーとは「パドルを使って水をかいて前進する小船の総称」で、カヌーは大きく「カナディアンカヌー」と「カヤック」の2種類に分類されます。
つまりカヤックはカヌーの一種なのです。
↓カヌー
↓カヤック
これから、それぞれの違いについて詳しく見ていきたいと思います。
【1】パドルの違い
カヌーのパドルはシングルブレードパドルです。
カヤックのパドルはダブルブレードパドルです。
カヌーのパドル
カヌーは、ブレードと呼ばれる水かきが片方だけについているシングルブレードパドルを使います。
漕ぎ方には、「チェインジング・ストローク」という方法があります。
これは、船体の右側と左側を交互に漕ぐ方法です。
素早くパドルを持ち替えて左右交互にこぐ必要があるため、初心者は2人以上で乗船するのがおすすめです。
チェインジング・ストローク以外にも、「Jストローク」「ラダー・ストローク」「カナディアンストローク」などの漕ぎ方があります。
これらはチェインジング・ストロークとは対照的で、船体の片側だけを漕いでまっすぐ進むことが可能です。
カヤックのパドル
カヤックは、ブレードが両方についているダブルブレードパドルを使います。
シングルブレードパドルと比べて持ち手を代える必要がないので、初心者でも比較的コントロールしやすいのが特徴です。
漕ぎ方には「フォワードストローク」という方法があります。
これは、左右のブレードを均等に漕いで進んでいくものです。
手や腕だけではなく、背骨を軸に体をひねりながらバランスよくパドルを動かす必要があります。
【2】起源の違い
カヌーの起源はネイティブ・アメリカンです。
カヤックの起源はエスキモーです。
カヌーの起源
日本におけるカヌーは、一般的にカナディアンカヌーのことを指しています。
このカナディアンカヌーの起源はネイティブ・アメリカンです。
ネイティブ・アメリカンが狩猟や旅に使っていた乗り物にルーツがあり、荷物の積載能力が高いのが特徴です。
カヤックの起源
カヤックの起源はエスキモーです。
もともとはアザラシなどの海獣の狩猟や輸送を目的として作られ、かつてはアザラシやトナカイの皮が使われていました。
【3】デッキの違い
カヌーはオープンデッキです。
カヤックはクローズドデッキです。
カヌーのデッキ
もともとネイティブ・アメリカンの移動や輸送に使用されていたカヌーは、複数人で乗船したり、荷物をたくさん乗せることに適しています。
そのため、船体上部の構造が開放されたオープンデッキが特徴です。
下半身を固定されないため身動きが取りやすく、スピードよりも船体の安全性が重視されています。
カヤックのデッキ
もともとエスキモーが狩猟のために海で使っていたカヤックには、簡単に沈まない仕組みが求められます。
そこでカヤックは、波を上からかぶっても船内に水が入りにくくするために、座席の部分以外が甲板で覆われているクローズドデッキを採用しています。
座る場所以外が覆われているため、体をもぐりこませて乗り込みます。
ただ、カヌーとカヤックの一番の違いはパドルです。
たとえ船体がクローズドデッキの作りになっていても、シングルブレードパドルを使用している場合は、カヌーに分類されます。
【4】シチュエーションの違い
カヌーは、穏やかな川や湖の周遊です。
カヤックは川下りや釣りなどのアクティビティです。
カヌーのシチュエーション
荷物をたくさん積み込めるカヌーは、穏やかな川や湖に適しています。
船の先端部が鋭く水の抵抗が少ないため、景色を眺めながら水面を静かにゆったり進むことが可能です。
カヤックのシチュエーション
カヤックでは、川下りや釣りなどのアクティビティを楽しめます。
強い波がきても潜水するリスクを回避することができ、万が一ひっくり返ってしまっても、ロールというテクニックで起き上がることができるためです。
水面との距離が近く、海洋生物と触れ合えるアクティビティも充実しています。
カヤックの種類
シチュエーションや目的別に、カヤックの種類をご紹介します。
シーカヤック
シーカヤックは、海で使用することを想定して作られたカヤックです。
ほかのカヤックよりも船体が細長く、直進性に優れているのが特徴です。
海岸沿いを長距離漕いだり、島から島へ移動する際に適しています。
リバーカヤック
リバーカヤックは川の急流を下って楽しむためのカヤックで、「ダウンリバーカヤック」「フリースタイルカヤック」「クリ―キングカヤック」に分かれます。
船体が頑丈なことに加え、川の上を俊敏に動く機動力があるのが特徴です。
似たアクティビティにラフティングがありますが、ラフティングにはゴムボートを使用します。
ファンカヤック
ファンカヤックは、湖で楽しむカヤックのことを言います。
安定性に優れ、初心者でも比較的まっすぐ進みやすいのが特徴です。
波が穏やかな海で使用される場合もあります。
初心者やパドルの操縦に慣れていない人におすすめです。
フィッシングカヤック
フィッシングカヤックは、釣りを目的としたカヤックです。
釣り竿を立てるための専用ホルダーや大型のトランクスペースなどの機能が備わっています。
水中の魚を探すための魚群探知機や、小型の作業台などを追加で取り付けることも可能です。
レクリエーショナルカヤック
レクリエーショナルカヤックは、湖や川、海などフィールドを選ばず使えるカヤックです。
船の幅が広く安定性が高い反面、直進性が少ないため長距離の移動には向いていません。
釣りやシュノーケリングなど、水遊びと併せて使うのに適しています。
ナイトリバーカヤック
ナイトリバーカヤックは、夜の川を周遊するカヤックです。
夜にしか見れない景色や、夜にしか遭遇できない動物を観ることができる可能性があるところが最大の魅力です。
マングローブカヤック
マングローブカヤックは、マングローブの間を漕ぐカヤックです。
日本では沖縄県と鹿児島県でしか体験することができません。
マングローブが生い茂る森の中には、希少な植物や動物が生息しています。
「カヌー」「カヤック」「ボート」の違い
カヌー、カヤックとボートは、漕ぐ道具と進む方向が異なります。
ボートで使う道具はオール・櫓(ろ)、カヌー、カヤックで使う道具はパドル・櫂(かい)です。
また、カヌー、カヤックは前向きに進むのに対し、ボートは後ろ向きに進みます。
「カヌー」「カヤック」「カッター」の違い
かつて人命救助で使われていた小舟をカッターと言います。
船尾を切断したような形状をしていることから、カッターと呼ばれています。
現在は、学校や会社などの集団研修等で使われています。
「カヌー」と「カヤック」の違いのまとめ
以上、この記事では、カヌーとカヤックの4つの違いについて解説しました。
カヌー | カヤック | |
---|---|---|
パドル | シングルブレードパドル | ダブルブレードパドル |
起源 | ネイティブ・アメリカン | エスキモー |
デッキ | オープンデッキ | クローズドデッキ |
シチュエーション | 穏やかな川や湖の周遊 | 川下りや釣りなどのアクティビティ |
違いを理解し、アクティビティを楽しむときなどの参考にしましょう。