今回ご紹介する言葉は、ことわざの「下手(へた)の長談義(ながだんぎ)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳などについて分かりやすく解説します。
☆「下手の長談義」をざっくり言うと……
読み方 | 下手(へた)の長談義(ながだんぎ) |
---|---|
意味 | 話の下手な人ほど長話をするということ |
由来 | 長々とした仏教の説教を「長談義」ということから |
類義語 | 長口上(ながこうじょう)は欠伸(あくび)の種など |
英語訳 | Many speak much who cannnot speak well.(上手にしゃべれない人ほどよくしゃべる) |
このページの目次
「下手の長談義」の意味をスッキリ理解!
「下手の長談義」の意味を詳しく
「下手の長談義」とは、話の下手な人ほど長話をするということを意味することわざです。
「談義」とはお坊さんが説く、仏法における説法のことをいいます。
「長談義」はその「談義」が長くまとまりのないものになってしまうことをいいます。
転じて、「下手の長談義」は話が下手な人は長々とまとまりのない話をする、という意味になりました。
また、話が下手なのに長々と話をするため、聞き手が迷惑がっていることを指すこともあります。
たとえ人生の道理などためになる話をしようとしても、長々としたつまらない話になってしまうためです。
「下手の長話」「下手の長口上(ながこうじょう)」ともいいます。
「下手な長談義」というのは誤りですので、注意しましょう。
「下手の長談義」の使い方
- 彼のスピーチはまさに下手の長談義だ。会場にいた人々は興味が持てずうんざりしていたよ。
- 相手に何かを伝える時は、長々と話さずわかりやすく簡潔にするべきだ。下手の長談義と言われかねないからね。
- これからとても大事なことを話すので、どうか下手の長談義とは言わず最後まで聞いてください。
「下手の長談義」は、例文①のように他人の話をつまらないという時や、例文②のように他人にアドバイスをする時にも使われます。
また、例文③のように、自分自身が話をする時に、へりくだっていう場合にも使われます。
「下手の長談義」の由来
「談義」とはもともと、お坊さんの説教のことを意味していました。
お坊さんが説明してくれる、仏教の話や人生についての話のことです。
この「談義」が、うまくまとまらず長くつまらないものになってしまうことを「長談義」といいます。
このことが転じて、長々としたつまらない話をすることを「下手の長談義」というようになりました。
また、昔はこの言葉に続けて、「高座(こうざ)の妨げ」とも言っていました。
「高座」とはお坊さんが座って説教をする場所です。
よって、つまらない話は説教の効果の妨げになるという意味があります。
「下手の長談義」の類義語
「下手の長談義」には以下のような類義語があります。
- 長口上(ながこうじょう)は欠伸(あくび)の種:長話は人を退屈させるから、話は簡潔にせよということ
「下手の長談義」の英語訳
「下手の長談義」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Brevity is the soul of wit.
(簡潔は機知の精髄) - Many speak much who cannnot speak well.
(上手にしゃべれない人ほどよくしゃべる)
まとめ
以上、この記事では「下手の長談義」について解説しました。
読み方 | 下手(へた)の長談義(ながだんぎ) |
---|---|
意味 | 話の下手な人ほど長話をするということ |
由来 | 長々とした仏教の説教を「長談義」ということから |
類義語 | 長口上(ながこうじょう)は欠伸(あくび)の種など |
英語訳 | Many speak much who cannnot speak well.(上手にしゃべれない人ほどよくしゃべる) |
自分の話を聞いてほしくて、つい話しすぎてしまうことは誰にでもあると思います。
しかし、だらだらと長い話をしたり、興味のない話を続けて、聞き手をうんざりさせてしまうことは避けたいものです。